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[from Nice]植物の力を借りる植物療法で、サステナブルに免疫力アップ【後編】by Wakana Kawahito
[from Nice]植物の力を借りる植物療法で、サステナブルに免疫力アップ【後編】by Wakana Kawahito
COLUMN

[from Nice]植物の力を借りる植物療法で、サステナブルに免疫力アップ【後編】by Wakana Kawahito

世界のサステナブルを紹介するfromtheWORLD。今回は前編に引き続き、フランスからニース在住の川人わかなさんがリポートします。

前編はこちら

薬の代替としてのティザンヌ

フランスでは予防医学が発達しており、自然治癒力を高めることに力を入れる人が多いです。そのための手軽な手段がティザンヌと言われるハーブティ。リラックス効果というよりも、臓器のメンテナンスとして、乱れてしまった機能を整えたりバランスを取ったりする目的で飲むものです。ティザンヌはオーガニックスーパーなどでも購入できますが、種類も限られ質もまちまちなので、効果を求める場合はエルボリストリ(植物薬局)に行きます。

エルボリストリでは、植物療法士が症状を基に調合したオリジナルのティザンヌを作ってくれます。エルボリストリは一時期数が減ったのですが、2000年頃になってニーズが高まり、今はだんだん増えつつあります。ティザンヌは日本でいう漢方のようなものですが、フランスではもっと手軽で日常的です。日本で友人宅に招待された際に漢方が出されることはほとんどありませんが、フランスでは食後の消化のティザンヌや寝る前の安眠のティザンヌを勧められることはよくあります。

私は近所に行きつけのエルボリストリがあるのですが、そこのハーブはもちろんオーガニックで出来るだけ地元産のものを置いていますし、パッケージもなるべくプラスティックを使わないなど環境に配慮がされています。その時の悩みに応じて配合してくれるので、体調を整える強い味方です。夏にはハイビスカスのアイスティザンヌを作るのがお気に入り。日差しが強い夏に不足しがちなビタミンやクエン酸を補ってくれ、美肌効果があり夏に溜まった疲労回復対策にもなります。

植物療法を日常に取り入れる

アロマテラピーは約200年前にヨーロッパで始まりました。日本では癒しのためのものというイメージが強いのですが、フランスのアロマテラピーはメディカルアロマテラピーという医療行為です。植物の力で自然治癒力を高めることを目的としており、アロマテラピーやホメオパシーについては医学部の授業カリキュラムにも組み込まれています。医者のクリニックの看板にも、アロマテラピーやホメオパシーの資格有りと書かれていることも。医療行為であるため、精油やレメディは薬品と同じ扱いで薬局や精油専門店で販売しています。最近では、エコロジーの観点から、フランス国内生産のオーガニック精油もたくさん発売されています。精油で一番有名なのはラベンダーですが、元々ラベンダーは南仏自生のハーブ。風土の植物を活用した植物療法は、とてもサステナブルです。

日本では端午の節句には菖蒲湯に、冬至には柚子湯に入る習慣がありますよね。このような身近な植物療法は工夫次第ですぐ取り入れられますので、どうぞやってみてください。

川人わかな
Written by
川人わかな/ライター・コーディネイター

フランス・ニース在住。東京にて編集者として勤務後、2011年に渡仏。フランスを拠点に取材場所はヨーロッパ全域に亘る。主なテーマは、サステナビリティ、食、アートなどのライフスタイル。ウェブサイトや広告、TVの撮影コーディネイトも手がける。著書『世界の夢のパン屋さん』(エクスナレッジ)

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