料理家minokamoの「日々のサステナごはん」vol.3
旬の素材を、できるだけロスなく味わい尽くす。より素材が生きる調理方法を考える。料理に使うエネルギー源と量を意識するーー。 そんなこんなに目配りした「日々のサステナブルなごはん」をご紹介するこの連載。レシピを提案してくれるのは、全国各地を巡り、その地の食材や食文化を採り入れながら、現代になじむ料理を提案している料理家のminokamo(みのかも)さんです。おいしく、楽しく食べながら、未来につながるごはんを、ぜひ日々の食卓に!
ピーマンがとろけるおいしさ!【モロッコ風ピーマンとがんもどき】
連載第3回の主役は、夏野菜の代表格、つややかで美しいピーマンです。近ごろは緑だけでなく、赤やオレンジ、黄色などのカラーピーマンも登場し、スーパーなどでもよく見かけるようになりました。
この料理の「サステなポイント」は、予熱を活かしながらピーマンを調理し、ヘタやタネまでまるごと食べられるところ。オクラやナスなど、夏が旬の野菜をたっぷり摂れるのもポイントです。ズッキーニやモロヘイヤなど、ほかの好みの夏野菜でもOK!
今回のレシピでは、赤ピーマンを使用しています。緑色のピーマンを完熟させたものが赤ピーマンで、苦みが少なく甘いのが特徴。ビタミンCやβ-カロテンは緑のものより2倍以上多く、ビタミンEはなんと5倍以上。強い抗酸化作用による、アンチエイジング効果が期待できる野菜なのです。
このレシピのルーツは、minokamoさんがモロッコを旅したときに出合った、クスクスの上にたっぷりと夏野菜が盛られた豪快な料理です。スパイスが効いたゴロゴロ野菜のおいしさが忘れられず、スパイスによって引き出された野菜のおいしさを再現するため、クミンシードを使いながらも和風にアレンジ。がんもどきでボリュームアップした、大満足のおかずに仕立ててくれました。
【モロッコ風ピーマンとがんもどき】
材料(2人分)
赤ピーマン 6個(緑色のピーマンでも可)
オクラ 3本
ナス 1本
生姜 スライス3枚(チューブでも可)
がんもどき 大3個(または小6個)
植物油 大さじ1と1/2
クミンシード 適量
醤油 大さじ1
水 300cc
塩2つまみ
※植物油は、オリーブ油、白ごま油、米油など手もとにあるものでOK
※鋳物鍋や無水鍋をつかう場合、水の分量は150cc
つくり方
1
ピーマンは両手でつかみ、親指の先をぎゅっと入れて一箇所穴を開ける。オクラはガクを除き、生姜は千切りにしておく。ナスは加熱する直前に、ガクを除いて縦半分に切り、表面に数本切り目を入れてさらに縦半分にカットする。
2
フライパンに油、クミンシード、ピーマン、がんもどきを入れて強火で加熱する。一部焼き色がついたら醤油を入れてざっと混ぜ(ハネに注意)、水を入れて沸騰したらふたをして5分ほど加熱する。ナスとオクラを入れて再度ふたをし、さらに5分ほどして水がひたひたになったら火を止める。そのまま15分ほどおき、余熱で火を通す。
3
塩で味をととのえたらできあがり。
※冷ますと、味がよりなじんでおいしくなります
minokamo
本名・長尾明子。岐阜県美濃加茂市出身の料理家・写真家・イラストレーター。地のものを活かしたレシピ考案のほか、郷土食の紹介・執筆も手がける。民藝の器を使うなど、日常の食卓の楽しみ方も提案。東京と岐阜県を拠点にし、食に関するさまざまな活動を展開している。この連載では、レシピ制作とコーディネート、撮影を担当。