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食品宅配の雄がつくる“味重視”の「アップサイクル・フード」とは!?
食品宅配の雄がつくる“味重視”の「アップサイクル・フード」とは!?
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食品宅配の雄がつくる“味重視”の「アップサイクル・フード」とは!?

10月は食品ロス削減月間! 有機野菜や無添加食品の宅配で有名な「オイシックス・ラ・大地」が手がけるフードロス解決型の新ブランド「Upcycle by Oisix」が、10月20日(木)まで、ECサイト上で「Upcycle フードフェス」を開催、ふだんは廃棄されている食材の可能性を提案しています。

「等外米」や「牛タン皮」をおこげ、ビビンバに

「アップサイクル商品」とは、これまで捨てられていたものなどに付加価値をつけた商品のこと。Upcycle by Oisixは2021年7月のサービス開始以来、畑や加工工場ではじかれてきた食材58.9トンをアップサイクルしてフードロスを削減してきたという。オイシックス・ラ・大地の広報・丸尾幸子さんが語る。

「弊社では昨年から食のアップサイクルに取り組んできました。認知度もだんだん上がっていると感じています。日々の食卓でもっとおいしく手軽に、エフォートレス(努力やムリなく)にフードロスを削減できる機会を提供したいと思い、今回のイベントに合わせてミールキットなど新商品9品を用意しました」

イベントの目玉商品は、欠けや割れがあって流通に乗せられなかった「等外米」をつかう「【ヴィーガン】あんかけ中華おこげ」。そして、牛タンを加工する際に捨てられていた牛タンの皮を使用した「牛タンの皮そぼろの秋ビビンバ」などのミールキットだ。

「あんかけ中華おこげは、ほぼ食用とされない等外米を丸く形成し、香ばしい中華おこげにアップサイクル。サッと炒めたネギやニラ、レンコン、ニンジン、長ネギなどがたっぷり入った中華あんを絡めて食べるミールキットです」(丸尾さん、以下同)

限定販売された「【ヴィーガン】あんかけ中華おこげ」には、キャベツと油揚げの中華甘酢の副菜がつく。食品ロス削減量(食品として活用される量を換算)は1商品あたり約16g

「牛タンの皮部分は硬く食感がよくないため、加工の際には最初の処理段階ですべて外され、廃棄されるのが一般的です。通常は牛タン1本につき、約300~400gの皮が未活用で処分されていました。今回はこの牛タンの皮の食感を活かす加工方法を見つけてコリコリした食感のそぼろとし、レンコンや舞茸など秋の食材と合わせてビビンバに仕上げました」

期間限定発売の「牛タンの皮そぼろの秋ビビンバ」。食品ロス削減量(食品として活用される量を換算)1商品あたり約71g

また東京都・品川区青稜中学SDGsゼミナールの生徒とともに開発した、アップサイクル商品も2品登場。昆布の根もとを練り込み、とろみのあるのどごしに仕上げた乾麺「昆布の根元入り地球よろこーんぶそうめん」、廃棄されるしいたけの軸を活用し、肉の代わりに豆腐とおから、大豆たんぱくでつくったヘルシーなハンバーグ「地球うれしいったけ豆腐ハンバーグ(和風)」といったユニークなネーミングの商品を揃えた。いずれも、5年連続ミシュラン2ツ星を獲得している日本料理店「傳」の長谷川在佑さんが監修している。

「【学生コラボ】昆布の根元入り地球よろこーんぶそうめん」

昨夏のサービス開始から約1年。購入者からの反応も上々だという。

「Upcycle by Oisixのスタートは、手軽に日々の生活に取り入れることができ、捨てられていた食材をアップサイクルしていることを小さなお子さまにも理解いただける、野菜の茎や皮をつかった『おやさいチップス』でした。『おいしそうだからと手に取ってみたら、たまたまアップサイクル商品だった』というふうに、押しつけがましくなくフードロス削減につながればと、味重視で商品開発を進めています。お客さまからは『息子が野菜を食べるきっかけになった』という声や、『娘が小学校の授業でSDGsを習ってきて、おやつの時間におやさいチップスを出したら、SDGsの話題で盛り上がった』などの声が寄せられています」

アップサイクル定番商品セット。「ここも食べられるチップス ブロッコリーの茎」「ここも食べられるチップス なすのヘタ」「梅酒から生まれたドライフルーツ」の3商品

「この1年で利用者の方々の環境への意識の高まりを感じる一方、『自分に何ができるか?』と迷われているお客さまも多いようです。特別に意識をしなくても、アップサイクル食品が食卓にのぼるだけでフードロス削減に協力していると、じんわり感じていただければいいなと思っています」

見栄えが悪く未活用だった国産りんごやその皮を使用した、「かけて楽しい りんご皮フレークのクリームタルト」

9月には「チョーヤ梅酒」との協業を開始。これまで梅酒をつくった後は、やむを得ず飼料・肥料化されていた梅を原料にした商品を開発し、テスト販売するなど、自社で培ったノウハウを活かしながらフードロス削減を目指す。

「一気通貫で食にかかわっているからこそ、産地や製造過程で生まれるロスにいち早く気づき、アップサイクルを検討することができるのが私たちの強み。いまは捨てられてしまっているけれど、実はおいしいという食材は、まだまだあります。今後も、生産者が丹精込めてつくった食材をあますところなくいただくというところに熱量をもって、商品開発に取り組んでいきます」

text:木下千寿

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