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インドア派だった加藤紀子が10年農作業を続けて思うこと【後編】
インドア派だった加藤紀子が10年農作業を続けて思うこと【後編】
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インドア派だった加藤紀子が10年農作業を続けて思うこと【後編】

私たちのふだんの行動軸をベースに、未来を変えるアクションを集めました。毎日の暮らしのなかでできることから新たな世界での体験まで、やりたいことから探してみましょう。今回は、加藤紀子さんの畑にお邪魔しました。

▼前編はこちら

農のある暮らしが
人生を豊かなものに

大根を収穫。大根やかぶや玉ねぎの葉も捨てずに、味噌汁の具にしたりと活用している

野菜づくりを通じて、環境問題や有機農法などにも関心を持つようになった加藤さん。

「思えば、15年ほど前に出演していた番組がきっかけになったのかもしれません。温暖化で陸地が減ってしまう島など、世界各国を旅しては現状をレポートする内容だったのですが、以来、なんとかしなきゃ、もっと自然を知らなきゃと考えるようになりました」

手前にワサワサと繁っているのは枝豆の苗。枝豆は成熟すると大豆となる。「『お豆腐親善大使』として活動しているくらい豆腐好きなので、枝豆から豆腐をつくることにチャレンジ中なんです」

知ったからとすぐに行動に結びつくわけではなくとも、知識を積み重ねていくうちに機が熟すこともある。

「持続可能な取り組みを、なんて難しく考えなくても、畑を始めるには『おいしいものが食べたい』という気持ちだけで十分。自分で収穫した枝豆をビールと一緒にいただこうとか、白菜を好きなだけ食べたいとか。どんな理由でスタートしても、生活のなかにささやかな喜びがあると続けられるんじゃないかと思います」

野菜の花は家に飾るために収穫。花屋では買えない風情がある

加藤さんは、農業の間口をもっと広げていきたいと考えている。

「若い人たちが、生産の現場をもっと身近に感じられるようになったらいいなと。高齢化が問題になっている農業や畜産業に後継者が現れたり、地域の人たちと一緒に取り組むことが増えたり、新たな機会が生まれるはずだから」

道具は大家さんからもらったり、ホームセンターや専門店などで購入したり。収穫した野菜を入れるかごは、長年通い続けている山形のおばあちゃんたちがつくってくれた“はけご”を愛用

そして、私たちができることとして、まずはベランダや庭の一角で、何かを育ててみることを勧めてくれた。

実がつきはじめたばかりのトマト。「トマトもなすもきゅうりもどんどん採れるから、夏野菜の収穫時は気分が上がります」

「プランターでもいいんです。たとえ失敗しても、植物は枯れていくもの、ちょっと手伝いが足りなかっただけと思えば。まずは道具や作業服をそろえて気分を盛り上げるのもいいと思います。畑を通して、自分が知らなかった世界に触れられる。それこそが自分で野菜をつくる醍醐味だと思います」

野菜づくりを始めるには

まずは自分のライフスタイルや住環境を考えて、長く続けられそうな方法を選ぶのが正解。農園を借りたい場合は、近所に市民・区民農園、レンタル農園などがないか、自治体のホームページなどをネットで検索してみよう。条件はそれぞれ違うため、教えてもらえる人がいるか、行けないときは世話してもらえるか、自分で好きな野菜を育てられるかなど管理内容や自由度、肥料や道具の貸し出しの有無もチェックしたい。

最近は、ドイツ語で「小さな庭」を意味するクラインガルテンと呼ばれる滞在施設がついた農園も人気。自然豊かな環境にあるので、週末に訪れ、泊まり込みで農作業ができる。畑を借りるのが難しい場合は、自宅で出た生ごみを堆肥にしてプランターで野菜をつくるのもおすすめ。都市生活者用のコンポストキットなどもあるので、暮らしに合ったものを選び、循環型の野菜づくりにトライしてみよう。

PROFILE

加藤紀子 かとう・のりこ
タレント・歌手・女優。1992年歌手としてデビューして以来、バラエティー番組やドキュメンタリー番組、ドラマなどでマルチに活躍する。テレビやラジオ、CMなど出演多数。YouTubeの「加藤紀子畑チャンネル」では、種まきから収穫までリアルな畑生活を配信。「みえの国観光大使」や「やまがた特命観光・つや姫大使」、「お豆腐親善大使」としても活動中。オフィシャルブログはameblo.jp/katonoriko

●情報は、FRaU2022年8月号発売時点のものです。
Photo:Akiko Baba Text:Shiori Fujii Edit:Chizuru Atsuta
Composition:林愛子

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