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ストックホルム発 サステナブルライフのはじめかた
ストックホルム発 サステナブルライフのはじめかた
COLUMN

ストックホルム発 サステナブルライフのはじめかた

持続可能なライフスタイルに関するサイト、Ekoenkelt の人気ブロガーであり、ファッションのセレクトショップを手がけるストックホルム在住のペニッラ・ヨハンソンさん。サステナブルな暮らしについて、そのはじめかたを伺いました。

続けること、知ることで
よりよい選択ができる

自宅でミニトマトを育てている。テラスがなくても、日当たりのよい場所に置けば野菜も育つ。

“サステナブルライフ”と聞いて、どんな暮らしを思い描くだろうか。買い物にはエコバッグを持っていく、口に入れるもの、肌や髪のケアはオーガニックを選ぶ、自宅で野菜を育てる、プラスチック製品を控える、車移動を電車にする……。どれも一般化してきたアクションだが、実践できているかといえば、そうともいえないのが正直なところではないだろうか。

10年ほど前から“エコエンケルト(エコシンプルという造語)”というブログで毎日の生活でできるティップスを発信しているのが、ストックホルム在住のペニッラ・ヨハンソンだ。

スーパーでは自社ブランドのオーガニックラインがあるので活用する。

「きっかけは環境学を学んだことでした。この分野は政治や経済、自然科学が深く関わってくる。複雑で大きな課題に対して、個人として何ができるだろうかと考えて、ブログを始めてみたのです。“サステナブルな暮らし”とはどういうことなのか。自分の生活から変えてみようと思いました」

エコバッグを必ず持ち歩く。忘れたら手で持って帰れる量しか買わない。

ブログで紹介しているティップスは、彼女自身が10年以上続けていて、すでに日常になっていることがほとんど。そんなささやかな行いを積み重ねていくことが大切だと話す。

「当時は、エコバッグはここまで浸透していなかったし、オーガニック製品もまだ少なかった。それでも続けてきたからこそ、自分自身も成長して次の段階へ進むことができた。難しいことは後回しにして、段階を踏んで取り組めばよいのです。ごく身近なことからはじめてみる。たとえば2種類の野菜があったら、オーガニックを選ぶ、といった簡単なことからでいい」

著書『EKOENKELT:持続可能なライフスタイルへの道』

さらに、読者にもう少し違う視点を持ってもらいたいと、2016年には本を出した。

「ティップスはあくまでもティップス。私自身は、たとえば農業のことなど、どこにどんな問題があるかということを説明したかった。それに対して私たちができることを示す。もっと深いところで考えてもらいたい。どうやったら新しい考え方ができるかの挑戦です」

優れたオーガニックコスメを選ぶ。スウェーデン製以外にドイツやオーストラリアのものが進んでいるという。

サステナブルな考えがベースにあれば、自分でよりよい選択ができるようになるという。誰かにこちらがいいと勧められたから選ぶのではなく、説明がなくても自分でそのよさをわかり、選び取ることができるようになる。それこそが大切なこと。

ゴミの分別を徹底する。生ゴミはバイオガスに生まれ変わり、ストックホルムを走るバスはこの燃料が使われている。

「ベターチョイスができるようになるためには、知識を身につけるしかない。私たちの生活には、SDGsナンバーでいう12の『つくる責任 つかう責任』が深く関わっている。ムダな消費を減らして、より質の高いものを選べるようになれば生活も変わっていきますよ」

アパートの外に設置されたゴミステーション。

ブログ ekoenkelt.se

●情報は、FRaU2019年1月号発売時点のものです。
Photo:Norio Kidera Coordination:Nao Akechi Text&edit:Chizuru Atsuta

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