CO2ニュートラル燃料は航空業界の救世主となるか!?
待ったなしの環境問題に対して、世界はどのように行動しているのでしょうか。海や森の汚染問題、カーボンニュートラル、プラスチック、リデュースとリサイクルなど、さまざまな問題への国内外の最新の解決策から、未来へのヒントを見つけたいと思います。今回は、ドイツで生産されている新しい飛行機燃料をご紹介。
再生可能エネルギーによるジェット燃料
2021年秋、ドイツ北西部にCO2ニュートラルな飛行機の燃料「eケロシン」の原料を生産する世界初の施設が完成した。この燃料は、二酸化炭素と水を原料としてつくられ、飛行機を改造することなく既存の航空インフラで給油して利用できる。
バイオガスプラントで有機物を分解すると、高濃度の二酸化炭素とコンポスト化された植物によって結合させた液体が精製され、これがeケロシンになる。
施設全体も風力と太陽光の再生可能エネルギーによる電力発電で運営されている。CO2排出量の高い飛行機による移動が物議をかもしているいま、「期待できるパイオニア・プロジェクト」と、メルケル前首相も賞賛しているという。
●情報は、FRaU2022年1月号発売時点のものです。
Text:Yumiko Urae Edit:Asuka Ochi