Do well by doing good. いいことをして世界と社会をよくしていこう

モデル・水原希子「私が自分にも環境にもやさしい“サステナブルコスメ”をつくった理由」
モデル・水原希子「私が自分にも環境にもやさしい“サステナブルコスメ”をつくった理由」
VOICE

モデル・水原希子「私が自分にも環境にもやさしい“サステナブルコスメ”をつくった理由」

ディレクターを務めるコスメブランド「kiiks」の「竹水フェイスミスト」が、「サステナブルコスメアワード」のSILVER賞に輝いた水原希子さん。デザイナーとしても活躍する彼女が、サステナブルを意識したコスメをつくったきっかけとは? 製品に込められた想いについても伺いました。

──アワード受賞式についてはこちら──

スキューバダイビングで出合った天然素材のくもり止め

日本ではじめてSDGs視点での評価審査基準が制定されたアワード「サステナブルコスメアワード」。水原さんは受賞前から注目していたそうだ。

「2年ほど前に、このアワードの存在を知りました。授賞式の会場に行ってみたところ、受賞した製品が買えるブースがあって、『全部ほしい、もう、全部買いたい!』と買い物欲が大爆発! 私の興味のあるモノやコトに向き合い続けてきた方々がつくったものが集まっていて、うれしくなってしまいました」

アワードの授賞式は、2025年2月14日に代々木体育館で行われた。会場となったのは、国内外から素敵なモノ・コト・ヒトが集結した「NEW ENERGY TOKYO」のメインステージ

モデルとしてフルメイクをする機会が多く、肌の乾燥に悩んでいた水原さん。とくに理想のクレンジングになかなか出合えず、いろいろ試していたそう。

「アワードを受賞した『みんなでみらいを』の米ぬかクレンジングのサンプルをいただいて、つかってみたらすごくよかったんです。オーガニックのクレンジングは落ちにくいイメージがあったんですが、厚塗りのマスカラもスルッと落ちて感動! しかも、メイクをオフするだけでなく、服のしみ抜きなどいろんなものにつかえて、環境にもやさしいなんて! と驚きました」

そのころはちょうど、オーガニックコスメブランドを立ち上げようと動き始めていた時期。サステナブルコスメアワードとの出合いが、大きく道を拡げてくれた。

「これをきっかけに、いろんな方との縁がつながりました。みなさんが『地球環境にやさしくて、安心してつかえるコスメをつくろう!』と同じ方向を向いていて、『希子ちゃんも、ジョインしてくれるんだ。待ってました!』みたいなウェルカムな感じ(笑)。『こういう天然素材があるよ、ほかにもこんなにいいものがあるよ!』と、すごく熱心に教えてくださって、本当にありがたいんです」

元AKB48メンバーの篠田麻里子さんが手がけるスキンケアブランド「yokayo」の「yokayo ボディミルク」は、サステナブルコスメアワードの地方創生賞を受賞した

そもそも彼女がサステナブルな活動に目を向けたのは、コロナ禍真っ直中のことだったという。

「スキューバダイバー役のオファーを受けたことがきっかけで、ダイビングのライセンスを取ったんです。実際に海に潜ってみたら、見えるものすべてがあまりにも美しすぎて、すっかりハマってしまいました。ダイビングをする際には、ゴーグルのくもり止めが必須なんですが、ケミカルなものをつかっているダイバーも多くいるのが現状。食器用洗剤が優秀なくもり止めのようで、ダイビングに向かう船の上によく置いてあるんですよ。私も最初は、洗剤をゴーグルのレンズに出して、海水で洗ってから海に入っていました。でもそのうちに、『これってなんかフェアじゃないな』と思っていたんです」

自分たち人間は、海の中のサンゴや魚に癒やされてインスピレーションを受けているのに、お返しにケミカルなものを持ち込んでいる。そんな現状に違和感を感じていたころ、沖縄で目からウロコのくもり止めに出合った。

「あるダイバーの方から、沖縄の海岸沿いに自生する植物の葉をクシュクシュして、その液をゴーグルにつけてください、と言われたんですよ。『くもり止めになりますから』って聞いて、『ええ、これで!? 海の中でくもっちゃったらどうしよう』と、正直疑っていたんです。でも、実際にゴーグルがくもらなかった。『天然のもので、ちゃんとワークするんだ!』と、すごく感動しました」

アワードでSILVER賞に輝いたkiiksの竹水フェイスミスト。ポリフェノールを多く含む竹水を使用し、清々しい香りのうるおいミストに仕上げた

もちろんコロナ禍以前も、オーガニックやケミカルフリーのコスメやヘアケア商品に注目していたと水原さん。

「でも正直、『シャンプーはいいけど、オーガニックのコンディショナーは難しいのかな』なんて思っていたんです。それが葉っぱのくもり止めに出合ってからは、『いや、いままでそれが当たり前だったからそう思っているだけかも。生活スタイルや考え方を変えれば、自然由来のもので、何でもいけるかもしれない』と思うようになりました。そこから、自分にも環境にも自然にもやさしい商品をつくろうと動きはじめたんです」

目指すは、オシャレでカッコいいサステナブル

今回アワードで評価されたのは、水原さんプロデュースの竹水をつかったフェイスミスト。竹水は、竹が成長する際に地中から地下茎を通して吸い上げた水のことで、毎年4〜5月にしか採れないうえ、たった20日間ほどしか幹にとどまらないという貴重な水だ。

「海外の人たちは、日本の植物=桜、と考えていると思います。でも、日本には知られていない魅力的な植物がいっぱいある。そういう植物をつかって、日本の新しいイメージを打ち出していきたいです」

「もともと私、竹や竹炭がすごく好きなんです。でも、竹害(ちくがい)が日本全国に広がっていることはまったく知らなかった。放置された竹林が荒れたり過度に繁殖したりすることで、さまざまな悪影響が起きているなんて……! 竹は根っこが浅くて土中深くに根を張らないので、土砂災害のリスクも高まるそうなんです。竹を活用したアイテムをつくることで竹林に人の手が入り、竹害解消にもつながったら一石二鳥ですよね」

今回、サステナブルコスメアワードを受賞したことで、多くの人にブランドやサステナブルなコスメ、さらには竹害について知ってもらえるきっかけになった、と水原さん。

「日本の素晴らしいところや地方が抱える問題などを、知らない日本人もたくさんいますよね。米農家さんの高齢化や後継者不足、耕作放棄地などがいま、各地で問題になっています。日本人にとって、お米は毎日食べる重要なもの。今後は、お米をつかった商品などを考えていきたいですね。いろいろな方に教えてもらった知識を吸収して、kiiksを通じてアウトプットしていけたらいいなと思っています」

地域が抱える課題を広めることで、少しでも解決に向かう助けができれば、と水原さん。

「そのために、大事にしているのが“ときめき”。クオリティの高さはもちろんですが、ビジュアルもパッケージもオシャレでカッコいい商品を追求していきたい。そして、サステナブルやオーガニックに興味がない人たちも手に取ってもらって、『じつは地域に貢献できているんだ!』と気づいてもらえると理想的ですよね」

──アワード受賞式についてはこちら──

インタビュー、文/萩原はるな 写真/横江淳

Official SNS

芸能人のインタビューや、
サステナブルなトレンド、プレゼント告知など、
世界と社会をよくするきっかけになる
最新情報を発信中!