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5月30日はゴミゼロの日!“ゴミ清掃芸人”流「ゴミの減らしかた」
5月30日はゴミゼロの日!“ゴミ清掃芸人”流「ゴミの減らしかた」
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5月30日はゴミゼロの日!“ゴミ清掃芸人”流「ゴミの減らしかた」

M-1グランプリで二度、準決勝に進出したお笑いコンビ「マシンガンズ」。ツッコミ役の滝沢秀一さん(45歳)は、ゴミ清掃員としても活躍しています。経験10年のベテラン清掃員として、また自称「ゴミゼロマニア」としての立場から、ゴミを減らす方法を教えていただきました(中編)。

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「ゴミって何種類あるのか、考えたことありますか?」

ゴミ清掃会社で働き続けて10年。滝沢さんは清掃員として日々、大量のゴミと向き合ううち、自身のゴミを減らすことにも情熱を注ぐようになった。

「ゴミって、ゴミを呼ぶんですよ。キレイなところにゴミがひとつ置かれると、その周辺にみんながゴミを捨てていって、アッという間にゴミの山ができる。逆に、キレイに保たれた場所にはゴミは集まってこないんです。同じように、私のまわりにも『ゴミを減らしたい』と考える人たちが自然に集まってくるようになりました」

ゴミは減らすべきだ、とは誰もが思っている。でも、いざ実行しようとすると、どこから手をつけたらいいのかわからないという人が大半だろう。

「誰でも、少し意識を変えれば、すぐにでもゴミは減らせます。その入口として、まずはゴミの種類について考えてみましょう。皆さん、ゴミっていったい何種類あると思いますか? 以前、小学校で生徒たちに尋ねたところ、『7種類』『10種類』なんて答えが返ってきました。しかし、実際には2種類しかないのです。燃えるゴミと燃えないゴミ、この2つです。それ以外はゴミではなく『資源』なのですから」

講談社のゴミ集積所をチェックする滝沢さん。「紙だけでも、何種類にも分けられていますね。分別の仕方がすばらしい!」

つまり、可燃ゴミと不燃ゴミ、それ以外は、すべて「資源ゴミ」なのだが……、滝沢さんによると、資源ゴミという呼称が間違っているという。

「私も新米のころ、清掃会社で『資源ゴミ』と口にして叱られたことがあります。われわれ清掃員の間では『資源ゴミ』ではなく、あくまで『資源』。皆さんがゴミだと考えているものは、まだまだ分別できる。そのうちいくらかは再利用できる資源になる。資源の割合が増えれば、必然的にゴミの割合は減ります。ゴミを資源に変える余地は、たくさん残されているんです。

代表的なのが紙。皆さんが燃えるゴミとして気軽に捨てている紙は、『雑がみ』として古紙回収に出すことができます。ダイレクトメールやメモ用紙、子どもが持ち帰るテストやプリントなどの紙類です。そのほか家庭にある紙箱、包装紙、紙袋、トイレットペーパーの芯などもすべて対象。これをゴミから省くだけで、ゴミの総量はものすごく減るはずです」

雑がみはすべて、古紙として再生が可能なのだそうだ。さらなるターゲットとして、発泡トレイやカップ、プラスチックがある。

「自治体によって異なりますが、発泡トレイやプラスチックを資源として回収している自治体は増えつつあります。紙とプラスチックを取り除けば、可燃ゴミの量は劇的に減りますよ。ぜひ一度、やってみてください」

清掃員としての想いや日々の作業を綴った『ゴミ清掃人の日常』(講談社)。マンガを描いたのは滝沢さんの妻・友紀さんだ。コロナ禍で「断捨離」を実行する人が多いせいか、粗大ゴミも増えているという。

次に考えるべきは、ほとんどの家庭で毎日のように出る「生ゴミ」だ。

「私はゴミ減らしマニアなので、生ゴミを堆肥に変えてくれる『コンポスト』を使っています。黒土に生ゴミを埋めておくと、バクテリアが勝手に分解してくれるんです。かさも増えないし虫もわかず、ニオイもまったくしないんですよ。

冬の間はバクテリアの活動が鈍くなるので、生ゴミを野菜や魚を干すためのネットに入れて水分を蒸発させてから、家庭菜園の土に埋めています。生ゴミのイヤなニオイの原因は、水によって増える雑菌。ですから水分さえなくなれば、まったく気にならないのです」

滝沢さんによると、生ゴミのなんと80%が水分だそう。

「つまり100gの生ゴミのうち、本当にゴミといえる部分は20gほど。捨てる前にギュッと水分を絞れば、おそらく体積も半分くらいになるはずです。みんながそうやってゴミを減らせば、ゴミを運ぶ清掃車の台数や走行距離も少なくてすみ、CO2排出量が抑えられる。さらにはゴミを処理するためのエネルギー、費用も削減でき、SDGsのゴールにも近づくんですよ」

「顔の見える野菜」は食品ロスも減らせる!

ゴミを減らすには、簡単にものを捨てないことが一番の近道だろう。ところが実際は、「まだ食べられる」「まだつかえる」ものが毎日のように捨てられているのが現状だ。

「立派な箱に入ったメロンが3つ、そのまま集積所に捨てられていたりしますからね。誰かにもらって、食べきれないから捨てたんだと思いますが、つくづくもったいない。もしかしたら、さほど親しくない人からもらったのかもしれません」

つくった人や贈ってくれた人など相手や関係者の顔が見えていると、人は礼を尽くそうと、ものを粗末に扱わないもの。同様に滝沢さんが清掃員として働きはじめてから、仲間のお笑い芸人たちのゴミへの意識にも変化があったという。

「滝沢が集積所に来るかもしれないからと、キチンと分別するようになったんですよ。相手を知ると、迷惑かけられないと思うんでしょう。地産地消って、フードロスを減らすために大変有効だと私は思っているのですが、それと同じです。たとえば野菜をつくった人や家畜を育てた人、魚をとってきてくれた人の顔がわかれば、食べずに捨てるなんてことは、絶対に減るはずですからね」

もはや滝沢さんは、ゴミを減らすことを遊び感覚で楽しんでいるという。

「これだけ減らしてやった! ミッションクリアだ! とゲーム感覚で楽しんでいます。何に関してもいえることですが、皆さん、『いつか、誰かがやってくれるだろう』と思っている。でもその『誰か』は、じつは私たちひとり一人なんですよね」

――後編は、「いま考えるべきゴミ問題」について伺います――

前編はこちら

滝沢秀一■1976年、東京都足立区生まれ。1998年に西堀亮とお笑いコンビ「マシンガンズ」を結成。2012年より、清掃員としてゴミ清掃会社に勤務。現在は「社会世相」「食品ロス問題」「環境問題」等についてSNSや執筆、講演会などで発信している。マンガ『ゴミ清掃員の日常』(講談社)、『このゴミは収集できません』(白夜書房)など著書多数。

photo:横江淳 text:萩原はるな

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