魚介に肉類&乳製品、野菜もワインも極上! ニュージーランドの最大都市オークランドの絶品グルメの最前線
自然環境保全と経済活動の両立に成功したサステナブル先進国、南半球のニュージーランド。豊かな自然を資源ではなく「祖先」と捉える、この地に先住していたマオリの世界観がいまも生きています。「人口よりも多い」といわれる羊や牛、鶏がのびのびと育つ酪農王国でもあり、シーフードやワインのおいしさにも定評があります。グランドオープンしたサステナブルなホテル「JWマリオット・オークランド」を拠点に、ニュージーランドのグルメを巡る旅へ。
NZのサステナブル・ツーリズム基準を満たした5つ星ホテル
南太平洋に浮かぶ美しい島国、ニュージーランド。国土の約3分の1が国立公園や保護区に指定されており、自然と共生するサステナブル先進国として知られている。2022年12月にリブランドオープン、大規模な改装を経て2025年5月に全館グランドリニューアルオープンを果たしたJWマリオット・オークランドは、ニュージーランド最大の都市オークランドの中心部に位置。ビジネス街やクランド・フェリーターミナル、コマーシャル・ベイのショッピングセンター、そしてウォーターフロントの世界的なダイニングまで徒歩圏内という、絶好のロケーションにある。

設計はシンガポールの建築設計事務所 「O37」 によるもの。もともとはスタンフォードホテルだったが、改装を経てラグジュアリーな5つ星ホテルに生まれ変わった

ロビーに設けられた、広大な原生林が広がるワイタケレ山脈に着想を得たグリーンウォール。長持ちせず廃棄が多くなることから、ホテル内には生花はほぼ飾られていない

各階に、マイボトルに水が補充できるウォーターサーバーが

客室は全271室。すべての客室が36㎡以上とゆったりしており、インテリアはシンプルながら優雅&上質
同ホテルは、ニュージーランドのサステナブル・ツーリズム基準「Qualmark」で、最高ランクのゴールド5つ星評価を獲得。脱プラへの試みだけでなく、節水仕様のシャワーや持続可能な方法で製造されたダイニングテーブルなど、客室内にもさまざまな工夫が見られた。インテリアはオークランド郊外にそびえるワイタケレ山脈や美しいワイテマタ湾をモチーフに、自然や季節感を重視したという。
ホテルの屋上にはハーブ園とミツバチの巣箱を設置、新鮮なハーブはレストランで使用するなど、地産地消のローカーボン料理を促進。メインレストランの「Trivet」では、持続可能な方法で調達されたシーフードや地元産の食材を多くつかっている。ポリネシアのサモアにルーツをもつウォレス・ムアシェフは、ポリネシア料理をはじめ、世界各地の技法と風味を融合させたメニューを提供。新鮮な魚介類や、酪農王国ならではのおいしい肉料理が味わえる。

最高級の食材をつかい、ニュージーランドの豊かな食文化を提供するウォレスシェフ(写真右)。イケメンぶりも有名で、シェフに見惚れる客が続出!

シェフのシグネチャー料理のサーモン料理(写真右下)と、新鮮なオイスターとムール貝。フラットブレッドにはクリーミーなココナッツバターが添えられる
海に囲まれているニュージーランドは、魚介類が豊富でとても美味。小ぶりな生牡蠣は、ミルキーな身にビネガーがあわせてあり、いくつでもいけそうな仕上がり。サーモンのグリルにはココナッツヨーグルトとチリ、セサミオイル、タロ芋、マンゴージュレなどがトッピングされており、さまざまな食感と風味が楽しめる。ニュージーランド産のフルーティーな白ワインとのマリアージュは最高だ。
2025年には、中村明宏さんが料理長を務める鉄板焼きレストラン「Kureta」がホテル内にオープン。日本の職人技とニュージーランドの自然を融合させた体験重視のレストランで、オークランドのダイニングシーンで早くも話題になっている。

シェフ歴30年の中村料理長(左)と、その右腕の栗原登志さん
こちらでは、南極海に近い海の幸から火山地帯の大地の恵みまでを、目の前の鉄板で調理。メニューはおまかせコースのみで、この日は11種類の料理が提供された。
「ニュージーランドには、15年住んでいます。南極に近いから海温が冷たく、フィジーやトンガでは本マグロと同じクオリティの南マグロが獲れるんですよ。牡蠣はオークランドから船で40分ほどのワイヘキアイランドで獲れます。ニュージーランドは年中雨が降り、極端な乾季がないうえに土壌がいいため、野菜もとてもおいしい。とても食材に恵まれた国なんです」(中村さん)

ニュージーランドの昆布が香るコウイカとカサゴ、北海道産のホタテ

席はカウンターのみ。鉄板や炭火を駆使して、最高級の食材が調理されていく
刺身用のテナガエビの炙りやハマチのトロ、出汁が香るリッチな味わいのトリュフの茶碗蒸し、バターしょう油と肝のソースが添えられた朝獲れのアワビ、鹿児島産和牛にニュージーランド産、オーストラリア産のエイジングビーフの食べ比べなど、美食の数々が登場。山海の恵みを、存分に堪能できる内容だった。
活気あふれる、ウォーターフロントのグルメ激戦区
オークランドのハーバーエリアは、新鮮なシーフードや多国籍料理を楽しめる賑やかなスポット。洗練されたレストランやバーが立ち並ぶヴァイアダクト・ハーバーと、再開発によって誕生したモダンで開放的なウィンヤード・クォーターがあり、どの店もとても賑わっている。
ウォーターフロントエリアにある「Amano(アマノ)」は、市内でトップクラスの人気を誇るイタリアン・レストラン&ベーカリー。地産地消(Farm-to-table)をコンセプトに、ニュージーランド各地の農家から直接仕入れた旬の食材をつかった料理が味わえる。

店内で毎日作られる手打ちパスタが特に有名。アスパラガスとヤギのチーズのパスタ、ラムラグーのパッパルデッレ、薪火焼きの肉料理も美味!
100年以上前の古い倉庫を改装した建物は、高い天井と剥き出しの煉瓦が美しいスタイリッシュな空間。併設のベーカリーにもひっきりなしにお客が訪れ、活気は満点だ。手打ちパスタに新鮮な野菜&魚介&肉&ワインと、ご機嫌なランチを堪能できた。
ディナーは、ニュージーランドの著名なシェフであるベン・ベイリー氏が手がける「Ahi(アヒ)」へ。美しいハーバービューを望みながら、現代的なニュージーランド料理が味わえる人気レストランだ。こちらでも、地元の旬の食材や、オークランド南部にある自社菜園の有機野菜を使用。店名はマオリ語で「火」を意味し、オープンキッチンの薪火で厳選食材を調理している。

ダックのパテにラム肉、ロブスターのグリル、青タラなど、ワイルドかつ洗練されたグリル料理が中心。ワラビー(!)や鹿肉など珍しい食材も登場する
店内は洗練された高級感がありながら、ニュージーランドらしいリラックスした雰囲気もあり、満席のテーブルはどこも楽しそう。特別な日を祝うカップルからIT長者っぽいインド人らしきおひとりさま、スーツを着こなしたエグゼクティブグループまでが、おいしい食事とワインを味わっていた。
ニュージーランドのグルメは、新鮮な食材に伝統と最先端の料理法がミックスされ、ハチミツやチーズ、ココナッツ、フルーツ、ハーブ、スパイスなどを駆使した味つけも抜群。さらにどの店も盛りつけが素敵で、インテリアや空間もすばらしかった。おいしいものを食べてゆっくりしたいなら、オークランドはうってつけの旅行先のひとつだろう。
photo&text:萩原はるな




