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鈴木優香が旅する、太平洋の“東京島” vol.4【新島】
鈴木優香が旅する、太平洋の“東京島” vol.4【新島】
TRAVEL

鈴木優香が旅する、太平洋の“東京島” vol.4【新島】

海を変えるためにできること。身近な海について知ることもそのひとつ。ビルに囲まれた東京の海。その少し先に、青く澄み渡り、イルカが遊ぶ海があることを知っていますか? 自分が暮らす街とつながっている「私たちの海」に直接触れたくて、デザイナーで山岳収集家の鈴木優香さんが伊豆諸島の島々を旅しました。

伊豆諸島は太平洋に位置する東京都の島嶼部(とうしょぶ)で、無人島を含めるとその数は100以上。人が定住しているのは大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島、青ヶ島の9島。東海汽船のフェリーを乗り継いで旅ができる5島を紹介します。今回は新島へ!

▼前回の「式根島」はこちら

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新島のロングビーチと
モヤイの謎

羽伏浦海岸のロングビーチはとにかく気持ちがいい。サーフィンのほかボディボードの体験もできるとのことで、「次は挑戦したい!」と鈴木さん。南側にあるシークレットポイントにはサーファーたちの姿も

新島はかつて「東京のハワイ」と呼ばれたサーフィンの聖地。その波を求めて全国からサーファーが集うと聞いていたけれど、なんと取材の日は大規模なサーフィン大会! どこの民宿も満室の嵐で、期せずして新島の人気ぶりを実感してしまった。

なんとか見つけた民宿に荷物を放り込んで、ロングビーチがある羽伏浦海岸に車を走らせる。海が見えてきたとき、目を疑った。波打ち際の白から澄んだ空色、孔雀色、紺碧へと繊細なグラデーションをつくる海。白砂はどこまでも続いていて、終わりが見えない。

羽伏浦海岸の入り口には白亜のゲートが。海の青とのコントラストがキレイで、地中海みたい(行ったことないけど)

「式根島からすぐの島なのに、なんでこんなに海の表情が違うのか、本当に不思議で」。ファインダーを覗きながら何度も声に出す鈴木さん。波が寄せるたびに色を変える海面を、飽きることなく撮影していた。

「モヤイ物語」で選びに選んで持ち帰ったミニモヤイ像。それぞれ表情が違っていて、見れば見るほど迷ってしまう。この店の先代主人こそ、渋谷のモヤイ像を作ったレジェンド!

新島のもうひとつの見どころは、島中に点在するモヤイ像。何か信仰と関係があるのかと思ったらそうではなく、かつて固有の工芸品がなかった新島に文化を築こうと、石職人が地元のコーガ石を使ってつくったものなのだとか。

メインストリートに並ぶ土産物店はどこも昭和の風情。ハワイを意識したダサかわなキーホルダーなんかもあって、楽しい

これは偶然訪ねた土産物店「モヤイ物語」のおばあちゃんから聞いた話だけれど、実は新島のどこかに、渋谷駅西口にあるモヤイ像とそっくりのものがあるとか。そう、あの渋谷のシンボルをつくったのは新島の職人だったのだ。翌日、早起きして島中を探索し、船が出る直前、まさにそのモヤイ像を見つけた。どこにあるかって? それはぜひ新島探検で見つけてください。

伊豆諸島名物の島寿司。新島バージョンは「漬け」にした白身魚に和辛子をつけていただくスタイル

NIIJIMA memo

船/東京・竹芝客船ターミナルから大型客船で約8時間30分、ジェット船で約2時間20分 飛行機/東京・調布飛行場発着の航空便(新中央航空)で約40分 車/島の外周は約28km。民宿が多い本村集落に滞在する場合、羽伏浦海岸に行くなら車が必要。「森田レンタカー」など数社あり レンタサイクル/〈前忠商店〉などの土産物店、レンタカー会社でも取り扱いあり
宿泊施設/民宿のほか「HOSTEL NABLA」などゲストハウスも グルメ/島寿司を食べるなら「栄寿司」へ。「POOL/PARK」は島食材を使ったカレーやアジアンプレートなどカフェメニューも ショッピング/「池村製菓」の牛乳せんべいは素朴な味がやみつきに
新島観光協会☎04992-5-0001

▼次回は「神津島」へ!

PROFILE

鈴木優香/Yuka Suzuki
デザイナー。山岳収集家。1986年千葉県生まれ。東京藝術大学大学院美術研究科デザイン専攻修了。アウトドアブランドの商品企画部勤務を経て、デザイナーとして独立。現在は山で撮影した風景をハンカチに仕立てていくプロジェクト「MOUNTAIN COLLECTOR」を手がける。

●情報は、FRaU SDGs MOOK OCEAN発売時点のものです(2019年10月)。
※掲載の内容が変更になる場合がありますので、おでかけ前にご確認ください。伊豆諸島へ向かう大型客船、ジェット船は季節や天候などによってかかる時間が変わりますが、ここでは夏季の一般的な所要時間を掲載しています。詳しい運航状況や時間については東海汽船のHPなどをご覧ください。
Photo:Mina Soma Text & Edit:Yuriko Kobayashi Model:Yuka Suzuki(MOUNTAIN COLLECTOR)
Composition:林愛子

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