着物・帯をアップサイクルしてファッショナブルなシューズへ「Relier81」
ヴィンテージ、デッドストック、ユーズドといった、使われずに眠っている着物や帯を使った靴やサンダルなどを展開している「Relier81」(ルリエ エイトワン)。2018年、京都を拠点に設立され、MADE IN JAPANにこだわって物作りに取り組むアップサイクルブランドです。
撮影/有田 優菜(Yuna Arita)
ブランド立ち上げの発端は、代表の田尻大智さんが学生だったときのアジア旅。旅先で、自らの出身地である「日本」「京都」、そして「着物」がポジティブに受け止められていることに気づいた田尻さんは、京都の伝統産業である西陣織、京友禅について調べはじめます。
「しかしわかったのは、着物産業が衰退しつつあるという事実でした。一方で、京都の骨董市で訪日外国人たちが、着るあてもない古い着物や帯をただ『すてきだから』とお土産やプレゼント、インテリア用に買っていく。そこで、着物や帯を使ったデイリーアイテムがあれば喜ばれるのでは、そして産業の衰退を止める助けになるのではと考えたのです」
「靴は誰でも履くものだから」と着物や帯を使った靴の試作に取りかかった田尻さん。しかし商品化までの道のりは困難なものでした。
「そもそも着物や帯は本来、靴に使うための生地ではないため、さまざまな試行錯誤がありました。靴のメーカー、職人の力がなくては実現しなかったと思います」
「古臭い」といったネガティブなイメージの払拭にも心を砕きました。靴のデザインは、シーズンのトレンドに合った木型を使用。着物や帯の生地選びにもこだわり、よい生地に出合えない場合は無理に商品を作らないという徹底ぶり。
田尻さんが願うのは、Relier81の商品をきっかけに、着物や帯に興味を持つ人が増えること。
「眠っている着物や帯がなくなり、再び国内で盛んに生産されるようになる日のために、時代のニーズに応えられるものづくりができるよう、職人と一緒に取り組んでいきます」
ゆくゆくは海外展開も目指しているRelier81。日本の伝統が世界の足元を明るく照らすとき、着物や帯はどんな新しい価値を持つのか楽しみです。
取材・文/有馬ゆえ
Relier81
2018年、京都で設立されたアップサイクルブランド。ブランド名には、フランス語で結ぶ、繋ぐを意味する「Relier」」と日本の国番号である「81」を掛け合わせ、「日本と世界を結ぶ」という意味が込められている。
お知らせ
ReStyle 25th Anniversary 『 Re -Beautiful Choice- 』
■場所:伊勢丹新宿店本館3階 リ・スタイル
■会期:2021年10月6日(水)~10月19日(火)
※オーダー販売のみ
■パーソナルオーダー承り日(着物・帯お持ち込み)
・10/16(土)10~19時
・10/17(日)10~18時
※お持ち込みのパーソナルオーダーはご予約制で承ります。