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たった40分で、世界にひとつだけの“うちの味”。手作り味噌に挑戦!
たった40分で、世界にひとつだけの“うちの味”。手作り味噌に挑戦!
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たった40分で、世界にひとつだけの“うちの味”。手作り味噌に挑戦!

安心・安全に配慮した農産物、ミールキットなどの定期宅配サービスをおこなう「Oisix(オイシックス)」。たったの20分でメイン料理と副菜が完成する、必要量の食材とレシピがセットになったミールキット「Kit Oisix(キット オイシックス)」は、家事の時短に役立つお助けサービスとして、利用している人も多いかもしれません。

なかでも、2017年に発売を開始以降、累計2万8000セットも売れているという「手作り味噌キット」は、誰でも簡単に世界にひとつだけの味噌を作れるというもの。しかも本来ならば20時間以上かかる味噌の仕込みがたったの40分でできるそう。そんな“手仕事”を実際に体験できるワークショップがおこなわれるということで、さっそく“うちの味”を求めて参加してきました。

豊かな土壌と冬の雪解け水から生まれた有機大豆と米麹を丁寧に仕込んでいきます

今回使用した「手作り味噌キット」は、島根県浜田市にある人口約1000人の小さな町弥栄町の畑で、有機栽培にこだわり丁寧に育てられた「やさか共同農業」の煮大豆と米こうじ、高知県沖の海洋深層水塩「天然の塩」、そして味噌を発酵させるのに使う容器がセットになっています。そして教えてくれたのは、そのつくり手でもある「やさか共同農業」代表の佐藤大輔さん。

【Profile】
島根県の山間にある弥栄町にて生まれ育つ。大学卒業後に地元に戻り、2014年に先代から、やさか共同農場を受け継ぎ代表に就任。

「いまから50年前、都心部から弥栄町へやってきた数人の若者たちがつくった共同体が、僕たち『やさか共同農業』の始まりです。人間の幸せとは何なのか。豊かな暮らしのあり方を模索しながら、畑を耕し、野菜を育て、かつては家畜農業もおこなっていました。現在は田畑では主に大豆とお米、ハウスではほうれん草などの軟弱野菜を有機栽培しています。今日は僕たちが丁寧に育てた煮大豆と米こうじをご用意しました。今日仕込んでから実際に食べられるまではおよそ1年かかりますが、天然醸造の味噌は、どれひとつとして同じ味にはなりません。それでは一緒に世界にひとつだけの味噌をつくっていきましょう!」

【キットの材料】
・国産 有機大豆: 1000g ・国産 有機米こうじ:800g ・天海の塩:200g
・味噌を仕込む容器(不要の人には、容器なしもあり)

【用意するもの】
・大きめのボウル
・大きめの両手鍋
・ハサミ
・ゴム手袋
※いずれも、アルコールなどで消毒しておく

【下準備】
・手をしっかりと洗う
・両手鍋にたっぷりの湯を沸かしたら、お玉などで湯を味噌を仕込む容器とふたの内側に少量かけ、沸騰消毒し、乾かしておく
・両手鍋に余った湯に、煮大豆を袋ごと入れて5分、上下を返してさらに5分ほど中火で温める。(指で潰れるくらいのやわらかさが目安)

STEP1 塩切り(こうじと塩を混ぜ合わせる)

まずは米こうじをボウルに入れて、混ぜながらほぐし、そこへ約170gの塩(袋の5/6)を入れて混ぜ合わせます。残った1/6は最後の工程で使うので、置いておきます。

「味噌には、米味噌、麦味噌、豆味噌、それらを合わせた調合味噌と4つの種類があり、国内で流通する9割以上が、今回も使っている米味噌です。甘口味噌、辛口味噌の違いはこうじと塩の配分です。甘い味噌ほどこうじが多く塩分が少ない。今回は豆1kg、こうじ200gに対し、200gの塩。つまり10%が塩分なので甘口です」

STEP2 煮大豆をつぶす

あらかじめ湯煎で温めておいた煮大豆を、袋の上から粒感がなくなるくらいまで、押しつぶします。細かくするほど、あとで混ぜ合わせるこうじとなじみやすくなります。ひざで潰して、ある程度なめらかになってから手でつぶすのもおすすめ。
まんべんなくつぶしたら、袋を開封します。写真のように一辺を残して切ると、あとの作業がしやすい!

「袋には『有機煮大豆』と書いてありますが、実際には蒸しています。煮るとどうしても水溶性の栄養分が逃げてしまいます。蒸すと栄養分が逃げないばかりか、ぎゅっと凝縮されるので、甘みが増しておいしくなるんです」

STEP3 つぶした大豆とこうじを混ぜ合わせ、団子をつくる

ペースト状になった煮大豆を塩切りしたこうじが入ったボウルに入れて、こうじを豆に押しつけるようにしながら、ムラのないように混ぜ合わせます。しっかりと混ざったら、野球ボールサイズの団子をつくります。柔らかすぎると熟成に時間がかかってしまったり、発酵がうまくいかないことも。団子をつくったときに手のひらにくっつかない程度、耳たぶくらいの硬さがベスト! ポイントはぎゅっと圧をかけて空気を抜くように握ることです。

STEP4 団子を保存容器に入れ、ならす。

味噌団子を保存容器の底に打ちつけるように入れ、空気を向くように潰しながら詰めていきます。すべて入れ終えたら、表面(へりまで!)が平らになるように仕上げます。

STEP5 表面に塩を載せ、ラップで覆う

STEP1で残した塩(大さじ2)を、へりを中心に表面にまぶす。清潔なペーパーで容器の内側についた味噌をきれいに拭き取る。味噌が空気に触れないように、表面をラップでぴったりと覆ってふたをしたら終了。直射日光を避けた風通しのよい場所に10〜12ヵ月間ほど保管すれば、おいしい味噌の完成です。

手作り味噌は、保存場所や気候によって違いはあれど、防カビ剤を使わないため、カビが生えることがあります。けれど心配する必要はありません。もしカビがついてしまったら、その部分の味噌を2〜3cmほどの厚みで取りのぞけばOK!  「味噌作りに適さない時期はありませんが、こうじ菌は0℃でも働く低温菌なので、冬に仕込むとよいこうじができるといわれています。寒い時期に仕込むと、こうじ菌がお米や大豆のタンパク質を分解し、どんどん甘みが増していきます。春になるにつれ暖かくなると、こうじ菌は働きをやめてしまいます。さらに気温が上がると乳酸菌の働きが活発になり、酸味が増します。そして秋になり気温が下がりはじめると乳酸菌のかわりに酵母菌が働きはじめます。酵母菌が味を整えて、ふわっといい香りが漂いはじめたら、食べごろです」

仕上がりまで待てない! ということで、やさか農場で販売している味噌で完成した“うちの味”を想像しながら試食。カリっと焼かれた表面にたっぷりと味噌が塗られた焼きおにぎり。白味噌(切り干し大根・油あげ)、麦味噌(天かす・桜えび)、中辛味噌(乾燥わかめ・青ネギ)の味噌玉は、お湯に溶かしておいしくいただきました。

醤油、豆腐、油、家畜の飼料としてなど、大豆をまったく摂らないほうがむずかしいくらい、大豆が日本人の食生活を支えているにもかかわらず、日本の大豆の自給率7%しかありません(有機大豆はたったの0.2%!)。私たちにとって最も親しみ深い調味料である味噌。その味噌が“当たり前にあるもの”ではないこと、またその材料の大豆がどこで誰の手でつくられているのか。「手作り味噌キット」のワークを通じて、考えるきっかけになりました。

text/大森奈奈 撮影/日下部真紀

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