容器もリサイクルして再利用。ヘアサロン発「LISARCH」が目指す持続可能な美のかたち
シャンプーやコンディショナー、ヘアワックスなどのヘアケア製品は、生活必需品の1つ。日用品であるがゆえ、洗い流した後に化学成分が水質汚染につながる、パッケージにプラゴミが多いといった課題の解決が急がれます。
「LISARCH」は、大阪発のヘアサロンLIMが2016年から展開するブランド。「立ち上げの背景には、効果や原料だけでなく、テクスチャー、デザイン、ユーザーとのリレーションシップ、価格といった細部まで納得のいく製品をヘアサロンから発信したいという思いがありました」(LISARCH担当の田中裕子さん)
LISARCHが志すのは、高い効果を発揮し、使う人の感性に触れる創造性を持ちながら、環境にも配慮したアイテムづくり。
「製品やパッケージの原料にはサトウキビの搾りカス、国産たけのこ皮など廃棄されるはずの優秀な素材を使用。製品には植物油脂や精油といった人にも自然にも優しい天然成分を用いていますが、国産を積極的に採用することで輸送にかかるエネルギーを削減しています」
シャンプーには高生分解性の洗浄成分を使い、下水に流れ出す有害物質の量を減らす工夫も。
パッケージは、サステナビリティにこだわった素材を用いることにとどまらず、将来的には100%のリサイクルも目指しています。
「現在、商品を取り扱うヘアサロンの一部では、使用後のガラス容器を“ごみ”ではなく“資源”として回収。ヘアソルベなどの容器を製造するガラスメーカーの磯矢硝子工業とパートナーシップを結び、回収した容器が新しい容器の素材になる仕組みを作っています」
美を追究した結果、サステナブルな物作りにたどり着いたというLIM。ヘアサロンを展開するアジア、ヨーロッパにもLISARCHという「美の基準」を拡大していく予定です。
取材・文/有馬ゆえ