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フードロスを減らすには。出来ることからやろう【後編】by Wakana Kawahito
フードロスを減らすには。出来ることからやろう【後編】by Wakana Kawahito
COLUMN

フードロスを減らすには。出来ることからやろう【後編】by Wakana Kawahito

世界のサステナブルを紹介するfrom the WORLD。今回は前編に引き続き、フランスからニース在住の川人わかなさんがリポートします。

前編はこちら

フードロスだけではなく、別の社会問題も同時に解決

フードロスの問題は個人だけでは限界もあり、社会全体で取り組むことが大切です。La Légumerie de Jorge(ラ・レギュムリー・ド・ジョージ)http://www.forumjorgefrancois.fr は、ニース中央卸売市場で廃棄処分行きの野菜や果物を引き取って、連帯食料品店に割り振ったり、食材を料理してソーシャルレストランで提供したりしている活動です。連帯食料品店やソーシャルレストランとは、経済的に弱い立場の人に無料や安価で食材や食事を提供し、他の人との交流を通して精神的なサポートをする場所のこと。運営はボランティアによって賄われており、学生や高齢者、シングルペアレントを中心とした重要な社会福祉支援の一つです。

さらに、La Légumerie de Jorgeは雇用の問題にも取り組んでいます。調理担当として5人を雇用し、彼らが仕事を通じて調理の技術を磨き、いずれは一般のレストランで就職するための手助けをしています。これは、食料ロス問題を解決するのと同時に、雇用問題や経済的困難にある人への支援となる素晴らしい活動です。

賞味期限切れ間近のものも無駄にしない

ほかにも社会全体でフードロス問題に取り組む事例をご紹介しましょう。Eco Charlie(エコ・シャーリー)https://www.lesecocharlie.org はフードロスに取り組むために設立されたNPO法人。賞味期限間近や賞味期限切れの商品をスーパーマーケットなどから回収し、整理して必要な人に配る活動をしています。私も参加してみましたが、大手オーガニックスーパーの倉庫には大量の廃棄用野菜や果物、ヨーグルトなどがあり、4人で手分けしても持ちきれないほどでした。

もらった廃棄用食材を事務所に運び、状態を確認して仕分けします。粉ミルクや離乳食などのベビー用品は専門の支援団体へ、クッキーやジャムなど比較的日持ちするものはホームレスの支援団体に、完熟しすぎて売り物にならなかったトマトなど今すぐ消費しなければならないものはEco Charlieの会員で分けました。料理次第でまだまだ使えるものが廃棄されているのはとてももったないところ。廃棄するぐらいなら、食べ物に困っている人に配ったり、それでも捌ききれないものは欲しい人に持っていってもらったりする方がよほど意義があるように感じました。

私が参加した回にもらった完熟プルーンとミラベル(スモモの一種)で、タルト作りに挑戦。完熟の果物はまさにタルト作りに最適で、フードロスも防げた上に新たな料理に挑戦する良い機会となりました。

フードロス問題は私たちにとって身近で、日常の小さなことからも取り組めます。フードロスを解決するアプリを利用したり、ドギーバッグをしたり、できることからはじめてみましょう。

参考:フランス農林水産省
https://agriculture.gouv.fr/lutte-contre-le-gaspillage-alimentaire

川人わかな
Written by
川人わかな/ライター・コーディネイター

フランス・ニース在住。東京にて編集者として勤務後、2011年に渡仏。フランスを拠点に取材場所はヨーロッパ全域に亘る。主なテーマは、サステナビリティ、食、アートなどのライフスタイル。ウェブサイトや広告、TVの撮影コーディネイトも手がける。著書『世界の夢のパン屋さん』(エクスナレッジ)

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