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「旨いサーモンやサバを次世代に残すため、海の生態系を守る!」ノルウェーから学ぶべきこと【前編】
「旨いサーモンやサバを次世代に残すため、海の生態系を守る!」ノルウェーから学ぶべきこと【前編】
LIFE STYLE

「旨いサーモンやサバを次世代に残すため、海の生態系を守る!」ノルウェーから学ぶべきこと【前編】

これからのものづくりにサステナビリティは欠かせない視点。地球環境は守られているか。働く人たちへの配慮がされているか。残すべき伝統がきちんと次世代へ継承されているか。私たちはつくられた背景に賛同し、応援する気持ちで選びたい。つくり手の思いを聞きに、ものづくりの現場を訪ねました。今回は、ノルウェー産シーフードに注目します。

持続可能性が徹底された
ノルウェー産シーフード

免疫システムにプラスの影響を与えるといわれる栄養が豊富で健康にもいいサバ。獲れたてを切り身にして品質チェックを施す

鮮魚店やスーパーの店頭でよく目にするノルウェー産シーフード。脂の乗ったサバや寿司ネタでも人気のサーモンは、日本近海で獲れるものとは違った味わいですっかり市民権を得ている。遠く離れた国のおいしいシーフードを堪能できることに注目が集まるが、実はサステナビリティという観点においても世界を救う、ひと筋の光となっている。

ノルウェー水産物審議会(Norwegian Seafood Council)は、同国の通商産業水産省が所有する公共企業。ノルウェー産シーフードの価値を高めることを目標にマーケティングや需要強化を図る。国を挙げて管理と監視システムを徹底するなど品質、サステナビリティの面で世界トップの水産システムを誇る。日本では脂がのり、身も引き締まったサバや濃厚な旨味と甘みのあるサーモンの人気が高い。「Seafood from Norway」マークが目印

2022年11月、世界の人口が80億人を突破した。単純に食糧が不足するだけでなく急速な人口増加によって温室効果ガスの排出量が急増し、気候変動による異常気象を引き起こす。農作物の不作が起き、人々は飢餓に陥るという負の連鎖が懸念される。さらに、2050年には世界の人口は97億人に達するといわれている。ノルウェーの通商産業水産省所管で市場開拓に取り組む「ノルウェー水産物審議会」(以下NSC)の日本・韓国担当ディレクター、ヨハン・クアルハイムさんが語る。

「地球の表面の約70%が水に覆われているにもかかわらず、世界の食糧生産のうち海から調達されている食糧は5%のみ。陸上の食糧生産が限られていくなかで、将来的にタンパク質を供給するために水産物が果たすべき役割は非常に大きいと考えています」

基準をクリアしたサバのみが輸出ラインに乗る。三枚下ろしなど加工が施され、冷凍保存に

ノルウェーの国土面積は日本とほぼ同じ。海岸線の長さは世界第2位で、国土の約6倍の海洋面積を持つ。人口は日本の1/20以下でありながら、世界2位の水産物輸出量を誇る。南西側にある北海は、メキシコ湾から流れ込む暖流の影響で冬でも凍結しない。澄みきった冷たい海水が豊かな生態系を形成しているため漁場としても恵まれている。ノルウェーは世界トップレベルの水産大国として、魚の獲り方を法律で厳しく規制するなど、次世代のために海の生態系を守ることに尽力している。

2021年の日本へのサバの輸出量はおよそ5.4万トン。輸出量は年々増加している

「海からの恩恵を受けているからこそ、資源を守り続ける義務があります。魚について最初に追跡調査を導入した国でもある。トレーサビリティを可能にした監視システムでは、養殖や海上輸送インフラを含む全工程において、通商産業水産省とNSCが関わり、魚の健康と保護、食の安全に全責任を負うという徹底したルールに基づいています」

そんな高い意識を持ったノルウェーも、資源枯渇寸前に陥った時代があった。1960年代、ニシンの乱獲で産卵量が激減。当時は水産物に対する資源管理の意識が低く、体制も整っていなかった。その反省から、71年には法律でニシンの漁獲量を規制し、水揚げ量を競う形ではなく、共有財産として全体で調整する方向に舵を切ったのだ。

▼後編につづく

●情報は、FRaU2023年1月号発売時点のものです。
Photo:Norwegian Seafood Council Photo & Text & Edit:Chizuru Atsuta
Composition:林愛子

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