“森の課題”を解決したい! チェーンソー世界大会の金メダリスト&未利用材でできた惣菜店
ひとが適切に手を入れることで、森林はすこやかに保たれます。日本各地で、地域の森を元気にするため、建築、デザイン、食、レジャーや教育などの分野でさまざまなアクションが始まっています。その根底には、森と共生することで自然も自分たちの暮らしも豊かにしたいという思いがありました。今回は、チェーンソー国際大会のメダリストと、林業と高齢者にやさしい福岡県の惣菜店を紹介します。
“世界チェーンソー選手権”で金メダルを獲った青森の女性

「世界伐木チャンピオンシップ」は、「伐倒競技」「ソーチェン着脱競技」「丸太合わせ輪切り競技」「接地丸太輪切り競技」「枝払い競技」の5種目で競う
林業の技術や安全意識の向上を目的に設立された、チェーンソーの腕前を競う国際大会「世界伐木チャンピオンシップ」。2023年に開催されたエストニア大会では、日本人女性が種目別の金メダルを獲得した。青森市を拠点に森林素材生産をおこなう「WOODHOPE」の岡田望さんだ。

岡田さんは「丸太合わせ輪切り競技」で金メダルを獲得
2014年に青森で開催された同選手権の日本大会を観戦し、「スポーツのようでかっこいい。ぜひチェーンソーを扱ってみたい!」と、未経験ながら林業界へ飛び込んだ。初めてチェーンソーに触ったときはエンジンすらかけられなかったが、いまでは世界で競える腕前に。
今後は種目別だけでなく、総合での入賞も目指す。
「海外では、子どもが将来就きたい職業のなかに林業が入っている。大会を通して、日本の若い世代にも林業の魅力を知ってもらえたら」と、岡田さんは意気込んでいる。
未利用材木でつくった高齢者にやさしい惣菜店

高齢化が進む福岡県北九州市の団地の一角に、“高齢者と林業の課題に向き合う”惣菜店「団らん処 和菜屋」がある。創業者の三村和礼さんは元作業療法士。高齢者が食事の調達や社会的孤立に悩むのを目にして、「健康的な惣菜を提供したい」と考えていた。
それに賛同したのが大分県日田市の「田島山業」。同社は、一般的に商品価値がないとされる丸太(林地残材)を大量に保有していた。そんな両者が出会い、未利用材木を活用した、高齢者にやさしい惣菜店をつくることになった。

店舗設計は北九州市を拠点とする建築家の田村晟一朗が手がけた。同じ団地内に内装に林地残木をつかった「デイサービス和才屋」もある。北九州市小倉北区金田1-1-6 UR金田一丁目団地1F
カウンターや床、天井の一部に林地残材を使用。車椅子の客が楽に商品を見て回れるようカウンターには緩いカーブをつけた。高齢者が安心して集え、健康的な食事ができる場として地域に貢献している。
●情報は、FRaU2024年8月号発売時点のものです。
Text:Chihiro Kurimoto Edit:Yuriko Kobayashi Composition:林愛子
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