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西オーストラリア「カバシャム・ワイルドライフ・パーク」で、カンガルー&ウォンバット&コアラと触れ合う!
西オーストラリア「カバシャム・ワイルドライフ・パーク」で、カンガルー&ウォンバット&コアラと触れ合う!
FEATURE

西オーストラリア「カバシャム・ワイルドライフ・パーク」で、カンガルー&ウォンバット&コアラと触れ合う!

パース近郊の大自然のなかで、オーストラリア固有の動物たちとふれあえると人気の「カバシャム・ワイルドライフ・パーク」。カンガルーやコアラ、ウォンバットなど、オーストラリアに生息する動物たちが間近に見られるだけでなく、動物保護への取り組みや、オーストラリアの自然について学べる貴重な場所でもありました。

触って、感じる。かわいい動物たちとの特別な時間

パース中心地から北へ30分ほど車を走らせると、スワンバレーに到着。この地にあるカバシャム・ワイルドライフ・パークは、家族経営ならではのアットホームな雰囲気が魅力の動物園だ。1988年に小さな施設からスタートし、いまでは西オーストラリア州最大の私有在来野生動物公園に成長。現在は200種以上、2000を超える動物、鳥類、爬虫類たちがのびのび暮らしている。人気の観光スポットとして親しまれる一方で、研究、保護、繁殖プログラムにも力を注ぎ、オーストラリア固有種の未来を守る重要な役割も担っている。

木陰でうたた寝するアカカンガルー

園内に足を踏み入れると、広場でアカカンガルーたちがのんびりとくつろいでいた。エサをあげたり、体をなでたりできるほど人なつこい。アカカンガルーはカンガルー科の最大種で、ずば抜けた脚力の持ち主。高さ約2m、距離9mにも達するジャンプ力をもち、走るスピードは時速70㎞におよぶという。

アカカンガルーの妊娠期間は約30日ととても短い。赤ちゃんは体長わずか2cm、体重は約1gと、成獣の約6万分の1という超未成熟な状態で生まれてくる。生まれてすぐ母親のお腹の袋に自力でよじ登って入り、袋内にある乳首に吸いついて、6ヵ月ほどを過ごす。生後7〜8ヵ月になると、袋と外界を行き来するようになり、少しずつ独り立ちの準備を始めるそうだ。

珍しいホワイトカンガルー

続いて、珍しいホワイトカンガルーの姿を発見! 飼育スタッフによると、遺伝子の欠損によって色素がつくれないアルビノではなく、「白変種」と呼ばれるタイプ。野生では目立ちすぎてしまうため、外敵に狙われやすく、動物園などで保護されることが多いという。

園内には、さまざまな種類のカンガルーが100頭ほど暮らしている。ここで生まれ育った個体もいれば、母親が交通事故に遭うなどして命を落とし、保護された赤ちゃんカンガルーもいる。一つひとつの命が大切に守られ、この場所で新たな生活を送っている。

飼育員に抱かれる”ゆるキャラ”のようなウォンバット

カンガルーのほかにも、愛らしいコアラや、のんびり屋のウォンバット、個性的な爬虫類たちとのふれあい体験も用意されており、動物好きにはたまらないスポットだ。目の前で息づく動物たちの生命力に、きっと心が動かされるはずだ。

学んで、支える。オーストラリア固有種を未来にも

ミナミケバナウォンバットのニール

ウォンバットたちを紹介する園内のパネルには、こう記されていた。

「この子たちはみな、野生で孤児となり、ここに来ることでしか生き延びることができませんでした」

上写真のウォンバットのニールは、交通事故で命を落とした母親の袋に取り残されていたところを、通りすがりの人に発見されて助け出された。野生動物の専門家に保護された後、ここで新たな生活を送り現在は17歳に成長。多くの来園者に愛され、動物たちの命をつなぐ保護活動の意義を伝えている。

ユーカリを食べるコアラと記念撮影ができる

園内でもっとも人気なのは、おなじみのコアラ。ユーカリの葉をゆっくりと食べるのんびりしたイメージがあるが、その生態には意外な事実が隠れている。コアラが食べるユーカリの葉は毒を含む。そのため、ほとんどの動物は口にしないが、コアラは独自の消化器官と腸内細菌によってこの葉を分解し、栄養を摂れるというのだ。彼らは何百もの品種があるユーカリのなかから、好みの種類を選んで食べるこだわり派。カバシャム・ワイルドライフ・パークでも、コアラたちが健康に過ごせるように、新鮮なユーカリが毎日たっぷり用意されている。

野生のコアラたちはいま、生息地の喪失や病気、気候変動といったさまざまな脅威にさらされている。こうした背景をふまえ、公園では繁殖プログラムにも取り組み、コアラたちの未来を守る活動を続けている。愛らしい姿の奥にある、コアラを取り巻く厳しい現実と、その命を支える努力にふれることで、深い学びの時間を得られる。

自転車にたくさんの荷物を載せて、忙しそうに走り回っていた園長のデビッドさん。80歳超とは思えない!

カバシャム・ワイルドライフ・パークは、1988年に小さな施設としてスタートし、いまも変わらず家族経営だ。西オーストラリア州最大規模でありながら、とてもアットホームで温かい雰囲気なのは、創業者家一族の動物たちへの深い愛によるものだろう。

このパークは政府からの資金援助を受けず、入園料やショップでの売上、寄付で運営されている。ここを訪れる一人ひとりの存在が、動物たちの未来を支える力になるのだ。

取材協力:西オーストラリア州政府観光局、全日本空輸 photo&text:鈴木博美

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