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「モットーは有言実行!」声優・木村昴が語る、夢を叶えるために必要なこと
「モットーは有言実行!」声優・木村昴が語る、夢を叶えるために必要なこと
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「モットーは有言実行!」声優・木村昴が語る、夢を叶えるために必要なこと

人の数だけ価値観があるように、社会課題における着眼点やできることも人それぞれ。多方面に点在する無数の課題を解決するには、多様なアプローチが欠かせません。ひとつのゴールを目指し、自分ならではの視点でアクションを起こす──。その内側に込められた、声優・木村昴さんの思いを伝えます。

表現を通して子どもたちに
伝えたいメッセージ

世界中で愛されているアニメ『ドラえもん』でジャイアン役を演じている木村昴さん。2005年に声優初挑戦であるにもかかわらずこの大役を射止め、17年が経った。

「父はオペラ歌手、母は声楽家という家に生まれ、幼い頃から人前で歌ったり踊ったりと目立つことが大好きでした。エンターテイナーになりたいという漠然とした夢は持っていましたが、自分が声優になるとはまったく予想していませんでした」

子役として活動していた14歳の頃、『ドラえもん』の声優を募集していることを知る。

「誰もが知る『ドラえもん』のオーディションを受けたら、友達にチヤホヤされるだろう。実はそんな気持ちで挑戦したんです。気負いがなかったのが功を奏したのか、一次、二次と選考を通過。しかし回を重ねるごとに事の重大さに気づきました」

最終オーディションの会場で、はじめてこの役を演じることの重圧を感じた。しかし「ここまで来たからには全力を出そうと腹をくくった」という。

「『落ちてもしょうがない』なんて逃げ道を用意するのはかっこ悪いと思ったんです」

せめて強い印象を残そうと会場を走りまわって演技をした木村さん。周囲は驚いていたが見事に合格。後に監督から「君がジャイアンに見えた」と言葉をもらった。

友達からの注目を浴びたくてはじめたことだが、ここではじめてプロ意識が芽生える。それからは勉強と練習に力を入れ、いまでは声優としての活躍はもちろん、劇団の旗揚げ、役者としてドラマへの出演、ラップでの楽曲のリリースやライブ、作詞、落語家として高座に上るなどマルチな才能を発揮。2020年からは、子ども向けバラエティ番組『おはスタ』でMCを務めている。テレビ東京で平日朝に放送され、22年に25周年を迎えた長寿番組だ。SDGsを謎解きで楽しく学ぶイベントなども企画し、明るく元気な朝の時間をつくるだけでなく、子どもが興味を持って学ぶ機会も提供している。

「子役時代に、おはキッズとして番組に出演していました。いつかこの舞台に戻ってこられたらいいなと思っていたら、まさか自分がMCを任せてもらえるなんて」

「スバにぃ」と呼ばれ親しまれている木村さんのもとには声援や感謝の声が届くこともあるそう。

「以前は、衣装でキャップを被っていたんですが、ある子どものお母さんから『子どもが皮膚の病気を持っていて、あまり外に出たがらない。しかし木村さんとお揃いのキャップを買ってあげたらとても喜んで、それを被って外に出かけるようになりました』とお礼を言われました。すごくうれしかったです。同時に、自分の行動がどう人に影響を与えるかわからないということも実感。普段から子どもの模範になれるように行動することは大切だと再認識しました」

子ども向けのエンターテインメントに携わるということは、その影響にも責任が伴う。木村さんは、プライベートな時間でも常に自分の行動に注意を払っているという。

「些細なことですが、深夜に一人で歩いていてたとえ誰もいなくて、車が走っていなくても赤信号で渡らないなど気をつけています。この考え方は、自信を持つことにもつながっているんです。『誰かに見られているかもしれないから、我慢しよう』ではなく『信号を守っている俺、イケてるぜ』って。だからプレッシャーではなく、むしろモチベーション向上になっています」

自分を律しつつ、いろんなことに挑戦し可能性を広げ続ける木村さんの姿は子どものみならず、大人にも勇気を与えている。夢を叶える秘訣はあるのだろうか。

「自分を信じられないという子どもも多いかもしれません。こんなご時世だからそういう思考になってしまうのも仕方がないかもしれないし、不安なことも多いと思います。でもやる前からあきらめずになんでもやってみてほしい。何かに挑戦したいって口に出すことは大切なんです。僕はオーディションのときにマネージャーに『絶対受かるんで、見ていてください』と宣言して向かいます。いまは周りに『宇宙に行く』と言っていて、いつか絶対に叶えてみせますよ」

有言実行が、彼のモットーだ。

「自分の可能性を決めつけないことも大事。好きなことに熱中していたら思わぬ出会いがあって予想もしなかった道が開けることも、きっとあります」

そう笑う木村さんは「一人でも多くの子どもたちに、明るい未来を描いてほしい。毎日を楽しく過ごしてもらいたい」と、今日もテレビからエールを送っている。

PROFILE

木村昴 きむら・すばる
1990年ドイツ生まれ。7歳までドイツで過ごし、日本へ移住。2002年ミュージカル『アニー』でデビュー。05年アニメ『ドラえもん』(テレビ朝日)のジャイアン役で、声優として活動を開始。『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』、アニメ『呪術廻戦』など話題作へ多数出演。23年には、アニメ『終末のワルキューレⅡ』、大河ドラマ『どうする家康』(NHK)などに出演。

●情報は、FRaU2023年1月号発売時点のものです。
Photo:Aya Kawachi Text & Edit:Saki Miyahara
Composition:林愛子

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