カカオの森と、農家のいきいきとしたくらしを守るために
世界中の人々に愛されているチョコレート。けれどもその材料となるカカオの森と、カカオの実を生産している農家の人々は、さまざまな課題を抱えています。そこでimperfectでは、ガーナ共和国のカカオ農家と一緒にさまざまな取り組みを推進中。あなたの「おいしい」が、カカオのふるさとで暮らす人々の「うれしい」につながるプロジェクトをご紹介します。
チョコレートは神秘的な食べもの
チョコレートの原料であるカカオの学名「Theobroma cacao (テオブロマ カカオ)」は、「神の食べ物」という意味のギリシャ語。 神への捧げものとして使用されたなど諸説ありますが、カカオ豆に含まれる油分(=ココアバター)が、名前の由来ともいわれています。
ココアバターには32〜34°Cで急速に溶ける性質があり、これはほかの油脂には見られない特徴。口に入れた瞬間に一気に溶けていくため、私たちはカカオの芳醇な香りとなめらかな口どけを堪能できるのです。古くから「神の食べ物」と崇められ、いまでも世界中で愛されている理由は、その唯一無二の味わいにあるのでしょう。
私たちの毎日を幸せにしてくれるチョコレート。imperfectでは、原料のカカオをつくっている生産者がよりいきいきと生活できるよう、生産国のガーナ共和国で2つのプロジェクトを進めています。
カカオの森を守る「シェードツリー」
熱帯地方で育つカカオの木ですが、じつは直射日光や風に非常に弱い植物。通常50〜60年とされる寿命が、強い日差しに当たり続けると、25〜30年まで縮んでしまいます。実のつきも悪くなり、安定的な生産ができなくなるという結果に。現地の農家がカカオの栽培のために森林を伐採すると、森林減少を進めるだけでなく、結果的にカカオの収穫を妨げてしまうのです。
そこでimperfectでは、日陰をつくってカカオの木を守る「シェードツリー(日陰樹)」の苗木を植林。農家の方々にレクチャーをおこない、ムリな森林伐採がカカオ豆の生産を減らすことや、森と共存しながら計画的にカカオの木を増やす大切さを伝えています。家族代々でカカオ農園を経営していく小農家が多いため、子どもや孫世代まで安定的に生産できる知識をつけることが、くらしを守ることにつながっていくのです。
女性たちがいきいきと活躍できるようサポート
西アフリカのカカオの生産現場では、女性はあくまで農園主である夫など、男性のサポート役というケースがほとんど。カカオ豆の売買など重要な業務には携われず、経済的に自立するチャンスが少ないという現状があります。それぞれの家族の方針を尊重しつつも、「社会で活躍する機会を得たい」「経済的に自立したい」「経済面で家族をサポートしたい」と願うカカオ農園の女性たちが活躍する機会をつくっていきたい。そう考えた私たちは、ガーナの主食のひとつであるキャッサバに注目しました。
キャッサバはタピオカの原料として知られるイモの一種。これを栽培して販売できるようサポートするのがimperfectの2つめのプロジェクトです。キャッサバの種子を提供するだけでなく、農学トレーニングを実施して栽培法を学ぶ機会を提供。さらに、粒状にしてもち米のようにした「アチェケ」や、粗挽きの粉にして食べる「ガリ」などに加工して販売できるよう、加工用の器具も提供しています。カカオ農園の外でも活躍できるサポートをすることで、女性たちがよりいきいきとくらせることを目指しています。
あなたの『おいしい』を、だれかの『うれしい』に。
おいしいチョコレートの裏側には、一生懸命カカオを生産してくれている人たちがいます。彼らの環境やくらしが、さらに生き生きとしたものになることで、さらにおいしいチョコレートが生まれていく。
imperfectは、そんな未来を願っています。