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食糧自給率100%超え! 地産地消の島・淡路で叶う、極上グルメと絶景の旅【前編】
食糧自給率100%超え! 地産地消の島・淡路で叶う、極上グルメと絶景の旅【前編】
FEATURE

食糧自給率100%超え! 地産地消の島・淡路で叶う、極上グルメと絶景の旅【前編】

古事記や日本書紀に「国生みの島」、つまり日本で最初に生まれた島と記されている兵庫県の淡路島。豊かな海に囲まれた緑いっぱいの島には、四季折々の美食が詰まっています。淡路島は、日本では希有な自給自足を実現しているグルメアイランド。島外に食材を提供しているため、食料自給率は120%を誇るといいます。2020年にパソナグループが本社機能一部移転を発表し、最先端の「地域創生のカタチ」を実現していることでも話題に。話題&魅力盛りだくさんの淡路島の「いま」を、さっそく体感してきました(前編)。

ーー後編はこちらーー

淡路牛、明石だこ、天然鯛に絶品ウニ……。淡路島の山海の恵みに舌鼓

明石海峡大橋で兵庫県明石市とつながり、鳴門大橋で徳島県鳴門市に至る淡路島。大きさはちょうどグアムくらい、透き通る青い海と緑豊かな山々に彩られた注目のネイチャーアイランドだ。実際に訪れると、阪神高速道路の垂水ジャンクションからわずか20分で淡路島インターチェンジに到着と、都市部との距離の近さにびっくりする。大都会を出てからあっという間に、自然豊かな非日常空間に到着した。

淡路島はかつて「御食国(みけつくに)」と呼ばれただけあって食材の宝庫。朝廷に海産物などを献上していたという。そんな島の恵みを堪能できるレストランが、淡路市の山の中腹に佇む「農家レストラン 陽・燦燦(はる さんさん)」。島の名産、あま〜いタマネギやみずみずしいキャベツ、レタスにイチジク、果物などを使用した、地産地消がテーマのサステナブルレストランだ。

シンプルなサラダで、採れたて野菜の味の「濃さ」にびっくり。店内には地域でとれた野菜やジャム、ハチミツなどの加工品が買えるお土産コーナーもある

農家レストランの周囲には畑が広がっており、オクラやナス、トマト、ジャガイモ、大根などの野菜やハーブが育てられている。もちろん収穫された農産物は、レストランのおいしいひと皿に変身!

レストランには移り住んできたパソナ社員が手がけるファームが併設されており、いかにおいしい野菜がつくれるか、部署ごとに切磋琢磨しているそう。自ら作物を育てることは、生産者へのリスペクトや環境配慮への意識の高まりにもつながっているようだ。ゲストを対象に収穫体験も実施されており、身体を動かした後は、畑で採れたて野菜をガブリ! 子どもたちの野菜嫌い克服にもひと役買っているという。

かやぶき屋根と木材、紙管によってつくられた、サステナブルな建築も見どころ。かやぶき体験や発酵食品のワークショップなど、伝統的なスキルと知恵が学べるプログラムも人気だ。エリア内に自然循環型滞在施設の建設も計画中だというから、ますます目が離せない。

夕日に夜景、星空、日の出と、瀬戸内海の絶景を独り占め

アクセスがよい淡路島だけに、日帰りで訪れる観光客も多いという。けれどもせっかく訪れるならば、ぜひ宿泊を! 海に沈む夕日や見事な日の出、満天の星空と美しい神戸の夜景を見ないなんてもったいない。もちろん島の美食も、1〜2食ではとても味わいきれない。

「GRAND CHARIOT北斗七星135°(以下、グランシャリオ)」は、兵庫県立淡路島公園「ニジゲンノモリ」の高台に広がるラグジュアリーヴィラ。明石海峡大橋を臨む絶好のロケーションに、丸くかわいらしいコクーンが立ち並んでいる。

木の温もりに癒されるコクーン内部。ベッドエリアには天窓があり、満天の星空のもとぐっすり眠れる。降り注ぐ朝日と鳥のさえずりとともに目覚める体験は、また格別だ

おとぎ話のような非日常空間と絶景に加えて、淡路島産の食材をつかった美食も見逃せない。開放的なダイニングテーブルで楽しめるのは、「ワールドグルメサミット 世界ベストシェフ」に選出された山下春幸氏がプロデュースする和食メニュー。「淡路ビーフ山海トマトすきやき」、「淡路島産濃厚うに鍋」、「特選淡路ビーフしゃぶしゃぶ」と、島のオールスター食材を活かした料理が堪能できる。

淡路ビーフ山海トマトすきやき」では、最高ランクの淡路ビーフとタマネギ、トマトなど淡路島産野菜のハーモニーが堪能できる

コースに登場する野菜や魚介類は、どれもとてもフレッシュ! 地産地消の偉大さを、肌で感じることができる内容だ。

なかでも一番人気なのは、淡路牛の中でも年間150頭ほどしか認定されないという、最高ランクの淡路ビーフのみをつかったすきやきのコース。口に入れた途端にとろけていく肉の味わいと、島の提携農家から仕入れる濃厚なトマトの旨み&ミネラル豊富なタマネギの甘みが絶妙だ。淡路島の南部、由良産の赤ウニは、「日本一旨いウニ」と食通から絶賛されるだけあって、濃厚な旨みの塊。磯の香りがすうっと口から鼻へ抜けていく。そのほか天然真鯛や明石タコなども味わえ、まさに淡路島だからこその内容だった。

夜のグランシャリオ。満天の星と明石海峡大橋、神戸の夜景という、ロマンティックな光の饗宴が繰り広げられている

グランシャリオの展望台から臨む、瀬戸内海・大阪湾から登る朝日。あいにくの天気で雲に隠れていたものの、空全体が刻々と色を変え、島の輪郭がクリアになっていく光景は、雄大そのものだった

食事を愉しんだ後には、神戸港を一望できる展望台へ。見上げると、いまにも降ってきそうな星たち。眼下にはライトアップされた明石海峡大橋と神戸の夜景が広がっていた。朝はこの展望台から、大阪湾の日の出も見られる。美食だけでなく、壮大な景色や島を渡る風、鳥のさえずりによって心も身体もフルリセット。「御食国」の醍醐味を、五感で感じられるステイだった。

――後編では、大自然のなかで味わう「禅」体験をお届けしますーー

text&photo{風景、料理):萩原はるな

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