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プラスチックや革の代わりに木材を! 名古屋木材が目指す「山林の循環」【PR】
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COLUMN

プラスチックや革の代わりに木材を! 名古屋木材が目指す「山林の循環」【PR】

1945年の創業以来、国内外の木材加工、流通、卸売に携わる名古屋木材。これらの事業がCO2削減に貢献していることに着目し、積極的に拡大していこうとさまざまな試みをしています。その中心として、スギやヒノキを圧縮して硬くしたり、やわらかくしたりする画期的な加工法を確立! 日本中に植えられている樹木を活用した、さまざまな製品を提供しています。

伐採期のスギ、ヒノキを積極活用せよ!

名古屋木材は創業から70年間にわたって木材を「極め、見分け、生かし」てきたプロフェッショナル集団。長年培ってきた技術やノウハウを用いて、国産木材の活用法を模索している。その末にたどりついたのが、木を圧縮して強度や硬度を高める「圧縮木材」だ。

「私たちが掲げる命題は、国産の木材をいかに活用するか、ということです。圧縮して木材を固くするだけでなく柔軟性をもたせることで、木材をこれまでにないものに活用。現在、マスクケースやシステム手帳のカバー、スピーカーなどの製品を開発しています」

こう語るのは、同社特販部の髙澤茉衣さんだ。

「硬く加工した国産のスギやヒノキは金属やプラスチックの代わりに、やわらかく加工したものは革やゴムの代わりに使用できると考えているのです」(髙澤さん)

第二次世界大戦後、日本中に植えられたスギやヒノキ。いまや植樹から60〜70年を迎え、伐採期を迎えているという。しかし、林野庁の発表によると、国内の木材自給率は41%足らず。山から樹木を切り出してつかうよりも、海外から輸入した木材を利用するほうが価格を抑えられるためだ。

同社特販部の新美万葉さんによると、「コロナ禍によって、世界的に木材が不足するウッドショックが襲ったため、これでも国内自給率はアップしたんです。それ以前は、4割を切っていました。国産木材を活用するためには、環境や設備、そしてマンパワーが足りていないのが現状なんです」。木を切り出しても、それを山からふもとに運ぶ道路が整備されておらず、運搬する人材も不足しているというのが現状だ。

同社では、岐阜県下呂市金山町の社有林で山林実習を行っている。日本の山林が置かれている実態を実地で学ぶと同時に、自社の事業についての理解と誇りも育まれる。「FRaUに掲載されていた数値(人間活動によって排出されたCO2は約363億㌧、『FRaU SDGs MOOK 気候危機』より)を見て、あらためて森林(立木)の用途拡大によって、少しでもCO2吸収量を増やすことを意識しています」と新美さん

「自然相手の仕事ですから、暑さや寒さなど気候環境が厳しく、後進がなかなか増えないことが日本の林業の大きな課題。こうして木が伐採されずに増えすぎた弊害が、花粉症に悩む方が一気に増えたという現象です。育ったスギやヒノキは減ることがないので、飛散する花粉も減りません。さらに、山に手が入らないことで地盤が緩み、土砂災害が起こりやすくなっているという報告もあるようです」(新美さん)

問題はそれだけではない。じつは伐採期を超えた木が山にとどまり続けることで、地球環境にも悪影響を及ぼしているのだ。

やわらかく曲がるタイプの圧縮木材は、マスクケースや名刺入れ、ケーブルバンド、靴べら、システム手帳などに活用。圧縮してから圧を緩めることで木材の細胞組織がバネのような構造になり、木目部分が曲がるようになるのだという

同社では、樹木による「炭素の固定・貯蔵」にも着目。これは大気などに含まれる二酸化炭素を炭素化合物としてとどめ、大気中のCO2排出量を減らすことを指す。同社営業部の杉浦陽子さんによると、「なかでも樹木の炭素貯蔵量は大きいため、しっかり活用することが大事」だとか。

「弊社に島根大学の山下晃功名誉教授を招き、木材について話していただく機会があったのですが、最初は何をおっしゃっているのか、さっぱり理解できませんでした(笑)。ていねいに説明いただき、樹木は光合成によって二酸化炭素を吸収して、身体を硬くするために炭素だけを吸収して酸素を排出しているんだ、ということがわかりました」(杉浦さん)

木材を切り出して活用すると、固定された炭素はそのまま木材にとどまる。そして山に新たな苗木を植えると、成長するために炭素をどんどん吸収して固定するという。ある程度育つと固定する量が少なくなるというから、やはり人の手で定期的に伐採して新しい苗を植えることが、より多くの炭素を固定させることにつながる。ひいては、CO2削減に貢献していくのだ。

木材を圧縮して硬くする技術は他社にもあるが、やわらかくする加工法は同社独自のもの。「曲がる木材」としてアツい注目を集めている

木のある暮らしを提案し、循環型社会を実現

「私はふだん、営業部の一員として住宅用の建築木材などを扱っていますが、そうした木材も圧縮木材も『木材の活用』にひと役買っているのです。せっかくつかうために植えた木材が放置されているのは本当にもったいないこと。山頂付近で伐採された樹木は、運び出されることもなく置き去りにされることも少なくないのです」(杉浦さん)

そうした課題を解決するためには、樹木を切り出す設備と林業に携わる人手の確保が必要。どちらも多くの資金が必要となるため、木材の活用をさらに積極的にすすめなくてはならない。

写真左から新美さん、髙澤さん、杉浦さん。入社当初は「炭素の固定」「木材の圧縮」と耳にしてもまったくピンとこなかったそう。現在は先輩社員含め、一丸となって木材の新しい可能性を提案することで、循環型社会の形成を目指している

木材の新たなポテンシャルを拓いた、同社の圧縮木材。水蒸気で木材をやわらかくしてから圧縮してつくるため、薬品はいっさい使用しないという。

「安心・安全ですから、子ども向けのおもちゃにも最適。木の温もりが感じられるのもいいですよね。硬いタイプの圧縮木材は水に強いので、家具やキッチンツールの柄として、また、車の内装材などに活用できるのではないかと、各所から問い合わせをいただいています。曲がるタイプの圧縮木材は、スマートフォンケースに採用された実績があります。カバンやメガネケースなど、これまで木がつかわれてこなかったアイテムに、どんどん活用していけたらと考えています」(新美さん)

自社で商品開発に取り組むだけでなく、他業種に圧縮木材という素材を知ってもらい、さまざまな用途に活用していきたいという。

「硬い圧縮木材でソールをつくり、足を覆う部分には曲がる圧縮木材をつかったスリッパなど、アイデア次第でいろいろなものができるはず。ペンケースやメイクポーチに活用して、日常のなかに木を採り入れていけたらいいなと思っています。そうすることで木材の循環をサポートし、環境にも寄与できる。さらには多くの方に『木のある心地よい暮らし』を提案差し上げられたら、とてもうれしいですね」(髙澤さん)

text:萩原はるな

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