高原リゾートで快適サイクリング! 「フェアフィールド・バイ・マリオット・岡山蒜山高原」を起点にサステナブルを学ぶ
その土地土地の特産品やご当地グルメが集結し、旅行者はもちろん地域の人々も集う「道の駅」。「旅の途中に見つけたら、必ず寄る!」という人も少なくないでしょう。そんな全国の道の駅に近接し、新しい旅の楽しみ方を提案しているのが「フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅ホテル」です。ここを拠点にした、観光客に向けた“よそゆき顔”ではない、土地の素顔の魅力に触れられる旅をシリーズでご紹介。第3回は、「フェアフィールド・バイ・マリオット・岡山蒜山高原(おかやまひるぜんこうげん)」を起点に、蒜山エリアを回ります。
蒜山高原の大自然とご当地グルメをまるごと堪能!
「フェアフィールド・バイ・マリオット・岡山蒜山高原」は、鳥取と岡山の県境に位置。蒜山インターチェンジを降りてすぐのところにある、「道の駅 風の家」に近接している。フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅ホテルでは、地域グルメを味わってもらうべく、あえてホテル内に飲食店をおいていないのだとか。さっそくチェックインを済ませ、ホテルからすぐの郷土料理レストラン「粋呑房」へ向かった。
蒜山高原のご当地グルメといえば、蒜山おこわと蒜山やきそばが有名だ。おこわは鶏肉に油揚げ、ゴボウ、ニンジン、シイタケ、栗などの野菜が入った、茶色い五目おこわ。お祭りや催事には必ず登場するそうだ。もち米にしょう油味というゴールデンコンビで、もちもち、ほっこりの味わい。おにぎりにしてもおいしそう!
蒜山焼きそばは、B-1グランプリで高評価を得たB級グルメ。濃厚な味噌ベースのタレが、津山市のホルモンうどんを思わせる。焼きそばに味噌ダレ?と思ったが、これが抜群に合う。かつてこのあたりでは、冬の保存食として各家庭で味噌がつくられていた。そこにタマネギやニンジン、ニンニクなどを合わせて味噌ダレをつくり、鶏肉と蒜山高原キャベツとともに焼きそばをつくってできたご当地グルメだ。
味噌ベースのタレで箸がすすむ! 写真右は、蒜山焼きそばをベースにホルモンやスパイスを加えてお酒にも合う味わいに仕立てた「夜ぜん焼きそば」。ちなみに「朝ぜん焼きそば」には目玉焼きがのっている
「粋呑房」ではジビエに牡蠣、アサリなどの海鮮をつかったつまみもおいしく、ついつい「ひるぜんワイナリー」のワインが進んでしまった。
ぐっすり眠った翌朝は、「道の駅 風の家」へ! 夏の朝に訪れたところ、店頭には蒜山大根やきゅうり、とうもろこしなどの朝どれ野菜が並び、地域の人々で賑わっていた。白いとうもろこし、生でもいけるとうもろこし、糖度の高いとうもろこしと、いろんなとうもろこしが並んでいる。3本で500円以下と、どれも安い! 持ち帰ることを考え、たくさん買いたい気持ちを抑えて、イチオシされていた白いとうもろこし「雪の妖精」と蒜山ジャンボニンニクを購入。こんなお店が近所にあったらなあ。
朝8時半オープンの「とれたて新鮮野菜市」。蒜山キャベツや大根など、新鮮な高原野菜が並ぶ
岡山県北部に広がる蒜山高原は、標高500〜600mという西日本きっての高原リゾート。蒜山三座を望むなだらかな地形で、サイクリングやハイキング、乗馬、スキーなどが楽しめる。2024年9月28日から11月24日まで開催される「森の芸術祭 晴れの国・岡山」の舞台でもある。展示エリアのひとつ「GREENable HIRUZEN(グリーナブル蒜山)」は、サステナブルをキーワードにした観光文化の発信拠点施設。ミュージアムやショップ、アクティビティが用意されており、楽しみながら持続可能な暮らしのヒントがもらえる。
施設のランドマーク、建築家の隈研吾による「風のパビリオン」。木材はすべてパビリオンが建つ真庭市から切り出したものだ。イノシシのオブジェ「真庭のシシ」は、市内から出たごみで製作されている
施設では周辺の自然や文化資源を活かした、季節ごとのアクティビティを用意。自然体験だけでなく、環境保全活動や自然保護活動に参加できるプログラムも実施している。とうもろこしの収穫体験から登山道の修復、苔玉のアートワークショップ、星空ウォッチングなど、どれも魅力的だ。
蒜山高原自転車道を疾走できるレンタサイクルは、年間を通じて利用できるアクティビティ。さっそくカッコいいマウンテンバイクタイプのe-BIKE(電動サイクル)を借りて、高原のサイクリングロードに出てみた。
こんなにスタイリッシュなのに電動!? 「電動ママチャリ」で前後に子どもを乗せ、さんざん走ってきた筆者も、電動アシストの快適さを再確認してしまった
サイクリングロードから望む、3つ連なる「蒜山三座」。約60万年前に火山活動を停止したとされる
標高が高いからか日差しは強かったが、吹き渡る風はとてもさわやか。大山連山の東に連なる蒜山三座と、山裾に広がるなだらかな火山麓扇状地の眺めは、雄大かつ牧歌的だ。アップダウンはあるものの、電動アシストのおかげでラクラク。あっという間に目的地の「ひるぜんジャージーランド」に到着した。
蒜山高原は、国内有数のジャージー牛の産地。同施設では、濃厚なジャージーミルクや希少なジャージー牛をつかった料理が楽しめる。ソフトクリームやチーズもおいしかったが、売店で買った牛乳の味の濃さときたら! 広大な牧場風景を眺めながらボーッとしていたら、あっという間に時間が過ぎていた。
ジャージーミルク100%の濃厚かつなめらかなソフトクリーム。これを目当てに多くの人が詰めかけ、週末には行列ができる
蒜山高原から岡山方面に50分ほどのドライブで、目当ての「真庭あぐりガーデン」に到着。ここは食を通じて真庭市の想いや取り組みと、訪れる人々をつなぐ施設だ。資源の循環に力を入れているほか、規格外野菜の加工場や地産地消マーケット、レストランなどが整備されている。
規格外野菜は地域のおばあちゃんたちの手でカットされ、野菜炒め用、カレー用、きんぴら用などの「お節介野菜」になり、住民たちの料理の時短に役立っているという。施設内のレストランで出た生ごみは肥料にし、野菜づくりに活用。この肥料「バイオ液肥」は無料で提供され、使用するとシャキシャキの緑の濃い野菜が育つそうだ。
できた野菜を買い取ってレストランでつかい、出た生ごみを堆肥にし、それをまた畑に還す。まさに食のサーキュラーエコノミーを実践している施設なのだ。
真庭あぐりガーデンのレストラン「十字屋商店」のランチ。お米は、バイオ液肥で育てた「循米(めぐりまい)」を大きな羽釜で炊いている
地域のおばあちゃんたちに笑顔で迎えられつつレストランに入ると、家族連れや女子会らしき人々、近隣の会社員などでほぼ満席。ランチは規格外野菜と地元産の味噌を使った味噌汁、地域の酒蔵の酒粕で漬けたカレイの粕漬け、真庭市湯原温泉で平飼いされている鶏の卵の玉子焼などに、周辺でバイオ液肥で育てられた野菜がたっぷりつく、という内容。ふっくら甘めの美味しいお米とともに、心も身体もほっこりするランチタイムだった。
ショップでは、さまざまな調味料や菓子が量り売りされていた。必要なものを必要なだけ購入でき、パッケージも減らせるエコな試みだ
土地土地の“素の魅力”に出会う旅
岡山の津山、鳥取の大山エリア、両県の県境の蒜山高原を巡った今回の旅。いわゆる「観光スポット」を観光客として巡るのではなく、地域にお邪魔しながら自慢の自然やグルメを味わうという、よりエリアに寄り添う体験ができた。拠点となった「フェアフィールド・バイ・マリオット 道の駅ホテル」は、まさに日本全国の知られざる魅力を渡り歩くためのホテル。どのホテルもほぼ同じインテリアで、訪れる場所が変わっても「そうそう、この空間、知ってる!」と、すぐにくつろげるようになっている。現在、全国に29軒を展開し、今度も続々と新しい施設がオープンするという。
友だちを家に招くような、アットホームなもてなしが特徴のフェアフィールドホテル。マーケットプレイス(売店)や朝食ボックスには、地域のおいしいものが詰め込まれている
ホテルはいずれも、そのエリアの“自慢”が集まる道の駅に近接しており、地域に住む人々に混ざって食事をとったり、ショッピングを楽しんだり……。地方創生にもつながる日本クエストの旅を、ぜひ体験しに出かけよう。
Text & Photo:萩原はるな
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