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「みまさかの国」岡山県・津山市で城下町と牛肉を堪能する【後編】
「みまさかの国」岡山県・津山市で城下町と牛肉を堪能する【後編】
FEATURE

「みまさかの国」岡山県・津山市で城下町と牛肉を堪能する【後編】

「みまさかの国」ってどこなのか、もう覚えていただけましたか? そう、「美作」と書いて「みまさか」と読み、岡山県の北部を指すのです。前編では真庭市の蒜山(ひるぜん)高原や勝山の町並み保存地区などをご案内しました。そして今回はこちら! 城下町と古くからの食肉文化で有名な津山市にフォーカスします。

地元出身のM-1王者・ウエストランドも激賞!?

岡山県の北部にある津山市は、古くから栄えてきた同県第3規模の都市。にもかかわらず、関西圏以外での知名度は高くない。あのM-1グランプリ2022年チャンピオンのお笑いコンビ、ウエストランドの2人は津山の出身で、YouTubeでこれまで11回(2024年1月現在)も同市のサイト(TsuyamaCityPR)でPRショート動画を発信しているが、それも広く知られているとは言い難い。メチャクチャ面白いのに。

だが、FRaUは「津山は絶対に訪れるべきまち」と断言したい。なぜか? まずはその町並みの美しさ。江戸時代から津山藩の城下町として繁栄してきたこのまちには、いまだその風情が残っている。なかでも津山城の東側にある旧出雲街道、城東地区の町並みは、2013年に重要伝統的建造物群保存地区に選ばれた、まさに江戸時代のままの景観が残るところ。各建物1階の庇が非常に長く、隣家と高さが揃っていることが他のまちにはない特長だ。

このあたりに滞在するなら、ぜひ泊まってみたいのが上写真の「城下小宿 糀(こうじ)や」。約250年前に建てられた町屋をリノベーションした、一棟貸しの宿泊施設だ。A、B、C、3つの宿泊棟と、共有ラウンジのD棟という構成で、どれも2階建てで広々。手入れの行き届いた純和風の庭もある。すべてキッチンつきだから、地元の食材を買ってきて調理もできる。グループや家族連れには超オススメだ。

“鉄ちゃん”でなくとも胸躍る「津山まなびの鉄道館」

続いて訪れるべきは、JR津山駅の構内にある「津山まなびの鉄道館」。案内してくれた同館の支配人、高田宜嗣さん(上写真)によれば、背後に見える旧津山扇型機関車庫は、「現存する機関車庫のなかでは日本で2番目に規模が大きいもの」なのだそうだ。たしかに、「デゴイチ」の愛称でおなじみのD51形蒸気機関車から、ディーゼル機関車、気動車に除雪用車まで、昔なつかしい13台の車両が並ぶさまは壮観、ド迫力! 鉄ちゃん(鉄道マニア)ならずとも心躍らされる。

ここで高田さんからクイズ出題。「ここにある13台のなかで、もっとも貴重な車両はどれでしょう。日本中探しても、ここにしかない車両です」。そりゃあ、真っ黒な蒸気機関車デゴイチじゃないの? と思ったら……。正解は上写真、右端の赤いディーゼル機関車「DE50形」なんだそうだ。高田さんいわく、「1970年に、当時の国内最強最大ディーゼルエンジンを搭載して1台だけ製造され、その後、同形の量産化計画が中止になったため、DE50形はここにある、この1台しかないのです」。

まなびの鉄道館は飲食物の持ち込みは自由(展示室内を除く)。そのため、同館の屋外休憩スペース「いこいの広場」で弁当を広げつつ、日がな一日、フェンス越しに津山駅の引き込み線に並ぶディーゼル車を眺める鉄道マニアもいるのだという。

「“撮り鉄”“乗り鉄”なんてマニアの方も多いですけど、“音鉄”って方もいらっしゃるそうで。津山線は非電化、つまり走っているのは電車ではなくすべて気動車(ディーゼル車)ですので、独特のエンジン音がするんです。この音を何時間も聴きながら気動車を見つめていらっしゃいます。端から見ていて、実に楽しそうですよ」(高田さん)

文明開化のはるか前から“肉食文化”があった

B級グルメ「津山ホルモンうどん」で有名なとおり、津山市は牛肉食が盛ん。歴史をさかのぼれば、8世紀にはすでに津山で肉市場が開かれていたとの記録があり、仏教の影響で肉を食べることが禁じられていた江戸時代でも、津山藩と近江彦根藩だけは「養生喰い」、つまり健康のための食事として肉食が認められていた。

となると、夕食に牛肉は外せない。津山には数多くの肉料理専門店があるが、なかでも人気で予約必須という「炙り家 ぼっけもん」を訪れた。

で、ど〜ですか、このビジュアル! 上写真の「ユッケ寿司」は、なんと全長48㎝。ここから適量を取って、卵黄入りのタレをつけて食せば……濃い牛肉の旨みが口いっぱいに広がる。

ホルモン職人ひと筋の店主(58歳)オススメの「炙りもんの盛り合わせ」(上写真)は、鮮度抜群のホルモン類と正肉、いろんな部位がそれぞれ絶妙の火入れ加減で供される。このほか、ブロック状の牛肉を干した保存食「干し肉」、コリコリした動脈の食感が楽しめる「ヨメナカセ」など津山独特のメニューもいただけば、心もお腹も満たされること間違いなしだ。

岡山駅から津山線の「汽車」で約1時間。あのB’zのボーカル・稲葉浩志の出身地でもあり、彼の実家「イナバ化粧品」が観光案内マップに載っていたりもするお茶目な津山市は、絶対に訪れて損のないまちだと、FRaUは保証します!

photo:土居雄一、FRaU、text:FRaU

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