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WORDS Gallery 主宰・吉本翔が選ぶ「気候危機を学べる本&映像」
WORDS Gallery 主宰・吉本翔が選ぶ「気候危機を学べる本&映像」
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WORDS Gallery 主宰・吉本翔が選ぶ「気候危機を学べる本&映像」

難しい専門書でなくても、気候や環境の問題を多角的に学べる手段はたくさんあります。WORDS Gallery 主宰の吉本翔さんがオススメする本と映画を見てみましょう。

ミクロとマクロのつながりのなかで
想像力を持って行動することが大切

環境問題を考えるとき、情報ももちろんですが、そこから行動に結びつくための想像力が大事なのではないかと考えます。2020年の雑誌『TRANSIT 49号』は、ビビッドで美しい自然の風景とともに、一見美しく見えるところに、有害な化学物質が流れ出ている様子なども見せています。

見てキレイだなとか、カッコいいと感じるもののほうが、単純に興味を持てるし、問題を考える入り口になる。自分も環境問題をテーマにしたアートを紹介することで、そういうきっかけをつくりたいと考えているので、TRANSITのような伝え方はいいなと思いました。

また、地球の歴史をまとめたページでは、人類が地球上にいる時間がいかに短いかを見せています。壮大な宇宙の歴史に、人間のちっぽけさを思うとともに、その一瞬に生み出されたものの多様さを思い、地球を守りたいという感情が湧きました。

東日本大震災の翌年に公開された映画『希望の国』は、見終わって嗚咽(おえつ)するほど泣きました。原発から半径20㎞圏に杭が打たれて、隣の家との間に強制退去の境ができる。人生で他人によって杭が打たれることがあるけれど、進む道は自分で決めるという主人公。抗えない大きな存在と、そのなかにいる自分という構図は、気候危機と同じだと思います。文明化が引き起こした現象のなかで、一人ひとりがどう生きねばならないかを考えさせられました。広い視野で見て、自分がどういう行動を選ぶか、そこに必要なのも想像力なのではないかと思います。

『TRANSIT 49号』

特集は「美しき消えゆく世界への旅」。環境問題、気候変動をテーマに、豊富な写真やデータとともに、今地球で起きていることを知る一冊。講談社Mook。

『希望の国』

20XX年、大地震が原因の原発事故がきっかけで離れ離れになりながらも、それぞれの愛を貫く3組の男女の姿を描く。2012年制作。監督/園子温。

PROFILE

吉本翔 SHO YOSHIMOTO
WORDS Gallery 主宰。レコードレーベルを主宰しながら、環境問題をコンセプトにしたオンライン主体のギャラリーを2021年に始動。レーベルには、台湾のバンドElephant Gymらが所属している。

●情報は、『FRaU SDGs MOOK 話そう、気候危機のこと。』発売時点のものです(2022年10月)。
Illustration:Toru Ogasawara Text:Emi Fukushima Text & Edit:Asuka Ochi
Composition:林愛子

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