「シャッター通りを買い取って商店街に」田村寛の働きかた
職業や肩書、場所にとらわれず、どうやって働き、どうやって生きるのか。いま、選択肢は広がりつつあります。自分に合う働き方を見つけた方々に聞く、“新しい働き方”のヒント集。今回は、田村寛さんを紹介します。
田村寛が見つけた新しい働きかた

新潟県新潟市にある、沼垂地区。昭和40年代から、卸問屋が連なる沼垂市場として栄えてきた。しかしながら大型スーパーの進出で衰退し、数店舗を残し閉店状態に……。

旧沼垂市場通り。この長屋を改修、上写真のような情緒ある町並みに
そんなシャッター通りを買い取り『沼垂テラス商店街』として甦らせたのが、株式会社テラスオフィス代表の田村寛さんだ。

「大学卒業後、親が営む大衆割烹『大佐渡たむら』を手伝うために帰ってきたところ、表通りが閑散としていました。店舗の大家さんが高齢化し、借りたい人がいても管理できないと断られることも。そこで通りごと買ってしまおうと」

買い取った店舗はチャレンジの場としても重宝され、半年ですべて埋まった。田村さんが目指したのは“自分が暮らしたい街をつくること”。

オリジナルの「沼ネコ焼」
「異動や転職がなくて、ここで一生暮らしていくから、自分の周りを豊かに変えていくしかない」
そんな田村さんの思いは今、叶いつつある。
●情報は、FRaU SDGsMOOK WORK発売時点のものです(2021年4月)。
Text:Chihiro Kurimoto Edit:Chihiro Kurimoto Composition:林愛子