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富士山の麓「青木ヶ原樹海」は心霊スポットなんかじゃなかった! 神秘的な原生林とクールすぎる氷穴に挑む!!
富士山の麓「青木ヶ原樹海」は心霊スポットなんかじゃなかった! 神秘的な原生林とクールすぎる氷穴に挑む!!
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富士山の麓「青木ヶ原樹海」は心霊スポットなんかじゃなかった! 神秘的な原生林とクールすぎる氷穴に挑む!!

長年、「自殺の名所」などネガティブなイメージが先行してきた富士山・青木ヶ原樹海(山梨県)。「一度足を踏みいれたら、二度と出られないらしい」などという都市伝説(!)を聞いたことがある人もいるでしょう。でも実際の樹海は、富士山の噴火によって流出した溶岩が固まり、その上に樹木が生い茂った神秘の森。地面は緑鮮やかな苔に覆われ、太古より人々の生活に活かされてきた溶岩洞穴が点在するなど、見どころがいっぱいです。樹海の実像、魅力を見直すべく、原生林を訪れました(前編)。

「富士山の成り立ち」のヒミツは青木ヶ原樹海に隠されていた!

日本のシンボル・富士山の北西に広がる青木ヶ原樹海。「怖い」「危険」というイメージが強いかもしれないが、「富士山原始林及び青木ヶ原樹海」は国の天然記念物に指定された貴重な自然遺産。「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」の富士山域に含まれる、世界文化遺産でもあるのだ。

そもそも、樹海とはどうやってできたのだろう。山梨県富士山科学研究所の内山高研究員によると、樹海は約1200年前の西暦864(貞観6)年の富士山噴火によって噴出した溶岩の上にできた、比較的若い原始林だという。

「富士山は日本に111ある活火山のひとつ。太古の昔から噴火を繰り返し、現在の美しい円錐形になりました。最後の噴火は約300年前の宝永大噴火。1159年前の貞観大噴火では富士山の北西の斜面から大量の溶岩が流れ出し、斜面をゆっくりと流れていきました。これらは『青木ヶ原溶岩』と呼ばれ、その上に茂った森が青木ヶ原樹海です。またこの噴火によって、当時あった大きな湖が分断されて西湖と精進湖ができました」(内山さん、以下同)

山梨県富士山科学研究所は、さまざまな角度から富士山を科学的に研究し、世界共有の資産として活かし、守るための施設。富士山について学べる「富士山サイエンスラボ」を開放するほか、さまざまな環境教育プログラムを用意している

富士河口湖町と鳴沢村にまたがる標高920〜1300m付近に、約30㎢にわたって広がる青木ヶ原樹海。噴火によって流れ出た玄武岩質溶岩の上に、長い年月をかけて森が再生された。

「平坦で丸みを帯びた『パホイホイ溶岩』とゴツゴツした『アア溶岩』といった溶岩の上に、樹齢300年を超えるツガやヒノキなどの巨木が生い茂っています。堅い岩の上に生えているため、木々の根が地上に張り巡らされているのも特徴。1年を通じて湿度が高く、さまざまな苔やシダなどが生い茂っています」

富士山の北西に広がる青木ヶ原樹海。「山頂から見ると、樹が風に波打つようすが海のようだ」と、この名がついたとの説もある

樹海に向かう前に、まずは腹ごしらえ。富士河口湖町の人気スポット、2022年夏にできたばかりの「旅の駅kawaguchiko base」に立ち寄った。こちらは、地元で育った食材をつかった「地産マルシェ」や創作レストランで話題の施設。「本物のおいしさ」をコンセプトにした、旬のグルメが味わえるという。

山梨県の郷土料理ほうとうを、冷たくして旬の桃と合わせたひと皿。伝統的な味噌仕立ての熱いほうとうも最高だが、冷製パスタのようにオシャレなこちらも捨てがたい! 

甲州牛をつかったメニューも人気。しょうゆベースのタレと卵黄を混ぜ合わせながら食べるローストビーフ丼は、柔らかくしっとりとした甲州牛の魅力を堪能できる ※メニューは季節によって変更あり

旅の駅でお腹も心も満たされた後は、内山さんの案内で樹海へと向かう。最初に訪れたのは、県道710号線にほど近い「竜宮洞穴」だ。樹海には流出した溶岩の中に形成されたトンネルが残る溶岩洞穴が点在しており、竜宮洞穴もそのひとつ。国指定天然記念物の「富士講八海巡り第5霊場」が祀られた、パワースポットとしても有名だ。

噴火によって流れ出た溶岩は、上部が冷えて固まっていき、その下を溶岩が流れ続ける。こうして固まった溶岩と流れる溶岩の間に隙間ができ、固まって空洞になったのが溶岩洞穴だ

洞穴の中に降りていくとグンと気温が下がり、底近くでは寒いくらいの冷気に包まれる。見上げると、溶岩のトンネルの上に日差しを受けて輝く樹海の木々が見え、なんとも厳かな気分になる。竜宮洞穴は観光地化があまり進んでおらず、自然の神秘がそのままのカタチで残されていた。

かつて地元の人びとが「天然の冷蔵庫」として利用

続いて、国道139号線近くにある溶岩洞窟「富岳風穴」に向かう。ひっそりと佇んでいた竜宮洞穴とは打って変わって、名産品が買える「森の駅」や公衆トイレ、立派な駐車場を備えたこちらは旅行者であふれ、いかにも観光スポットという雰囲気。世界各国の言葉が飛び交い、とても賑やかだ。

富岳風穴は入り口からなだらかに下るトンネルになっており、手すりつきの遊歩道が整備されている。洞窟内は一年を通じて0〜3℃というひんやり感。訪れたのは真夏日だったのに、足を踏みいれたとたん、長袖の上着を羽織らずにはいられなかった。

「春になると雪解け水が染み込んできて、洞穴内で凍ります。夏になっても溶けずに残っていて、かつては天然の冷蔵庫として活用されてきました。昭和30年(1955年)ころまでは、カイコの卵や樹木の種子の貯蔵庫としてつかわれていたようです。良質の種子が日本中から集められ、芽吹きをよくするために低温保存されていたんですね」

富岳風穴の内部。「ヒカリゴケ」とも呼ばれる硅酸華(けいさんか)が群生する岩壁や、天然氷などの自然の神秘が詰まっている

溶岩が固まる過程ではがれて丸まった「溶岩棚」や「縄状溶岩」、天井からしずくとして落ちる溶岩が冷えて固まった「溶岩鍾乳石」など、かつての火山活動のようすをうかがわせる奇岩が、そこかしこで見られる。歴史的にも大きな価値がある洞窟は、大人になってから訪れるからこそ、楽しめるものだった。

──後半では、いよいよ樹海を横切る遊歩道を歩きます──

text:萩原はるな photo:横江淳

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