地元の間伐材でつくられた岐阜・高山の地域通貨「Enepo」で、お金と仕事が循環!
人が適切に手を入れることで、森はすこやかに保たれます。自分たちが暮らす地域の森を元気にしようと、さまざまな取り組みが各地で始まっています。建築やデザイン、食やレジャー、教育など、アクションはじつにバラエティ豊かでユニーク。その根底には、森と共生することで自然も自分たちの暮らしも豊かにしたいという思いがありました。今回は、岐阜県飛騨高山の地域通貨「Enepo(エネポ)」を紹介します。
つかわれていなかった森林資源を活用して地元経済を回す
岐阜県高山市は人口8.3万人の小さな自治体。市内に広がる森林の木々からたくさんの薪(まき)がつくれるのに、暖房用の灯油を毎年24億円分以上も他地域から購入している。市内の建物やその家具にも輸入材が多くつかわれており、間伐材は地元であまり活用されていないのだ。

「積まマイカー」が材木の集積所を回る定期物流システムや、地元の飛驒信用組合でEnepoを決算できる仕組みがプロジェクトを成功に導いた
特定非営利活動法人「活エネルギーアカデミー」は、そんな現状を変え、地域を活性化させるべく2014年に始動した。地域の山林に必要な間伐をおこない、採集した材木は、高山市と協働で定期的に周回させている「積まマイカー」に積んで市内の加工場へ。

Enepoは特殊技術でスギの間伐材を圧縮し、薄くスライスしたもの
その対価として、地域の協賛店で使える地域通貨Enepoがもらえる。森林の価値が市外に流出することなく、地域内でお金と仕事が循環していく仕組みだ。

地元の家具メーカー「飛驒産業」は、採集した間伐材を家具製作に利用したり、枝葉をエッセンシャルオイルや植物活力液の材料として活用したりしている
間伐材を建築や家具づくりに積極的に使う地元企業も徐々に増えている。
●情報は、FRaU2024年8月号発売時点のものです。
Text:Shiori Fujii Edit:Yuriko Kobayashi Composition:林愛子




