食品ロス削減&自給率アップの救世主!? あの「ブルーチップ」がつくった「乾燥野菜」は、なぜブームになったのか【PR】
1963年に日本で最初のトレーディングスタンプ専業会社として開業、全国で「ブルーチップ」を発行し続けているブルーチップ株式会社。50代以上の世代なら、マスコットキャラの“チップちゃん”がついた台紙に、切手状の青いスタンプを貼った経験があるはず。紙のスタンプからカード、アプリへとカタチを変え、現在も全国のスーパーや商店街でポイントが活用されています。そんなブルーチップ社が、画期的な乾燥野菜を販売し、ひそかにブームになっているとか。なぜ、ポイントサービス会社が乾燥野菜の提供をはじめたのでしょう? 開発の背景を、代表取締役社長の宮本洋一さんに伺いました。
地域密着で未来を描く!ブルーチップが挑む新商品への取り組み
販促活動の一環として、アメリカで誕生したブルーチップスタンプ。日本でも、スーパーなどの小売店でさかんに活用されていた。ショッピングの金額に応じてもらえるブルーチップ(ポイント)を台紙に貼って貯めると、枚数に応じて家電やオモチャ、キッチンアイテムなどさまざまな商品に交換できる。かつては、ブルーチップで車を手に入れたツワモノもいたという。
「時代に沿ってシステムも変化しており、現在はモバイルを活用したポイントサービスを手がけています。当社の強みは、地域密着型の小規模スーパーから全国展開の大手スーパーチェーンまで、長く付き合いのあるお客さまがいること。60年以上にわたって小売業の皆さまの悩みごとに寄り添い、出店戦略やマーケティング調査、売場づくりなどのコンサルティング事業も展開することで、信頼関係を築いてきました」(宮本さん、以下同)

いまや、誰もが貯めているポイント。その先駆けとして愛されてきたのがブルーチップだ
「一般的にスーパーマーケットの利益率は、ほかの業態よりも低いのです」と宮本社長。そのため、できる限り顧客のニーズに沿ったサービスを提供することが同社の使命なのだという。
「お客さまの店が長く繁盛することが、われわれの存続にもつながります。だからこそ、ローカルスーパーやその地域を支えていくために、これまでさまざまなビジネスを立ち上げてきました。“買いもの難民”を助ける移動スーパー『とくし丸』や、店内にテレビモニターを設置して地域の情報を放送するサイネージ事業、そして今回の『乾燥野菜』がそれです。スーパーマーケットの集客力という特性を活かし、地域の活性化を図るビジネスを、つねに模索しています」
乾燥野菜を手がけるキッカケは、ある食品会社の役員からの紹介だったという。
「一緒に食事をしたときに、『これからは気候変動が進んで世界人口が増え、食糧事情は激変する。冷凍食品と乾燥食品がキーワードになる』という話になりました。考えてみると、料理につかえる乾燥野菜ってありそうで、なかなかないんですよね。そんな商品があれば時短になるし食品ロス削減にもつながる。野菜が手軽に摂れて、健康にもいい。日もちするので、災害に備えたローリングストックにもつかえます。そこで、ぜひやってみたいと思い、開発に着手しました」

1953年生まれ、新卒でブルーチップに入社。長年全国で営業職を経験し、2011年7月に社長に就任した
しかし、乾燥させるのに向いている野菜選びなどに難航し、商品化には1年半の月日がかかった。
「一般的に売られている乾燥野菜は、ほうれん草やチンゲンサイ、小松菜など乾かしやすい葉ものが多いんです。いっぽう、ニンジンのような根菜は乾きにくく、乾燥させるのが難しい。食べごたえのある大きさにしようとしても、限界値があります。その見極めが難しかったですね」
「いずれは根菜や国産の規格外野菜も手がけたい」
ようやく商品化にこぎつけたものの、日本人にはあまり馴染みがない乾燥野菜。全国のスーパーマーケットで売り出しても乾物コーナーに置かれることが多く、当初はなかなか家庭に浸透しなかった。
「ところが2024年春の展示会で、会員制倉庫型店のバイヤーさんから、『この商品は絶対に売れる! ウチ用に、通常の10倍の商品をつくってください』とオーダーが入ったんです。実際に店頭に並んだら、カップラーメンやスープに入れたいと、若い世代がこぞって購入。これで人気に火がつきました」
その後、全国各地で試食会を開いたところ、野菜嫌いの子どもたちにも大好評だった。
「水で戻してからドレッシングであえ、コールスローとして提供しました。すると、ふだん野菜を食べないという子どもが、『おいしい!』とパクパク食べ始めたんです。当社の乾燥野菜は、野菜の色が損なわれないようにブドウ糖でコーティングしているので、少し甘みがあり食べやすい。それからも『乾燥野菜をキッカケに子どもが野菜を食べられるようになった』という、うれしいお声を多くいただいています」

新商品の「いろんな料理をおいしくする具」では、タマネギやニンジンなど5種類の定番野菜を採用。ブルーのパッケージは白菜が入った和風バージョンだ

お湯で3分、水で10分。戻してすぐつかえる。ラーメンやうどん、味噌汁などの汁ものに加える場合は、戻さずそのまま入れればOK!
いまやSNSや動画サイトで活用法やレシピを紹介するファンも現れ、大手スーパーからも「ぜひ取り扱いたい」と手が挙がっているという。
「定番のラーメンやお好み焼きだけでなく、ハンバーグやパスタソース、餃子、チャーハンなど、われわれが想像していなかった方が提案されています。軽くてかさばらないからアウトドアにもぴったりだとか、いろいろな発見がありますね。まだ始まったばかりの新しいカテゴリーなので、今後が楽しみです」
日本のスーパーマーケットに並ぶ生鮮野菜は、カタチも色も均一でとても美しい。けれどもその裏では、3〜4割が規格外として廃棄されている。ゆくゆくはそれらも乾燥野菜に活用し、日本の農業を助ける事業にしたいと意気込む。
「日本には、乾燥野菜の工場が少ないのが現状。その問題をクリアして、ぜひ国産の乾燥野菜を商品化したい。実現できれば、食品ロス解消につながるだけでなく、自給率もアップすることになり、日本自体を支える役割を担うことができる。ゆくゆくは、いまのポイントサービスのように、『乾燥野菜』をみなさんの生活になくてはならない存在に育てていきたいですね」
photo:西城泰輔 text:萩原はるな