徳島・脇町“うだつの町並み”が拠点の建築家が選ぶ「地元のお気に入りスポット」
モノや場所をつくる人は、つねにアンテナを張ってあらゆることを吸収しています。SDGs先進県・徳島の若きクリエイターたちの“お気に入り”から、ひと味違った徳島を感じましょう! 今回は「うだつ上がる/TTA +A 高橋利明建築設計事務所」の高橋利明さんにお話を伺いました。
多様な人や文化が往来し
豊かな暮らしの風景が生まれる場所
徳島県美馬市の脇町では、建物の1階屋根に防火壁「うだつ」を設けた町屋が残る「うだつの町並み」が観光名所。そこに生まれた複合文化施設が「うだつ上がる」だ。“みんなの複合文化市庭”と称し、築150年の町家を改装したスペースには、代表の高橋利明さんが営む建築設計事務所とセレクトショップのほか、古着店「gotoju」、書店「Phil books」、大阪の設計・インテリア会社grafのショールームが入る。
コワーキングスペースとしても利用できることから、さまざまなクリエイターも集う。「背中を押してあげられる場所でありたい」と、週末には「間借り喫茶」などのイベントも開催。たくさんの人が交じり合うスクランブル交差点のような場所から、“うだつの上がる”人たちを生み出していく(うだつはつくるのに莫大な金がかかるため、裕福な家でないと設置できなかった。そのため、うだつは富の象徴となり、「うだつが上がる」「うだつの上がらない」などの言葉が生まれた)。
高橋利明さんのお気に入りスポット
NPO法人太陽と緑の会
「ハンディのある方たちが生き生きと働いているリサイクルショップ。掘り出し物を探しに行きます。宝探しをしているような気分になれる場所です」
徳島市国府町南岩延107-1
吉野川第十堰
「歴史的に重要な自然の堰を残すために2000年に住民投票が行われ、守られた風景。中央に立つと周囲360度に山の稜線が見え、徳島の暮らしの源を感じられます」
名西郡石井町藍畑第十
PROFILE
高橋利明
大阪出身。建築家。地域の魅力をひとつの素材ととらえ、「そこでしか成立しない建築」を提案する。週末営業の雑貨店を経て、2021年、建築事務所を兼ねた、うだつ上がるを開店。うだつ上がる/TTA +A 高橋利明建築設計事務所/美馬市脇町大字脇町156
●情報は、FRaU S-TRIP 2021年12月号発売時点のものです。
Text:Kanako Mori , Mihoko Koga
Composition:林愛子
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