Do well by doing good. いいことをして世界と社会をよくしていこう

規格外野菜を救う「食べチョク」、試してみた!
規格外野菜を救う「食べチョク」、試してみた!
TOPIC

規格外野菜を救う「食べチョク」、試してみた!

さまざまな社会課題とつながるフードロス&ウェイスト問題。飲食店で余った料理や規格外野菜の販売、仕入れキャンセルとなった余剰食品など、フードレスキューできるアプリやサイトが急増中。今回は、規格外野菜を生産者から直接買えるサイト「食べチョク」の体験レポをお届けします。

食べチョクとは?

国内随一の産直通販サイト。農作物や畜産物だけでなく、魚介類や米、穀類、酒類、お茶、調味料、はちみつ、ジビエ、加工品、花き類なども販売。価格はすべて生産者自身がつけるため、生産者への還元率が高いといわれる。www.tabechoku.com

今回、試してみた人は──。

編集F
食べ盛りの息子が2人いるので、食品消費量はかなりのもの。なるべく有機栽培の野菜を選びつつも、商店街で会話をしながらの買い物も好き。

生産者の想いやこだわりに
しっかり向き合える

一般的に、食材が消費者の手に届くまでには、生産者から卸売市場、仲買人などさまざまな流通経路をたどる。安定供給や物流コストの削減は叶うけれど、家に届く頃には生産や収穫から3~4日経ってしまうこともある。さまざまな業者が関わることもあり、生産者への還元率は3~5割程度で、生産者の情報も消費者には届きにくい。いっぽう、産地直売や産地直送を意味する産直は、生産者の情報が消費者に届きやすい。なかでも「食べチョク」は、生産者が直接商品を発送するので、収穫から最短で24時間以内に鮮度が高いものが自宅に届く。市場にはあまり出回らない珍しい食材や、自然農法の野菜、持続可能な生産方法を選んだ畜産家の肉など、こだわりの商品が並んでいるのも楽しい。生産者と直接やりとりできるので、熱意や想いが伝わってくるし、おすすめレシピを聞いたり、感謝を伝えたりもできる。今回も事前に「なるべくプラスチックをつかわずに送ってほしい」と頼んでみたら、快く対応してくれた。

ユーザー数が多いサイトなので、生産者は全国のユーザーにアピールできるのも利点だ。消費者は「旬のフルーツ」「有機JAS認証」「平飼い・放牧」といった目的別に検索できる。とくにうれしいのが「規格外品」「大雨被災生産者」「農家からのSOS」などでも検索できること。「おいしいだけでなく、何かの役に立つ買い方をしたい」と考えたときは、ぜひチェックしてみてほしい。コロナ禍によって苦しい状況に追い込まれたけれど、食べチョクで新たなやりがいを見つけて頑張っている生産者も多いそうだ。

生産者①「しあわせ野菜畑」

静岡のオーガニック農園の規格外を含む野菜セット。コメント欄で、鬆(す)や黒点、量、サイズなど丁寧に説明してあるのがわかりやすく、プロとしての誇りを感じる。同封されていた野菜新聞が素晴らしい。

昔ながらの自根苗のキュウリ、形が不揃いなので市場に出回らない露地栽培のひもナス、「芽が出てるけどおいしいです」とひと言添えられたジャガイモなど、小ぶりで不揃いなところが愛おしいオーガニック野菜たち。

左は、ひもナスとタマネギ、塩麹でマリネした豚肉をビネガーで煮込んだもの。右は、モロヘイヤをサッとゆでて叩き、刻んだ生オクラを混ぜてご飯に載せた、だし茶漬け。野菜がおいしいから簡単調理でも美味。

生産者②「いちえん農場」

高知県の果樹園で放し飼いにされ、草や害虫を食べて育った地鶏・土佐ジローの卵。その糞は果樹園に肥料として還元される循環農業で、雌雄同居の有精卵。卸先の飲食店がコロナ禍で休業し、困っていると聞いて20個注文。

10個は朝食の目玉焼きであっという間になくなった。一般的な卵よりサイズはやや小さいけれど、卵黄はほぼ同じ大きさなので、卵かけごはんが濃厚でおいしくなる。卵独特の臭みが少なく、さっぱりとした味。

残りは新鮮なうちに保存食に。煮卵をつくろうとも思ったけれど、濃い味で臭みのない味を消してしまうのはもったいなくて、家にあった野菜と一緒にピクルスにした。息子のお弁当のおかずとしても重宝。

生産者③「Farm & Firm かたもと」

大きさが不揃いで、ちょっとキズがあるため規格外だそう。このところ長く続いた雨と、トマトのシーズンも終盤なため裂果しやすく、輸送中の割れや潰れが心配とのことだったけれど、私にとってはなんの問題もなし。3kgで2268円なんて!

まずは同封のレシピを参考に、半分をセミドライトマトに。残暑を利用して天日干しにしてからオーブンへ。皮が薄くてジューシーで、変に甘すぎることなく旨い。規格外だからと価格を下げる必要はないと思う。

残りは玉ねぎやローリエと煮込んでトマトソースに。ソースにしてから冷凍しておけば濃厚な味をいつでも楽しめる。が、パスタにしたらあっという間になくなるのが、食べ盛り男子2人の恐ろしさ……。

●情報は、『FRaU SDGs MOOK FOOD』発売時点のものです(2021年10月)。
Illustration:Minoru Tanibata Text & Edit:Chizuru Atsuta
Composition:林愛子

Official SNS

芸能人のインタビューや、
サステナブルなトレンド、プレゼント告知など、
世界と社会をよくするきっかけになる
最新情報を発信中!