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綾瀬はるか「コロナ禍を受け容れて、シンプルに生きていく」【後編】
綾瀬はるか「コロナ禍を受け容れて、シンプルに生きていく」【後編】
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綾瀬はるか「コロナ禍を受け容れて、シンプルに生きていく」【後編】

地球を取り巻く状況は変化を遂げ、私たちの生活も変わることを余儀なくされました。女優の綾瀬はるかさんは、日々の生活で気づいたこと、変わったことと変わらなかったことがあるといいます。どんなときも健やかに、美しく生きるためのヒントを教えてもらいました。

▼前編はこちら

自分の選択ひとつ一つが
巡り巡って自分に返ってくる

ファーフリーを掲げ、天然素材を取り入れているブランド、3.1 フィリップ リム。ジャンプスーツ/3.1 フィリップ リム  化学製品を使用せず、米国ロサンゼルスの自社工場で紡糸、染色、編み上げを一貫して行うブランド、ジ エルダー ステイツマン。ニット/サザビーリーグ(ジ エルダー ステイツマン) サステナビリティを追求したライン、コンバース イーシーラボではペットボトルを再利用したリサイクルポリエステル100%のキャンバス素材のアイテムを展開。スニーカー/コンバース

SDGsという言葉が定着する以前から、綾瀬さんには、自身が大切にしている生きるための根幹が確固としてあるように感じられる。それはきっと、コロナ禍や世の中の状況に左右されることなく、彼女の生活や考え方を支えているのだろう。彼女自身、上京して初めての長い休暇となったこの数ヵ月で、あらためて気づかされたことがあったという。

「2021年は、少しゆっくりする予定だったので、実家のある広島で過ごしていました。家の畑仕事を手伝って、きゅうりをもいだりしながらのんびりと」

トレーサビリティやサステナビリティを重視したフランス発、パトゥ。ジャケット、パンツ/イザ(パトゥ) 2018年にリサイクルTシャツからスタートしたアメリカのブランド、アップサイクル。ニッティング、染色、裁断、縫製まで半径5マイル以内にある工場で行いカーボンフットプリントに配慮。ペットボトルとコットンの端切れを砕いた再生繊維を使用したTシャツには、一枚当たり500mlのペットボトル5本が使われている。/メイデン・カンパニー(アップサイクル)

なかでも祖母と過ごしたひとときは、忘れていたことを思い出させてくれる貴重な時間になったそう。

「実家には94歳になるおばあちゃんがいます。彼女の一日のサイクルを見ながら一緒に過ごして、生活がすっかり変わりました。日の出とともに目覚めて、まず顔を洗って自分をキレイにする。開脚して少しの運動。キチンとメイクをして、まずはトイレ掃除から。床を拭いて、お庭を掃いて、育てている野菜の面倒を見て。それが祖母の日課でした。そして日が暮れて、暗くなったら眠る。祖母は少しもじっとしていないんです。『よくそんなにやることがあるね』って言うと、『何を言いおるね~、やることなんかたくさんあるで』って。いつもちょこまかと体を動かしていて、そんな姿がとても愛おしく、素敵だと感じました。自然に添った暮らしにはムダがないなぁって。キチンとして、キレイにする。生活するって、こういうことなんだ、大事なこと忘れてた! って。東京で仕事をはじめて、都会のサイクルに順応して生きてきたけれど、実家での素朴な暮らしには、ハッとする瞬間がいくつもありました」

当たり前のことを当たり前にこなす。とてもシンプルなことなのに、人はつい怠けて、大事なことを見落としてしまっているのかもしれない。

「そういえば、実家にいた頃はご飯を残すなんてあり得なかったのに、気づいたら食べ物をムダにしている自分がいました。フードロスというと大げさに聞こえますが、目の前のご飯を残さず食べることも、いまの自分にできる本当に当たり前のこと。そして知らないことの怖さ、知ることの大切さも痛感しました。何を買うか、世界とどう接していくか、自分の選択ひとつ一つが、地球やまわりの人を巡り巡って自分に返ってくるのだと思います。だからこそ、理解を深め、ムリをせず、自然に即して、自分が納得できる生き方を続けていきたいと思っています」

●情報は、FRaU2021年1月号発売時点のものです。
Photo:Kenshu Shintsubo Styling:Mana Yamamoto Hair:Keiko Tada Make-Up:UDA Text:Chisa Nishinoiri Edit:Chizuru Atsuta
Composition:林愛子

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