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フェアトレードもSDGsも、本来もっと“楽しめる”もの
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フェアトレードもSDGsも、本来もっと“楽しめる”もの

「フェアトレードミリオンアクションキャンペーン2022」のアンバサダーに就任した、廣瀬俊朗さんと望月理恵さん、そして堀潤さん。それぞれアスリート、アナウンサー、ジャーナリストとして、サステナブルな活動を行なっています。そんな3人が、お互いに聞きたいこと、そして今後の野望は!? スペシャル鼎談の後編をお届けします。

 実はお二人に、ぜひ聞いてみたいことがあるんです。個人ですることには限界があるので、できればムーブメントにしていきたい。そのためには、まわりを巻き込むことが大事だと思うんですが、協力者を増やすためのコツって何かありますか?

廣瀬 まず大前提として、私は「自分ができることはとても少ない」と自覚しています。だからこそ、周囲の人たちに「一緒にやろうよ」と自然と声をかけている。みんなでワイワイ、楽しくやることが大事だと思います。

 なるほど。ワイワイやるって、いいですね。どうも「報道」というと、「貧困問題をどうするか」「平和とはなんぞや」などと、どうしても深刻になってしまって。そこに、エンターテインメントの要素を加えるのは大事ですね。 そういえば、アフリカの教育や雇用を目的にしたアパレルブランド「CLOUDY」も、「社会課題を解決したい」と打ち出してはいないんですよね。「カッコいい洋服を提供することで、自然とムーブメントが起きてくだろう」という考え方なんです。

「ムーブメントを起こすには、周囲の仲間が『ここに行けば何かができる』と思える居場所をつくることが大切」と廣瀬さん。

廣瀬 一緒にやっていくうえで大切にしているのが、みんなの居場所をつくること。「ありがとう」「それいいね」と声をかけることで、「ここにいていいんだ」とか、「居心地がいい」と思ってくれるようになるんじゃないかな。

望月 私は国際的な医療NGO「ジャパンハート」の広報担当として活動しているのですが、「私も、何かしたかったんです」という声をすごく聞くんです。みんなそれぞれの生活に追われる日々を送っているけれど、声をかけると「やります」といってくれて、「こうしてみましょう」「こういうのはどうですか」って、いろんなアイデアを出してくれる。

「社会や誰かに貢献している」って思いたいけれど、なかなかきっかけがない人がたくさんいるんです。だから、躊躇しないでどんどん声をかけることが大切なんじゃないでしょうか。

「みんな、ありがとうっていいたいし、いわれたいと思っている。そう気づきました」と望月さん。

望月 私はいつも、自分の知っている範囲でしか動けないことがもどかしいんです。お二人は、どうやって活動を発展させていっていますか?

廣瀬 できるだけ、自分とは違うジャンルで活動している人と会うように心がけています。いろんなエッセンスがもらえるし、何より面白いんですよね。だから今回、フェアトレードのアンバサダーに選んでいただいて、いろんな方にお目にかかれるのがすごくうれしいです。

 私が市民メディアを運営するうえで心がけているのは、視聴者やSNSの参加者などの「個人」を尊重することです。報道となると、どうしても「報じる側」と「受け取る側」という関係性に陥りがちですよね。そうではなくて、私たちも聞き手も、フェアな関係で一緒に考えていこう、という姿勢を大切にしています。

だから生放送中に、「堀、それは違うだろう」「何でこのことは話さないんだ」なんていう「物言い」が、ガンガンくる。ふだんから、誰とでも、そういうフラットな関係が築けると理想的ですよね。

「もともと、コミュニケーションをとるのは苦手なタイプ。ついつい、『声をかけたら迷惑かな』と思ってしまいがちなんです」と堀さん。

廣瀬 そうですね、私もそう思います。そのためには、相手の本音を理解することがすごく大切。私は後輩たちに、「どう思った?」「何を大事にしているの?」などと、しょっちゅう聞いています。いろいろ、教えてほしいんですよね。

 若い世代というと、「未熟」とか「経験不足」などとみなされて、意見をないがしろにされがちだけど、それは違うんですよね。時代のフロントラインに立って、新しい時代をつくっていくのは彼らですから。

望月 下の世代の意見に耳を傾けることは、本当に大事。フェアトレードについても、私たちの世代より、その子どもたちのほうがよっぽど詳しいんです! 学校にフェアトレードについてのレポートを提出する、なんていう話を聞くと、「頼もしいなあ」とうれしくなっちゃいます。

PROFILE

写真左/廣瀬俊朗●1981年生まれ、元ラグビー日本代表キャプテン。現役引退後は、「ビジネス・フブレークスルー大学大学院」にて経営管理修士(MBA)を取得。ラグビーW 杯 2019 では 公式アンバサダーとして活動。現在は、株式会社HiRAKU代表取締役として、スポーツの普及、教育、食、健康などさまざまなプロジェクトに取り組んでいる。

写真中/望月理恵●株式会社セント・フォース取締役、NPO 法人ジャパンハート アドバイザリーボード。テレビ番組「世界ふしぎ発見!」(TBS系)のミステリーハンターをきっかけに芸能界入り。TOKYO FM「Blue Ocean」などラジオ番組のパーソナリティを務めながら、2022年3月まで17年にわたって日本テレビ「ズームイン!!サタデー」の司会を務めた。

写真右/堀潤●1977 年兵庫県生まれ、ジャーナリスト、映画監督。2001年NHKに入局、「ニュースウォッチ 9」リポーターや「Biz スポ」キャスターなどを担当。2012年、市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、2013年にNHKを退局。現在は、TOKYO MX「モーニングFLAG」 などに出演するほか、国内外の取材や執筆にもあたっている。

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