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ゆりやんレトリィバァ「奈良・吉野町を、しっかり盛り上げていきます!」
ゆりやんレトリィバァ「奈良・吉野町を、しっかり盛り上げていきます!」
VOICE

ゆりやんレトリィバァ「奈良・吉野町を、しっかり盛り上げていきます!」

地球を取り巻く状況は変化を遂げ、私たちの生活も変わることを余儀なくされました。未来に対して確固たる答えもゴールも見えていない状況ですが、手探りでも前へ進むことが欠かせません。今回は、芸人のゆりやんレトリィバァさんに、どんなことを思い、どんなアクションを起こしているのか伺いました。

故郷の自然を残しつつ
子どもたちの未来も応援したい

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その柔らかな雰囲気からは想像もつかない突飛なボケを連発し、万人に笑いを届ける芸人・ゆりやんレトリィバァさん(以下、ゆりやん)。2013年、吉本総合芸能学院(NSC)を首席で卒業し、デビュー後の2017年には「女芸人No.1決定戦 THE W」で優勝。以後もピン芸人の賞レース「R-1グランプリ2021」を制するなど、お笑い芸人としてエリートコースを歩んできた。アメリカのオーディション番組「America’s God Talent」に出演した際は、通訳なしで共演者とやりとりし、海外の人たちから笑いもとった。そんな経歴と、どんな場面でもボケ続ける姿からハートが強いと見られがちな彼女だが、芸風や芸人としての振る舞いに大いに迷っていた時期があったという。

「前は、『こうしなければいけない』とか『これはしてはいけない』とか、いろいろ思い込んでて、ずいぶん気負ってました」

転機になったのは、先輩芸人の千鳥・ノブさんからのアドバイス。「ゆりやんは、そのままでエエ」と言ってもらえたことが、いまの「笑い」をつくった。

「芸人になって日が浅かった頃は、テレビや舞台に出るたび台本に『この場面でこういうことを話せ』と指示が書かれてたんですけど、いまは『お好きなように』と書いてもらえるようになりました。私のボケは、ひとりでは完結できません。まわりの人がツッコんでくれて、はじめて笑いになります。たとえツッコんでもらわなくても、ボケにノッてくれる芸人さんとか、周囲の方々に日々助けてもらってるんです」

ゆりやんの所属事務所、吉本興業はSDGsにコミットしており、企業として持続可能な社会の提案を行っている。たとえば、SDGsの目標からお題を決めてネタをつくる「SDGs-1グランプリ」を主催、大会には、ゆりやんも出場した。企業と芸人が一緒になって、笑いで社会問題解決に取り組んでいるのだ。

ゆりやんは、「SDGsのことは、まだまだ勉強中」と謙遜しつつ、ふだんの心がけを教えてくれた。

「ふるさと納税をすると、支払ったお金のつかい途(みち)を選べるんです。『使途はお任せ』にもできるんですけど、私は『福祉や子どもたちの教育』を選んでます」

子どもたちの教育に寄付をするようになったのは、ゆりやんが育った環境が大きく影響しているようだ。

「私の出身地、奈良県の吉野町は、山も川も美しい、自然豊かないいところです。けど、どんどん人口が減っていってて、私が小学生のとき、同級生は12人しかいませんでした」

過疎化の進む街で育ち、少子高齢化の波を肌で感じてきた。

「以前、実家のあたりに台風が直撃して、神社の木がなぎ倒されてしまったことがあるんです。その後、地元の若者たちが復旧作業に当たることになったんですけど、私の67歳(当時)の父親にまでも、『若者』として招集がかかってしまったんです。いまでさえそんな状況なので、10年後、20年後は、いったいどうなってしまうんやろという不安があります」

だからこそ、将来を担う子どもたちによりよい教育が行き届くよう、寄付先を選んでいる。将来的には故郷に住むことも選択肢のひとつであるというゆりやん。大好きな地元が、生活する人たちにとって住みやすい場所になることを願っている。

「高齢ドライバーの問題も、他人ごとやないんです。田舎で暮らしてると、車はもはや趣味でも何でもなくて、あくまで生活必需品。高齢になったからというて、即座に免許を返納するわけにはいかない現実があるんです」

ゆりやんにとって吉野町は、自分自身をつくった場所。お笑い芸人を志したのも、小学校時代にクラスメイトと吉本新喜劇のマネをして笑い合ったことがキッカケだ。いまも家族が住んでいる場所なだけに、いろいろな問題から目を逸らすことはできないのだ。

「地域の歴史も後世に残したいし、何よりもっと活気が出てほしいです。吉野町のよさを多くの人に知ってもらって、どんどん遊びに来てもらえるようになったらいいなあ。前に1回だけ、地元のイベントに芸人として呼ばれたことがあるんです。けど、そのときはスベりまくって……。親がエラい怒ってたらしいです。何でよりによって、ここでスベんねん!って。そやから今度は、私自身が吉野町でお笑いイベントなんかを主催して、しっかり盛り上げたいと思います。次回こそ、ちゃんとウケるように」

PROFILE

ゆりやんレトリィバァ
お笑い芸人。1990年、奈良県生まれ。2013年にデビューし、バラエティ番組や舞台で活躍。一時は、45kgのダイエットに成功し話題になったかと思えば、2022年には連続ドラマの役づくり(プロレスラー役)のため30㎏も増量し、周囲を驚かせた。

●情報は、FRaU2021年1月号発売時点のものです。
Photo:Ayumi Yamamoto Styling:Noriko Sugimoto Hair & Make-Up:Sumiko Kubo Text & Edit:Saki Miyahara
Composition:林愛子

Official SNS

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