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JR東日本が大開発! 3月の“まちびらき”で、「高輪ゲートウェイ」はようやく都民になじむか?
JR東日本が大開発! 3月の“まちびらき”で、「高輪ゲートウェイ」はようやく都民になじむか?
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JR東日本が大開発! 3月の“まちびらき”で、「高輪ゲートウェイ」はようやく都民になじむか?

JR山手線、京浜東北線などが走る「田町」と「品川」の間に2020年にできた新駅「高輪(たかなわ)ゲートウェイ」。あれから4年たっても、イマイチその名が都民に浸透していないような……。長すぎる駅名に対して、「高ゲー」などポピュラーな略称がないのがその証拠(?)。こんなことなら駅名を公募した際、応募案の人気投票で第1位に選ばれた「高輪」か2位の「芝浦」にしておくべきだった、どうしてわざわざ130位の高輪ゲートウェイにしたのか!? なんていう声も聞こえてきそうですが、納得のいく理由がついに明らかになりました。JR東日本がこの駅と周辺に新たな“まち”、「TAKANAWA GATEWAY CITY(高輪ゲートウェイ・シティ)」(以下、シティ)を2025年3月27日にオープン=“まちびらき”すると発表したのです。

“鉄道の始まりの地”だからこそ、ゲートウェイ!?

高輪のあたりは江戸時代まで海、具体的には東京湾の浅瀬だった。およそ150年前、日本初の鉄道が「新橋」-「横浜」間に開通、蒸気機関車を走らせるため、この地に堤防が築かれ、その上に線路が設置された。いわゆる「高輪築堤」だ。その後、線路は移設され、築堤は明治、大正時代に埋め立てられてしまったのだが、2019年のJR東による再開発の際、その遺構が発見された。2021年には「旧新橋停車場跡および高輪築堤跡」として国史跡に指定されている。

“まちびらき”後には、高輪築堤跡から地下回廊を見下ろせるという(イメージ画)。逆に地下回廊から築堤を見上げることもできる

「高輪は“鉄道の始まり”が残る場所なのです。日本と西洋の技術がかけあわされ、日本のイノベーションを生み出した場所でもあります。私たちは土地の歴史や先人たちの思いをしっかり受け継ぎ、世界に新たなイノベーションや文化を発信する場として、この地に駅とまち(高輪ゲートウェイ・シティ)をつくり始めました」(JR東日本・喜㔟陽一社長、以下同)

なるほど、これこそが高輪ゲートウェイの駅名を強行(?)した理由だったのだ。

「開発コンセプトは『Global Gateway』。まち全体を『100年先の心豊かなくらしのための実験場』と位置づけ、未来へのゲートウェイとして、未来の地球をより元気にするためのまちづくりに取り組んでいきます」

高輪築堤の遺構を活かして

羽田空港からおよそ15分、品川からひと駅とアクセスのよい「シティ」は、約9.5ヘクタール、南北約1.6kmとかなり広く、以下の全5棟の建物で構成されている。

・「THE LINKPILLAR 1(ザ・リンクピラー・ワン)」

地上30階、地下3階の南棟と地上29階、地下3階の北棟からなる駅直結のツインタワーで、商業施設やオフィス、JWマリオット・ホテル東京などが入る。

・「THE LINKPILLAR 2 (ザ・リンクピラー・ツー)」

地上31階、地下5階で、商業施設、オフィス、クリニックやフィットネスなどの生活支援施設が入る。

・「MoN Takanawa(モン高輪)」

地上6階、地下3階の複合文化施設。約1200人収容のライブ・パフォーマンス空間、約1500㎡の展示室、約100畳の畳スペースなどを備える。ちなみに、MoNは「The Museum of Narratives」の略であり、「門」も意味するという。門=ゲート!

MoNは、まちの文化活動のシンボルになるという

MoNの6階には月の映り込みをデザインした水盤や足湯がある「月見テラス」が!

・「TAKANAWA GATEWAY CITY PRESIDENCE(高輪ゲートウェイ・シティ・レジデンス)」

地上4階、地下2階。外国人ビジネスワーカーにも対応した国際水準の高層高級賃貸住宅、テラス型住戸を含むレジデンス。インターナショナルスクール、商業施設も入る。

これらと駅は歩行者用の道でつながり、要所要所に広場やビオトープなどができるのだという。都会で働く人びとの憩いの場となるだろうか。

駅構内には、可動式の「芝生ファニチャー」を備えた「EKI Park」もできるとか

3月のまちびらき時には、駅が全面開業し、オフィスや国際会議場、商業施設の「ニュウマン高輪」がオープンする。その後、ホテルなどが順次開業し、2026年春にはすべての建物が完成して約200店舗が出そろう予定だという。

「高輪築堤の保存と継承もおこないます。築堤の石を植栽の一部に採用。鉄道のレールを再現し、日本で初めて鉄道が走ったこの地の記憶に触れられる環境を整えます。2026年春には、かつて線路の下を船が行き来した『第7橋梁』を80mにわたって現地保存。それを眺めながら憩える『築堤ギャラリー』を開設します」

警備、清掃、デリバリーはロボットが!

喜㔟社長が言うように、シティは大きな実験場でもあるという。その3大テーマは「環境」「モビリティ」「ヘルスケア」だ。

まず環境部門で、省エネ、創エネ、エネルギーマネジメント、水素由来の電気の使用により、CO2排出量実質ゼロを目指す。

モビリティでは、警備、清掃、デリバリーなどのロボットが配備されるというから楽しみだ。ロボットとセキュリティゲート、エレベーターなどが連係し合うため、ロボットはシティ内を自由に行き来できる。ロボット同士がコミュニケーションを取って、ともに働くことも! さらに、自動走行モビリティや、フードデリバリーなど物流用にドローンを活用し、人手不足の解消を目指すという。

ヘルスケアでは「睡眠コンセルジュサービス」などを実施。オフィスワーカー向けの食堂では、培養肉などサステナブルな食材も提供予定だとか。

「こうした取り組みの先にあるのは、地球に対する負荷が高い、これまでの経済活動を見直し、地球と人間とが調和するという利益、『地球益』です。われわれはシティを通じて、この地球益を追求していきます」

広場ではマルシェなども開催される予定

鉄道生誕の息吹が感じられる地に、JR東日本が生み出す未来都市。わざわざ出かける価値はありそうだ。

Text:佐藤美由紀

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