南国・宮崎のパワースポットで開運! 恋愛&ビジネスにご利益ありの神社を巡る旅
平均気温や日照時間、快晴日数ともに国内トップクラスで「日本のひなた」と呼ばれる宮崎県。多くのプロ野球選手やJリーガー、プロゴルファーが愛するキャンプ地にして、由緒正しいリゾートでもあります。神がはじめて地上に降り立ったとされる高千穂を筆頭に、風光明媚なパワースポットもたくさん! 今回は神秘的な雰囲気に包まれた、宮崎市と日南市の神社を巡りました。
ヤシの木生い茂る“トロピカル神社”&ビジネス運アップの荘厳神宮
宮崎には神話が残る神社やパワースポットが点在し、神々の息吹をそこここで感じられる。宮崎市中心部から車で約30分、宮崎市の名勝として知られる「青島」は、全体がパワースポットとされる神秘の島。外周には1.5㎞ほど遊歩道が整備され、美しい海を望みながら一周できる。ビロウ樹やクワズイモなどの亜熱帯植物が生い茂り、南国ムード満点。島の中央に位置する「青島神社」は、宮崎県を代表する人気の観光スポットだ。
ビーチから「弥生橋」を渡り、徒歩で上陸。島を取り囲むのは、広範囲にわたってギザギザの奇岩、波状岩が広がる。これらは「鬼の洗濯板」と呼ばれ、天然記念物に指定されている
島の中央にある青島神社。青空に映える朱色の本殿が美しい。読売ジャイアンツのキャンプ地に近く、阿部慎之助監督や選手たちによる優勝祈願の絵馬が奉納されていた
青島は北半球最北のヤシ科植物の群生地。参道もジャングル状態で、いわゆる「神社」のイメージとのギャップが楽しい
青島神社は、神話「海幸彦・山幸彦」の舞台であり、山幸彦と豊玉姫が結ばれた地でもあることから、縁結びにご利益があるとされている。境内にはハート型の絵馬やオブジェ、恋みくじなど、恋愛成就にまつわるアイテムがいっぱい。願いごとをつぶやきながら土器の皿を投げ、それが石で囲われた磐境(いわさか)に入ると願いが叶い、皿が割れると開運厄除(かいうんやくよけ)になるという、「天の平瓮投げ(あめのひらかなげ)」も人気だ。筆者が訪れた日も、「日頃のストレスを吹き飛ばすぜ!」とばかりに、多くの参拝客が張りきって皿をブン投げていた。
トロピカルムード満点の青島神社を後にして向かったのは、古式ゆかしい「宮崎神宮」。日本の初代天皇である神武天皇を祀(まつ)る、荘厳な神社だ。
うっそうとした樹木に覆われた参道。灯籠(とうろう)が立ち並ぶ、おごそかな空間が延びる
車が行き交う大通りからほど近い場所にありながら、静謐(せいひつ)な雰囲気に満ちあふれた大社。京都・下鴨神社の「糺(ただす)の森」を思わせるザ・日本の神社といった雰囲気で、参道を進むうちに心身が浄化されていくようだ。
祭神は日本の初代天皇である神武天皇。その孫にあたる健磐龍命(たけいわたつのみこと)が創祀したとされる。本殿には日向の名材、狭野杉がつかわれている
神武天皇は万難を乗り越えて大和を平定し、建国を成し遂げたことから、事業成就や社運隆昌を願って参拝する人が多い。さらに神武天皇の父、鵜鷀草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)と母の玉依姫命(タマヨリヒメ)も合祀されており、家内安全や夫婦和合、安産・子宝にもご利益があるそうだ。
日南市の断崖絶壁に建つ「鵜戸(うど)神宮」も、見逃せないスピリチュアルスポットのひとつ。南九州を代表する大社で、地元民からは「鵜戸さん」と親しまれている。日南灘(ひゅうがなだ)を望む鳥居を抜けて参道を進み、海に向かって突き出た岬にある洞窟へ向かう。神秘的な洞窟のなかに、鮮やかな朱塗りの本殿が鎮座。断崖に打ちつける波の音を聞きながら、おごそかな気持ちで参拝する。
洞窟内には「お乳岩」や「お乳水」と呼ばれるパワースポットがあり、安産や育児のほか、縁結びにもご利益があるとか。春季キャンプに訪れた広島カープの新井貴浩監督はじめ選手たちが参拝に訪れたらしく、優勝を願う大きな絵馬が掲げられていた。
洞窟内にある鵜戸神宮の「皇子神社」。神使であるウサギをモチーフにした絵馬がかわいい
鵜戸神宮には「運玉投げ」という有名な神事がある。小さな素焼きの玉「運玉」を、本殿前から海に鎮座する「亀石」の小さなくぼみめがけて投げるというもの。その距離は約12m、男性は左手で、女性は右手でチャレンジするのがルールだ。見事、くぼみに玉が入れば、願いが叶うというからありがたいではないか。運玉は5個で200円! なんと筆者はそのうち1個をめでたくくぼみにインさせたのだが……しまった、投げるのに夢中で、願い事をするのを忘れてた!
雄大な日向灘を望む鵜戸神宮の参道。波に洗われて不思議なカタチに削られた奇岩が立ち並ぶ
2017年には、神社一帯が「鵜戸」の名で国の名勝に指定された。海から鳥居に昇る朝日が神秘的で、年始には初日の出を拝みに訪れる人で大いににぎわうという。
イースター島以外では、ここでしか出合えない! 願いが叶うモアイ像
最後にもうひとつ、日南市の超有名スポットだという「サンメッセ日南」に立ち寄った。日南海岸を望む広大なテーマパークで、広い空と海をバックにモアイ像が立ち並ぶビュースポットだ。
訪れた日は分厚い雲の間から日が差してモアイ像を照らしており、7体の像がいまにも語りかけてきそうな不思議な雰囲気を醸し出していた
太平洋を背に建つ7体のモアイ像は、1990年から3年間かけて、日本のチームがイースター島のモアイ像を修復したことなどから完全復刻を許可されたもの。サンメッセ日南以外では、世界中のどこにも同像の復刻は存在しないというレアものだ。しかも7体それぞれに、写真左から「仕事運」「健康運」「恋愛運」「地球の平和」「結婚運」「金運」「学力運」にきくというジンクスがあり、願いを込めながら目当てのモアイ像を触る訪問客が続出! そう聞いて、一番左の仕事運モアイ像と、その右に建つ健康運モアイ像をナデナデしておいた。
神話を伝える神社から、遠く南米の海上に浮かぶ像にまでに想いを馳せられた宮崎パワースポット巡り。県内にはほかにも、神々がはじめて降り立ったという高千穂をはじめ、多くの神秘スポットがある。宮崎は、南国ならではののんびりした開放的なムードにあふれ、美食もいっぱい。ぜひ近いうちに、また訪れてみたい。
text&photo:萩原はるな