健康的なだけじゃない。おいしいローフードのススメ
SDGs 先進国といわれるスウェーデン。なかでも南部に位置する都市マルメは、オーガニック食材やサーキュラーエコノミー、ゴミ問題に関する関心が高く、住民による活動が盛んなエリアでもあります。マルメのローカルから未来のありかたを学びましょう。今回は、欧米では周知されているローフードについて、お話を伺いました。
Raw Food
“おいしい”ローフードで
効果的に栄養素を摂取する
ローフードとは、Raw(生の)Food(食べ物)のこと。加熱することで破壊される酵素や栄養素を、生で食べることで効果的に摂れるローフードは、いま欧米を中心に人気を集めている。主な食材は、生の野菜や果物、ナッツ、海藻類など。マルメで〈ローキッチンマルメ〉を営むイギリス出身のサイモン・フランシスは、自身がヴィーガンになった際にローフードと出合った。
「もともと料理が好きで、いろいろ調べるうちに見よう見まねでつくるようになったんだ」
まずはベルリンで店をスタートして3年後に、友人にいまの場所を紹介してもらい、半年前にパートナーと一緒にこの店をはじめた。
「マルメはヴィーガンでなくても食に関心の高い人が多い。健康志向でオーガニック好きなので受け入れてもらえると思った」
ローフードはストイックで思想優先だと思われがちだが、サイモンの店はきちんと“おいしい”ことが魅力でもある。
「味は何よりも重要です。どんなに健康的でもおいしくなければ意味がない。火を使わないということは、すなわち新鮮な食材しか使えない。だからこそ味を追求できるのです」
RAW KITCHEN MALMÖ www.therawkitchen.se
●情報は、FRaU2019年1月号発売時点のものです。
Photo:Norio Kidera Coordination:Akiko Frid Text & Edit:Chizuru Atsuta