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体験してわかった、ドイツ「ライン川クルーズ」が世界の人びとを魅了し続ける理由
体験してわかった、ドイツ「ライン川クルーズ」が世界の人びとを魅了し続ける理由
FEATURE

体験してわかった、ドイツ「ライン川クルーズ」が世界の人びとを魅了し続ける理由

「父なる川」と呼ばれるドイツのライン川は、美しい景観で世界中の旅人を魅了し続けています。歴史的な城やぶどう畑が続く渓谷を船でゆったりと進む「ライン川クルーズ」は、風景ごと物語に浸れる贅沢な時間。利便性も兼ね備えた旅のスタイルとして近年さらに人気が高まっており、ゴージャスな食事やガイドつき寄港地ツアーなど、ラグジュアリーな体験を提供する船や、環境負荷を軽減させる工夫をした船も登場しています。

船室にはプラごみを出さない工夫が

ライン川沿いには、通行税の徴収や防衛のために建てられた城が多く点在する

今回は、旧西ドイツの首都ボンを出発し、ライン川を南下してフランクフルトへ向かう1泊のリバークルーズを体験。列車や車では味わえない、ゆったりとした時間の旅が始まった。さっそくデッキに出てみると、川風がやさしく頬をなで、両岸には緑のブドウ畑の斜面が、さらに丘の上には古城のシルエットが現れる。

船内の快適なキャビン(客室)

いっぽう、船内は落ち着いた大人の空間。キャビンには大きな窓があり、景色を眺めながらゆったりくつろげる。コンパクトながら機能的な設計で、クローゼットや引き出し収納、ベッド下にはスーツケースの収納スペースも完備。バスローブとスリッパなどのアメニティも充実しており、ホテルと遜色のない快適さだ。

この船は環境への配慮も忘れてはいない。シャワールームのソープ類は壁に固定されたボトルからのディスペンサー式。これなら、つかい捨てプラスチックボトルは不要だ。部屋の冷蔵庫にペットボトルはなく、水は船1階のウォーターサーバーから常温と冷たいものを24時間汲める。サステナブルな取り組みが行き届いているのだ。

岩山の上にそびえるのは、13世紀に建てられた古城・マルクスブルク

モーゼル川とライン川が合流するミッテルライン(中流域)は、クルーズのハイライト。ユネスコ世界遺産にも登録されているこの地域には、川沿いに絵本のようにロマンチックな村々があり、岩山のてっぺんには古城が点在する。とても美しい。川岸のベンチでくつろぐ人や橋を渡る人びとが、こちらに向かって手を振ってくれる。私も自然と笑顔になって振り返す。こんな言葉を超えたやりとりも、ラインクルーズならではの楽しみだ。

ノンアルコールワインのセミナーも開催

ワインプリンセスによるノンアルコールワインセミナー

船内では「ワインプリンセス」による、ドイツワインの魅力を伝えるノンアルコールワインのセミナーが開催された。ワインプリンセスは、ドイツワインのミス・コンテストで選ばれる公式アンバサダー。コンテストはテレビで全国放送され、それを勝ち抜いた女性だけがプリンセスになれる。登壇したのは第76代プリンセスのカタリーナ・グレフさん。さわやかな笑顔でノンアルコールワインの魅力を語ってくれた。

スパークリング、白、ロゼのノンアルコールワイン

「これまで、通常のワインなみにおいしいノンアルワインをつくるのは難しいとされていましたが、製造技術の進化によって香りや風味を保った高品質な商品が次々に登場しているんです。レストランでも関心が高まっているんですよ」(グレフさん)

アルコール飲料が飲めない人でも“お酒の場”を楽しめるのがノンアルコールワインの魅力。健康上の理由などから、あえて酒を飲まないライフスタイルを選ぶ「ソバーキュリアス」も増えている。寄港地のレストランでも、必ずといっていいほどノンアルコールワインがメニューに並び、ドイツの日常にしっかりと根づいていることが感じられた。

終着地のフランクフルト

クルーズ船は、ゆっくり終点のフランクフルトへ。夜は街の灯りが川面に映ってとても美しく、翌朝は摩天楼と歴史的な街並みが混在するフランクフルトの景色が出迎えてくれた。ライン川クルーズはこれからも、新たな魅力を加えながら、時代を超えて愛されていくのだろう。

Text:鈴木博美 協力:ドイツ観光局

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