鱧、赤雲丹、牛肉、玉ねぎ…すべて極上の淡路島で「絶対に食べたいもの」【前編】
大都市からのアクセスがよいリゾートアイランドとして注目の兵庫県・淡路島。古の時代には「御食国(みけつくに)」と呼ばれていたこの島は、食材の宝庫としても知られています。淡路島でのワーケーションで、人生の満足度を高めてみませんか。
食糧自給率100%超え!
淡路島は何もかもがおいしい
兵庫県・神戸の繁華街から車で1時間弱、明石海峡大橋を渡ればもうそこは淡路島だ。南は大鳴門橋で徳島県とつながっている瀬戸内海の離島である。日本で最古の歴史書『古事記』の冒頭に、同島は日本で最初に生まれた土地、「国生みの島」だと記されている。
海に囲まれ、豊かな山もあることから、食料自給率は100%を超える。長い日照時間、温暖な気候によって、四季折々の農産物はよく育ち、おいしい。甘く、柔らかく、みずみずしい玉ねぎを始め、自然薯や東山寺大根、レタス、キャベツ、みかん、びわなど多種多様な野菜や果物がつくられている。
水源に恵まれ、鮎がたくさん住む川が流れることから鮎原(あいはら)と名づけられた地でできる鮎原米(淡路島産キヌヒカリ)も人気だ。絹のような光沢をもつ白く美しい米で、あっさりと口当たりがよく、関西の寿司店での需要が高いという。
中山間地域という特性を活かした畜産業も盛ん。穏やかな太陽と潮風が運ぶミネラルをたっぷり含んだ大地で育つため、肉の旨味が濃いのが特徴だ。世界で名高い但馬牛(たじまうし)の多くが、淡路島で生まれているとか(但馬牛は神戸ビーフ、松阪牛や近江牛のルーツ)。そのなかでも、とくに厳しい基準をクリアしたものが「淡路ビーフ」というブランドとなっている。
さらに特筆すべきは海産物。大阪湾、播磨灘、紀伊水道に囲まれるこの海域の急な潮流にもまれた魚介類は、種類も量も豊富なうえ、身が締まっていて味は極上。市場ではとくに高値で取り引きされる鯛やタコ、特別な漁法で1匹ずつ丁寧に釣られる鱧(ハモ)、鮮度の証として腹側を見せて盛りつけられる由良(ゆら)漁港の甘い赤雲丹にいたっては、もはや高級ブランド化している。このほか、瀬戸内海の豊富なエサを食べて肥え太った穴子、灰をつける伝統的な製法で養殖される「灰わかめ」、足が早い(腐敗しやすい)ため漁場が近くないと生で食べられない鰆(サワラ)も名物だ。
淡路の食材の評価は昔から高く、古代から平安時代までは朝廷へ食材を献上していた御食国のひとつだった。島の食堂、どこで食べてもハズレがないのは、極上食材のおかげなのだ。
▼後編につづく
●情報は、FRaU SDGsMOOK WORK発売時点のものです(2021年4月)。
Photo:Kenji Mimura Edit & Text:Shiori Fujii
Composition:林愛子
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