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[from Nice]植物の力を借りる植物療法で、サステナブルに免疫力アップ【前編】by Wakana Kawahito
[from Nice]植物の力を借りる植物療法で、サステナブルに免疫力アップ【前編】by Wakana Kawahito
COLUMN

[from Nice]植物の力を借りる植物療法で、サステナブルに免疫力アップ【前編】by Wakana Kawahito

世界のサステナブルを紹介するfrom the WORLD。今回は、フランスからニース在住の川人わかなさんがリポートします。

後編はこちら

植物療法(フィトテラピー)という言葉を聞いたことがありますか?

古来より植物は医療行為に用いられてきましたが、植物療法という概念は20世紀のフランスで確立されました。植物”療法”と聞くと遠いことのように感じますが、平たく言えばハーブや精油のことです。南仏には元々自生のハーブがたくさんあります。日本でも知られているローズマリーやタイムなどは雑草のように道端に咲いているほど身近な存在。そのため、家の台所には大抵数種類以上のハーブが常備され、ほとんどの南仏料理に使われています。日本では医食同源という考え方が根付いており、薬膳料理もあるので薬草(ハーブ)を使った食での植物療法は馴染みがありますね。植物療法は植物と関わりが深いため、自然志向で人や環境に配慮した医療行為・健康法として、近年特に注目を集めています。

ハーブを使った料理のように、フランス人は無理しない範囲で植物療法を行っています。環境に良いことかと意識する前に、自然に楽しく生活に取り入れているのが素敵です。では他にはどんなものがあるのか見てみましょう。

オーガニックコスメも植物療法の一つ

植物療法と聞けば、治療の一種で何かすごい医療行為を行うイメージかもしれませんが、実はオーガニックコスメもその一つ。オーガニックコスメは主に植物や自然由来の成分が配合されており、人間が本来持つ肌の自然治癒力を高めることに着目して作られています。以前、アロガンオイルが流行ったことがありましたが、これも植物療法の一つです。ホホバオイルやローズウォーターなど、意識しないうちに植物療法を取り入れている人も多いでしょう。そう聞くと、できそうな気がしてきませんか? 

オーガニックコスメは、30年ほど前に環境に良い商品を作るというコンセプトの元、アトピーなどの肌荒れで悩む人も使えるスキンケア用品を開発するというところから始まりました。2000年代前半から注目され始め、今ではフランスのスーパーにオーガニックコスメコーナーがある程ブランド数も商品数も豊富です。

最近はさらに進化し、スローコスメという概念も出てきています。スローコスメとして認定されるためには、環境や動植物に配慮し、グリーンウォッシングではないこと、高価格すぎないこと、きちんと効果が出るものであることが条件です。グリーンウォッシングとは、売り上げ目的で環境に配慮しているように装うことを指します。つまり、スローコスメを名乗っていいのは、商品の成分表だけではなく、マーケティングの手法や企業の経営方針を含めた企業指針が基準に合格しているものだけ。そのため、ほとんどのスローコスメは家族経営の中小企業などによるフランス産の商品です。商品だけではなくビジネス形態自体も評価基準になっていることが新しく、スローコスメの考え方はこれから主流になっていくとみられています。

【後編】はハーブティやアロマテラピーなどの植物療法について紹介します。

川人わかな
Written by
川人わかな/ライター・コーディネイター

フランス・ニース在住。東京にて編集者として勤務後、2011年に渡仏。フランスを拠点に取材場所はヨーロッパ全域に亘る。主なテーマは、サステナビリティ、食、アートなどのライフスタイル。ウェブサイトや広告、TVの撮影コーディネイトも手がける。著書『世界の夢のパン屋さん』(エクスナレッジ)

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