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月額980円の“土に返る服”レンタルサービス「Syncs.Earth」回収後は自社農園の肥料に
月額980円の“土に返る服”レンタルサービス「Syncs.Earth」回収後は自社農園の肥料に
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月額980円の“土に返る服”レンタルサービス「Syncs.Earth」回収後は自社農園の肥料に

毎日、身にまとうファッションは一種の自己表現。しかし、自らにフィットするものを選ぶ楽しさの一方で、生産時や廃棄時の環境負荷は問題視もされています。

「Syncs.Earth」は、ファッション業界の課題解決に挑む““土に返る服””のサブスクリプション型レンタルサービスです。ユーザーは天然由来の素材で作られた服を月額980円でレンタル。契約は1年が基本で、13カ月目以降は支払いなしで着続けることができます。

現在、ラインナップされているのは、和紙素材、オーガニックコットン素材の2種類のTシャツ。素材には化学的なものを一切使用せず、人体への影響を示す国際安全基準もクリアしており、トレーサビリティにも配慮しています。デザインも細部にまでこだわり、シンプルかつ洗練された印象に。

和紙素材を使用したTYPE1(¥980/月、12カ月契約)。約3カ月で土に分解され、土壌改良にも繋がる未来の天然素材。国際安全基準「エコテックス100」をクリアし、人体への安全性も保証されている。軽く丈夫で、さらっとした着心地。
オーガニックコットン素材のTYPE2(¥980/月、12カ月契約)。種や畑、輸送などすべての工程においてトレーサビリティ含め厳粛な基準をクリアした世界的最上級オーガニックコットンを100%使用。ヘビーウェイトなジャージ生地で、長年着込んでいくうちに肌に馴染んでいく。

「着古した服は、最終的に回収して自社農園でコンポストします。そのため素材には、自社で実証実験を行い、土に影響がないとわかったもののみを採用しています」と説明してくれたのは、運営元のSyncs.Design代表・澤柳直志さん。

プロジェクトのために自社農園を作り、製造過程で出る残布から、使い古した服まで、余すことなく地球に返していく仕組みを実現。素材へのこだわりは、単純に土に返すだけでなく、その土を使って野菜など食べられる作物を育てていくためでもある。

ファッションデザイナーとして長年、業界に携わってきた澤柳さんは、業界の問題を実際に目にしてきました。

「目の前で売れ残った服が焼却処分されるような体験を重ね、ファッション業界にいる一人として廃棄問題を解決したい、ファッションを通して環境問題の解決に向けた発信をしたいと考えるようになりました。そこで生まれたのが“土に返る服”のプロジェクトです」

後ろ首元にあるのは和紙素材を使用した生分解ロゴ刺繍。これからの未来を見据えた循環型ファッションをさりげなく背負う。

今後は、アイテムの拡充のほか、長くレンタルを続けたユーザーへの特典などサービスを充実させていく予定。完全な循環を目指すため、着古した服が分解された畑で育った野菜などをユーザーへ還元する仕組みも作っていくといいます。

身にまとう服の来し方行く末に気を配るのも、ファッションを通した自己表現の1つ。Syncs.Earthは、ファッションでどんな自分を宣言していくのかという問いを投げかけているようです。

取材・文/有馬ゆえ

Syncs.Earth
数多くのメーカー、ブランドのデザインを行うSyncs.Designが2021年6月にスタートした“土に返る服”のサブスクリプション型レンタルサービス。“服を所有せず、地球に還す”という循環型ライフスタイルを提案している。

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