菊地徹「土地に根づいて、街を耕す働き方」
職業や肩書、場所にとらわれず、どうやって働き、どうやって生きるのか。その選択肢は広がりつつあります。自分に合う働き方を見つけた人びとに聞く、新しい働き方のヒント集。今回は、菊地徹さんを紹介します。写真:「小さな声に眼をこらす」がテーマのリトルプレス専門書店「栞日(しおりび)」。Photo:Kokoro Kandabayashi
「栞日」の菊地徹が見つけた新しい働き方
2013年に長野県松本市で開業して以来、“暮らすように泊まる”長期滞在型の宿「栞日INN」や“これからの日用品を考える”ギャラリーストア「栞日分室」など、土地の個性を大切にしつつ、旅行者にその魅力を感じてもらえる事業を展開してきた菊地徹さん。
「よく“街づくりをしている人”と表現されるのですが、僕は役所の人間でもないし、街なんてつくれません。しいて言うなら、好きな街をより暮らしやすくするために“街を耕している”感覚です」
2018年、栞日の斜め向かいにある銭湯「菊の湯」が廃業すると聞いた菊地さんは、2020年に、事業を継承する。あらゆる世代の人が交流できる社交場を街に残したかった。目指すのは“街と森を結ぶ湯屋”。山の恵みである水を、廃材をつかって沸かす持続可能な銭湯。人々が集い、心地よい時間を過ごせる場所や文化を次の世代につないでいく。
●情報は、FRaU SDGsMOOK WORK発売時点のものです(2021年4月)。
Text:Yuriko Kobayashi Edit:Chihiro Kurimoto
Composition:林愛子
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