Do well by doing good. いいことをして世界と社会をよくしていこう

ポピンズが手がける教育+保育「エデュケア」の現場を見学してみた
ポピンズが手がける教育+保育「エデュケア」の現場を見学してみた
FEATURE

ポピンズが手がける教育+保育「エデュケア」の現場を見学してみた

持続可能な社会の実現のために、子どもに対するSDGs教育は不可欠といえます。保育・学童施設の運営や子育て支援サービスなどを手がけるポピンズでは、教育(エデュケーション)と保育(ケア)を融合させた「エデュケア」という独自の教育理念を基に、グローバルな体験やSDGsの施策を取り入れ、新しい価値の創造に挑戦しています。では、現場ではどんなことが行われているのでしょう。ポピンズナーサリースクール多摩川にお邪魔して、お話を伺いました。

世界の国々にバーチャル旅行

開放感あふれるポピンズナーサリースクール多摩川の多目的ルーム

「ポピンズナーサリースクール多摩川」はキヤノンとポピンズが共同で設立したナーサリースクール。美術館のように洗練された外観の施設に入ると、自然光がたっぷり入る明るい室内、窓ガラス越しに見える天然芝を敷きつめた園庭の風景で、なんだかワクワクしてくる。全体は円を基調としたデザインで、多目的ルームを中心に各保育室や園庭などが配置されている。客船をイメージしたという、高い天井と大きな窓が配された心地よい空間は、都市型保育園の新たな形として、2011年度にキッズデザイン賞を受賞した。隣接するキヤノンの体育館とは渡り廊下でつながっていて、思いきり遊べるだけでなく、マット運動や跳び箱などのプログラムが展開されている。

アートプログラムは、環境問題を考えるきっかけとしても機能している

アトリエでは、専門の講師によるアートプログラムが行われている。月ごとに地球や森、水、実り、平和といったSDGsに関わるテーマを設け、自然の木々や身近にある素材、廃材など、様々な教材に触れることで、想像力と感性を育んでいるという。

食事や午後のおやつは、園内の給食室で栄養士がつくって提供。食器は大切にものを扱うことを学べるよう、あえて陶器を使用。食べものへの感謝の気持ちや、旬の食材から季節の移り変わりを感じる心を養うため、行事や季節に沿った食材での食育活動を実施する。さらに、海外の料理や日本の郷土料理を提供することで、食を入り口にさまざまなことへ興味関心がふくらむような取り組みを行っているという。

2023年11月に開催されたワールドツアーのようす。毎月世界各国の国々とつながれる体験は、個々の視野を広げ、異文化への理解にもおおいに役立つはずだ。画像提供:株式会社ポピンズ

ポピンズのナーサリースクールで大好評なのが、世界のさまざまな国とオンラインでつながる”ワールドツアー”シリーズ。旅行代理店と協力して、バーチャルで海外の国々や名所をめぐるものだ。「オリジナルパスポートを持って、ポピンズ空港から出発する」という設定も、リアル感とワクワク感を演出。2023年11月に開催したフィンランドでのツアーでは、全国のポピンズナーサリースクールから約660名が参加。プロジェクターを通じて「本物のサンタクロース」と交流し、おおいに盛り上がったという。子どもにとって特別な存在のサンタとつながれたことは、いつまでも忘れられない思い出になったことだろう。

地域の人びとと花壇ボランティア活動

今年で3年目を迎える花壇ボランティア活動では、下丸子公園の花壇をお世話する愛花会の方々と水やりや花がら摘みを行なっている。毎週欠かさず参加することで、地元の方々との地域交流を深めるだけでなく、なかなか土いじりをする機会がない子どもたちにもよい機会になっているという。地域の方々と会話をしたり、花の名前を教わったり、花が咲く喜びを分かち合ったりと、多くの学びにつながっている。

花壇ボランティアを通じて、自分の住む街をきれいにする、好きになるという相乗効果も生まれている。「家庭でも草木への水やりを手伝うようになった」という声もあるという

「最初は『咲いているお花を摘むのはかわいそう』と言っていた子どもたちも、花を摘むことによって長く楽しめると知ると、積極的に手伝うようになりました。いまでは子どもたちが摘むべき花を自身で判断して、手入れしています」と、担当の保育者。

花壇の手入れが終わると、子どもたち全員で「ありがとうございました」と、ボランティアたちに元気よく挨拶。

愛花会の皆さんも、かわいい子どもたちから元気をもらえるので、毎週ここへ来るのが楽しみだそうだ。

「本物」に触れる機会を大切に

ポピンズナーサリースクール多摩川・施設長の七海 雷児(ななうみ らいじ)さんは、ポピンズ男性保育士第1号。在籍する200名を超える男性スタッフをまとめるリーダー的存在でもある。エデュケアは七海さんが考える幼児教育そのものだという。

「子どもたちが家に帰るときの、目の輝きを大切に考えています」と、施設長の七海さん

「エデュケアは体験を通じて学んでいく活動で、好奇心を刺激し、お子さまが自発的に取り組み、表現力や考える力を伸ばすことを大切にしています。たとえば飛んできたてんとう虫に興味を持ったお子さまがいたら、そこにさりげなく図鑑を置いたり、虫眼鏡のように生き物などが大きく見える観察カップに入れて見せたりと、一人ひとりの知的好奇心に寄り添い、育て広げることが目的です」(七海さん、以下同)

また、アスリート選手を招いたスポーツイベントや職業体験イベントでは病院とオンラインでつながって先生に質問できる機会を設けるなど、「本物」に触れる体験も大事にしている。

地域の方々の協力のもと、子どもたちが思いきり楽しんだハロウィンイベント

コロナ禍が明け、4年ぶりに開催された海外研修に参加した七海さん。米スタンフォード大学内に設立されたBingナーサリースクールとCCSC(チルドレンズセンター・オブザ・スタンフォードコミュニティー)などを訪れ、多くを学んできたという。今後は地域と密着しながら、学童や地域活動をより充実させたものとしたい。さらに海外研修で学んだことを他の保育園にも広めていきたいと話す。

「どんな地域でも世界でも、幸せを感じながら生きていけるような大人に育ってほしいと思っています。その第一歩として、まずは自分の地域で居場所を見つけることが大切。そのためにも地域活動を活発にしながら、交流を深めていきたいですね」

text:鈴木博美、photo:佐藤良一

Official SNS

芸能人のインタビューや、
サステナブルなトレンド、プレゼント告知など、
世界と社会をよくするきっかけになる
最新情報を発信中!