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地球にも人にもやさしい「絶品エシカルフード」6選
地球にも人にもやさしい「絶品エシカルフード」6選
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地球にも人にもやさしい「絶品エシカルフード」6選

SDGsへの取り組みがますます加速しているいま、ただ「地球や人にいいことをする」だけでなく、「快適に楽しみながら取り組む」段階にさしかかっているようです。先日、そんなテーマを掲げた体験型フェスティバル「GOOD LIFE フェア 2022」が開催されました。SDGsに根ざしながらも心地よい豊かな暮らし(グッドライフ)を探る──。そのヒントを求めて、フェスティバルに参加してきました。

おいしく楽しくフードロスを減らそう!

9月23〜25日に、東京・有明の東京ビッグサイトで開催された「GOOD LIFE フェア 2022」には、食、ビューティ、健康、住まい、レジャー、人生設計など、さまざまな分野の約200のブースが集まり、多くの来場者でにぎわっていた。

そのなかで、do well by doing goodが注目したのが「食」。いま、フードロス、肉用牛や乳用牛などのゲップによるメタンガス、一方で食糧不足リスクへの懸念など、食問題への取り組みは待ったなしの状態となっている。

でもそこに、おいしく味わいながらSDGsにもつながるというアクションがあれば、そんなウマい話はない。そこで数あるフードブースのなかから、おいしいものはもちろん、つくり手の思いが伝わってくるもの、視点がおもしろいものをピックアップ! お取り寄せが可能なものも多いので、気になるものがあったら、ぜひチェックを。

【1】廃棄パンを用いたアップサイクルビール

食品のなかでも、廃棄率が高いといわれるパン。今回のイベントに参加していた「Boulanferme(ブーランフェルメ)」は、廃棄されるパンの「耳」から4種類のクラフトビールをつくってオンライン販売している。

6本アソートセット

もともとは小さなパンメーカーだったが、サンドイッチをつくった際に捨てられる耳があまりにもったいないと、ビールの製造を企画したそう。4種のビールはどれも個性あるしっかりとした味わいだった。

こうしたアップサイクルビールは、アサヒグループジャパンも新会社「アサヒユウアス」を立ち上げ生産に取り組むなど、さらに広がりを見せていきそうな勢い。いまのところ、お値段もそれなりだが、日々買っているビールの一部だけでもアップサイクルビールに切り替えれば、おいしくフードロス防止に貢献できそうだ。

【2】地球も自分もキレイになれる酒粕

最近、ジワジワと人気を再上昇している甘酒。それと同時に、その原料である酒粕への注目度も高まっている。さまざまな栄養素をもつ発酵食品の酒粕は、美肌効果や便秘、冷え性の改善、血圧の上昇を抑える働きなどがあるといわれている。

しかし残念ながら、酒粕の多くは捨てられているのが現状。日本酒製造の過程で生まれる酒粕だが、その廃棄量は年間なんと約3万トンにものぼるという。

甘酒のほかに酒粕グラノーラ、酒粕甘酒スムージーもあり、いずれも美味

KIKKA」は、そんな酒粕を用いたアップサイクル商品を多数生み出している。酒粕甘酒、酒粕グラノーラ、そして酒粕甘酒スムージー(めちゃくちゃおいしい!)。どれも砂糖不使用だったりグルテンフリーだったり、環境だけでなく美と健康にも配慮されたものばかり。気分転換のスイーツをこちらに置き換えてみる、というのもよさそうだ。パッケージも素敵なので、手土産や贈り物にも喜ばれるはず。

【3】さっぱりヘルシー!サメバーガーがうまい!

気仙沼直送のサメ肉のフライを2段重ねに。食べ切るのがやっとのボリューム!「あっさりフレンチ」のアダルトサイズ

食材としてのサメと聞くと、多くの人はフカヒレを思い浮かべるのではないだろうか。実はフカヒレは1匹のサメの体重のおよそ1%分でしかない。その他の部分は、あまり活用されていないのが実情なのだ。そんなサメ肉を生かそうとキッチンカーを走らせ、サメ料理を提供しているのが「SAMEYA」だ。

サメは獰猛なイメージに反して、その味わいは上品な白身魚に近い。クセがないので個性的なソースなどと合わせて、いろいろな楽しみ方ができるのだ。実際にSAMEYAのサメバーガー(あっさりフレンチとスパイシーメキシカンの2種類があった)をいただいたが、思った以上にイケるのに驚いた。

日本の食用サメの9割は宮城県の気仙沼漁港で水揚げされているが、この地域でなくともサメ肉を売っているスーパーはある。見慣れない食材ゆえ気づいていなかったかもしれないが、食べやすいだけでなく、高たんぱくで低脂肪、鉄分も豊富など栄養価が高い。しかも値段が安いという、かなりお得な食材なのだ。日々のたんぱく質補給のレパートリーに、サメ肉を加えてみてはいかがだろうか?

大気汚染を抑える、植物由来の「おいしいもの」

【4】植物性代替肉が進化中

大豆や小麦などからできた植物性代替肉(プラントベースミート)。かつては「ベジタリアンだけのための食品」と、あまり注目されていなかったが、昨今は牛のゲップから排出されるメタンガスが地球温暖化を促進するということで、ベジタリアンでなくともプラントベースミートを選ぶ人が増えてきている。それゆえ、市場はものすごい勢いで進化中だ。

多数出展されいたプラントベースの食材を扱うブースは、どこもにぎわっていた

今回のイベントでも、プラントベースミートを用いた多数の食品が売られており、その多様さに驚かされた。焼き鳥、ハンバーガー用パテ、そのまま使えるレトルトパックの大豆ミートなどなど。ベジカレーやベジミートソース、ベジ麻婆豆腐の素、さらにはヴィーガンカップラーメンまで、インスタント食品も豊富。あの人気ラーメンチェーン「一風堂」も、プラントベースのとんこつ風ラーメンの提供をはじめているなど、今後さらに広がっていくことは間違いないだろう。

もちろん、需要の拡大にともなって味も驚くほど進化している。満足感は動物性の肉と大差ないところまできているので、肉と完全に置き換えられる日も近そうだ。

【5】生乳からつくられて「いない」チーズって!?

家畜のなかで、メタンガスに関してもっとも問題視されているのは牛。食肉用だけでなく、牛乳や乳製品のためにも大量に飼育されているからだ。少しでも牛の頭数を減らそうと、最近は代替肉だけでなく代替チーズも増加傾向にある。

「ヴィーガンチーズセット」5種入り

原料はナッツや豆などいろいろだが、味は生乳由来のチーズとほぼ遜色ないという声が多い。種類も、とろける系からハードタイプまで豊富。この日、出店していた「TOKYO VEG LIFE」は、カシューナッツなど植物性由来の食材のみを使用した100%ヴィーガンチーズのブランド「TOKYO VEG LIFE faux-mage」を展開している。

ヴィーガンチーズはAmazonや楽天など多くのネットショップで購入可能。「本当にこれが植物性由来?」と驚くはずなので、ぜひ一度試してもらいたい。

【6】昆虫が食糧危機を救う!?

先進国ではフードロスが問題となっているいっぽう、第三世界では人口増加にともなう食糧不足が懸念されている。そこで、さまざまなテクノロジーを駆使して取り組みが進められているのが、昆虫を用いた新しいフードサイクルづくりだ。昆虫はたんばく質だけでなく、鉄分やカルシウム、ミネラルなども豊富でかなり栄養価が高い。しかも家畜に比べて飼育にかかるエサや水の量が圧倒的に少ないため、温室効果ガスの削減につながるという期待もされているのだ。

この日のフェアにも、コオロギを乾燥させて粉末にしたもの、つまりコオロギのドライパウダーを用いたチョコやクッキーなどが展開されていた。

FUTURENAUTが開発する「携帯たんぱくチップス」。見た目も味も、昆虫からできているとはまったくわからない

昆虫食は、無印良品も「コオロギせんべい」を販売するなど、ジワジワと市場を拡大させている。ネットで検索すれば、ほかにもドリンクやプロテインバーなど、さまざまな昆虫食が見つかる。代替肉といえば大豆かナッツ、アボカドなどが主だったが、そこに昆虫が加わる日も遠くない。

日本はアニマルウェルフェア後進国?

この日はさまざまな著名人たちのセミナーも開催されていた。印象深かったのが、滝川クリステルさんが伝えていた日本の家畜の飼育事情だ。

愛犬アリスちゃんを伴い登壇した滝川クリステルさん。アリスちゃんは、東日本大震災で被災した福島県浪江町に取り残されていたところを保護され、保護団体から滝川さんが引き取った

日本は低価格で品質のよい肉や卵が流通しているが、そのウラでは虐待に等しい家畜の飼育環境もあるという。たとえば、身動きもできないようなケージに鶏を閉じ込め卵を産ませる「バタリケージ」。母豚が子豚をうっかり踏み殺さないよう、方向転換もできない狭いスペースに閉じ込める「妊娠ストール」。これらはアニマルウェルフェア(動物福祉)の観点から、多くの国が禁止している。だが日本は、アニマルウェルフェアにおいて、他国に大きく遅れをとっているのが実情なのだそう。

だからこそ私たちは食材を購入するとき、それがどのようにつくられたかを考える必要がある。たとえば平飼い卵や、ストレスの少ない環境のもとに育った動物の肉など、アニマルウェルフェアに寄り添ったものを購入するのもいいだろう。購入者が増えれば、必然的にその飼育法を取り入れる畜産農家も増えていき、価格も下がっていく。好循環が期待できるのだ。

子どもたちにも分かりやすいように説明するさかなクン

この日は、さかなクンによるセミナーも行われていたが、同じことは魚においてもいえるだろう。「命をいただく」ということはどういうことか、日頃から胸に刻んでおかなければ、と強く感じた一日でもあった。

取材・文/山本奈緒子 撮影/日下部真紀 編集/大森奈奈

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