鹿児島の喜界島にUターン、捨てられていた島みかんで「クラフトコーラ」を!
職業や肩書、場所にとらわれず、どうやって働き、どうやって生きるのか。いま、選択肢は広がりつつあります。自分に合う働き方を見つけた方々に聞く、新しい働き方のヒント集。今回は「TOBA TOBA COLA」の甲原和憲さん、真子さん夫妻を紹介します。
フードロスに貢献する、新しい働き方
シンガポールで出会い、2017年に帰国した甲原さん夫妻。妻・真子さんの故郷である鹿児島県の喜界島を訪れたとき、食べられずに腐っていく、島みかんのフードロス問題に直面する。
「食料が少ない時代、喜界島ではみかんを軒先に植える習慣があったそうで、多くの家には島在来種のみかんが植えられています。珊瑚が隆起してできた喜界島の土壌はミネラルが豊富で、しかも無農薬で育っているんです。島みかんの再活用方法を考えるようになりました」
シンガポールではおなじみの、薬草とスパイスを混ぜたハーバルシロップから着想を得て、捨てられてしまう島みかんをつかったクラフトコーラづくりをはじめた。
島みかんのほか、喜界島産のきび糖などを14種類のスパイスと合わせ、誕生した「TOBA TOBA COLA」。トバトバは島の言葉で、浮き浮きを意味する。
和憲さんは週休3日でムリなく働き、仕事のある日でも集中が途切れたら海釣りに行く。真子さんも海辺に行き、iPadなどでイラストやデザインの作業をするという。
みかんを買い取るため一軒ずつ交渉していくうちに、島民との交流も生まれた。集められるみかんが増えてきたため、今後は生産体制を強化する。
2人は、「島内での雇用も生み出していきたい」と意気込むのだった。
●情報は、FRaU SDGsMOOK WORK発売時点のものです(2021年4月)。
Text:Chihiro Kurimoto Edit:Chihiro Kurimoto
Composition:林愛子
【こんな記事も読まれています】