Urbanseaが選ぶ「お金の魔力を知る人に出会える3冊」
自分だけが心地よくなるためのお金ではなく、社会や環境、その先にある未来をも豊かにするお金へ。お金のつかい方やその流れを変えることは、世界のさまざまな課題解決を後押しする大きな力になると多くの人が気づきはじめています。今回は、お金の本当の姿を知れる本を、ノンフィクション愛好家のUrbanseaさんに選んでいただきました。
「お金は単にものを買えるだけにとどまらず、人間関係や人のあり方にまで影響を及ぼします。お金の貸し借りをするにしても、渡し方ひとつで、相手に恩義を感じさせることもあれば、屈辱を与えることもあります。また、いくらお金を持とうとも幸せを得られない人もいます。そうしたお金の機微に面白みを感じられる3冊を選びました」(Urbansea)
『シン・浪費図鑑 -悪女たちのないしょ話2-』
劇団雌猫/著
趣味に浪費する女性たちが、ただただ「好き」を語っている本。好きにお金をつかうことで、この世界を自分独自の居場所に変えていくさまを覗き見していると、世の中はこんなにもカラフルなのかと驚かされます。(小学館)
『地面師-他人の土地を売り飛ばす闇の詐欺集団-』
森功/著
地面師についてのルポですが、本来の地主の人生の数奇さにも気づけます。お金で得られる幸せに背くかのような人生を選んだのはなぜなのか。強欲な詐欺師と対照的な人の姿にそんなことを考えてしまいます(講談社)。
『ホスト万葉集-嘘の夢 嘘の関係 嘘の酒 こんな源氏名サヨナライツカ-』
手塚マキと歌舞伎町ホスト75人/著
「お金のため」と割り切れずにいる心情が詠われているのがとてもいい。好きなのが「最終日 LINE開いて文字打てず 知りすぎた君に もう頼めない」。欲望と背中合わせにある別の感情がこぼれ出たかのようです。(講談社)
PROFILE
Urbansea あーばんしー
ノンフィクション愛好家。小学生の頃、父親が買っていた週刊誌を読んだことで、週刊誌好き、ノンフィクション本好きに。『おすすめ文庫王国』などで執筆。ツイッターにもファン多し。@urbansea
●情報は、FRaU SDGs MOOK Money発売時点のものです(2020年11月)。
Text:Marie Takada Edit:Yuriko Kobayashi
Composition:林愛子
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