1週間でチャレンジ!DoWellな自由研究のすすめ
SDGsって結局何をすればいいの?エシカルもカーボンニュートラルも大事なことはわかるけどいざ実践するのは簡単じゃないよね・・・そんなDoWellとは縁遠い生活を送ってきた筆者(PRプランナー時々母親)が、ふとしたきっかけでDoWellに向き合うことに。さあ大変、知識も意識も足りない筆者が背伸びせずに身の回りの手の届く範囲でできるDoWellな事=半径10mのDoWellを紹介するコラムです。
はじまりは声優オーディション
そもそもきっかけは将来の夢 =声優、今一番好きなもの=声優!の娘(12歳)が声優オーディションをうけることになったことだった・・・。と、いきなりDoWellとは遠く離れた事象からの唐突な書き出しで申し訳ありません。コラムの第1回でもあるので、まずは自己紹介からと思って原稿を書きはじめたのですが、そうこうしているうちに、そもそもなんでこのコラムを引き受けることになったんだっけ?と思い起こしてみたのです。
はじめまして、本コラムを担当します村木みちると申します。都内在住、40代前半、夫1名、娘1名。どこにでもいる共働き世帯で、PRプランナー兼母親をやっています。性格はぐうたら、面倒臭がり、そして酒飲み。どちらかといえば家族ともどもDoWellとはそんなに縁のない生き方をしてきた自覚あり。
そんな我が家がちょっとだけDoWellと向き合うことになったのは今年の6月のことでした。
2019年にアメリカで制作・公開されたドキュメンタリー映画「マイクロプラスチック・ストーリー 〜ぼくらが作る2050年〜」(https://www.microplasticstory.org)。ニューヨーク・ブルックリンの小学5年生が学校の授業をきっかっけにプラスチックの海洋汚染問題に触れ、彼らの視点でこの問題の根幹が何かを問いただし、解決に向かって自分たちのコミュニティーからアクションを広げて行くまでの2年間を追った長編ドキュメンタリー。この日本語吹き替え版の制作にあたって、子供の声優を募集するプロジェクトが立ち上がるらしい。
そんな話をママ友伝いに聞いて、意気揚々と申し込んだのが今年の春のできごと。結論から言うと、練習に練習を重ねて臨んだオーディションは撃沈。残念ならが一次選考で涙を呑む結果となったのだが、このオーディションに臨むにあたって我が家はみんなでこの映画の字幕版を鑑賞した。そしてオーディションで聞かれそうな質問にせいいっぱいの対策を試みた。
何が聞かれるだろう?きっと「応募したきっかけは?」とか「映画を観てどう思った?」とかは鉄板。あとこの映画ならではの質問といえばきっと。。。
「あなたがプラスチック海洋汚染の解決のためにやっていることは?」
そう。きっと100%聞かれるであろう質問。その回答を考えようとして、はたと行き詰まった。
あれ?我が家全然プラスチック問題に向き合ってなくない?これってまずくない?
そんな気づきがきっかけで、それまでより少しだけ「プラスチック海洋汚染」に向き合った我が家。そんなきっかけで、家族みんなでちょっとだけ意識を変えようと決意した矢先にこのコラムのお話を頂き、決意表明よろしくチャレンジすることにしてみたのでした。
Do Wellの第一歩は自由研究!?
そして、迎えたコラム第1回のテーマ出しの締め切り。我が家では私と娘がそろってああでもない、こうでもないと頭を悩ませていました。親の頭を悩ませていたのは、このコラムの第1回目のテーマ。半径10mの身近な話題のネタ探し。そして娘の頭を悩ませていたのは同じく締め切りが日々カウントダウンされていく夏休みの宿題、なかでもとくに自由研究。
そこで閃いてしまった一石二鳥かつ安直なアイデア。身近なDo Wellをテーマに親子で一緒に自由研究の案を考えてみるのはどうだろうかという愚直な案!
でも、これはこれで意外と悪くないかもしれません。身近なDoWell=身の回りのことを題材にしたささやかな取り組み、そしてそこから得られる気づき。そう考えたときに親子で取り組む自由研究でDoWellを考えるのは第一歩としてはなかなかいい案ではないでしょうか?
そんなこんなで、前置きが長くなりましたが、今回はそんなこんなで我が家でこの夏取り組んでみたDoWellな自由研究アイデアを紹介したいと思います。
1週間断プラスチックチャレンジ
ご紹介するアイデアは題して「1週間断プラスチックチャレンジ」。このコラムのきっかけにもなった映画「マイクロプラスチック・ストーリー」にならって、断プラスチックな生活に取り組んでみる自由研究です。直近ではスーパーやコンビニのレジ袋有料化というモメンタムがあり、それを機に生活の中での断プラスチックを意識することになった人も少なくないかもしれません。ただしメディアなどでも報道されているように我々の生活の中のプラスチックにおいて、レジ袋はあくまでほんの一部。そんなふだんは見えないプラスチックの利用と廃棄のサイクルを可視化するのがこの「1週間断プラスチックチャレンジ」です。
やり方はシンプル
①まず家の中にある“プラスチック”がどれぐらいあるか発掘してみる
家の中にあるプラスチック勢品をリストアップしてみましょう。スマホなどを片手に家の中を探検。見つけたら写真を撮る形にして親子で枚数を競いあったりすると意外と楽しく取り組めます。ここでまずどんなものにプラスチックが使われているのかを洗い出し認識してみます。ちなみに我が家では、コロナ予防に買ったポリ袋の手袋からゲームソフトのパッケージ、はさみや定規などの学用品なども含めて実200点以上のプラスチック製品が発掘されました。
②1週間“捨てることを前提としたプラスチック”を利用せずに、生活してみる。
プラスチックが使われているものを認識した上で、1週間それらを使わずに生活するというルールを定めてみます。コンビニやスーパーで使い捨てのスプーンやフォーク、レジ袋をもらわないのは当たり前。喉が乾いたら自販機で購入していたペットボトルも当然購入できません。意識的に外出時は水筒を持ち運ぶようになりました。
そしてここで意外と大変なのが毎日の食材の買い物。例えば、当たり前のようにスーパーで買っている肉や魚パッケージに使われているのは全てプラスチック。大好きなお菓子のパッケージも調味料の入れ物もプラスチック。輸送時の破損をさける、きれいに陳列する、品質を保つなど様々な目的で使われているのだと思いますが、とにかくスーパーマーケットの製品は多くがプラスチックをまとっているのです。ここでも買おうとして買えなかったプラスチックを含んだ商品を写真で記録してみると、チャレンジ初日の買い物では、普段のペースで買おうとしたものの6割近くがプラスチック利用商品でした。
ちなみに暑さにかまけて、2日目はデリバリーを頼んだのですが、多くのデリバリー食品ではパッケージにプラスチックやポリ袋が使われるため、確実に紙パッケージと思われるピザをカトラリーなしで注文することでくぐりぬけました。
③脱プラスチックの方法を考える
1週間の生活の中で「ここにも、あそこにもプラスチック !」を実感するのですが、中でもどうしてもプラスチック なしではなりたたない瞬間も出てきます。例えば卵。近所のスーパーやコンビニで扱っているのは全てがプラスチック の梱包材を利用した卵。プラスチックを利用せずに卵を入手できる方法がないのかと調べ、どうにかこうにか見つけ出したのが段ボールで一定個数まとめてのお取り寄せ。せっかくなのでおいしい卵屋さんから取り寄せた卵でかに玉や親子丼などの卵メニューを堪能することにしました。
そうして、生活の中で発見したどうしても代替をみつけにくかったきかなさそうなプラスチックを洗い出してみるとこんなものがあがりました。
そうして、生活の中で発見したどうしても代替をみつけにくかったきかなさそうなプラスチックを洗い出してみるとこんなものがあがりました。
・スマートフォンやパソコンなどの電化製品
・はさみやカッター、シャープペンシルなどの文房具
・日焼けどめのパッケージ
・セロハンテープ
・プールバッグ
④自分なりの置き換え案を考えてみる。
最後にこうした「置き換えの難しいプラスチック製品」をどうしたら脱プラスチックできるかを自分なりのアイデアで考えて絵にしてまとめてみます。例えば、日焼けどめは最初の1回は仕方ないとして詰替ができるようになればいいのでは?という案。電化製品や文房具は木や金属などの代替製品にするという案。そんなアイデアを考える中で、実は置き換えには大きな課題もともなうことにも気づくことになります。
実際に金属に置き換えたときに価格はどうなるのだろう?耐久性は?重さは?
魚屋さんや肉屋さんに買いに行けばプラスチックのトレーではなくって紙でつつんでくれるけど、毎日はなかなか難しい・・・
水筒忘れたときにはどうしてもペットボトル買いたくなっちゃうなぁ。
1週間の脱プラ生活を終えて
ということで、いろんな苦労と工夫の果てにどうにか終えた1週間の脱プラ生活。改めてスーパーに買い物に行ったときには、反動で思いっきりプラスチック商品を買いたくなるのかなと思ったのですが、これが意外と不思議なものでなんとなく極力プラスチックが少ない方を選ぶようになっていました。
多くの気づきの中で、安価で軽量で簡便なプラスチックの価値を実感しつつ、それに慣れすぎているが故に物を大事にしなくなった自分たちにも気付きます。昔は金属製が当たり前で、長く使い続けることを前提にしていたはさみは今や100円均一で簡単に手に入り、紛失してもまた買えばいいやと思われる存在になっています。(事実、我が家では使ってなくってついつい買ってしまったはさみが6本ほど発掘されました)
でもこれからの地球のことを考えると、一度そういう捨てる&買い増すことを前提とするサイクルから抜け出す必要があるのかもしれません。
ということで、我が家のちょっとだけDoWellな自由研究のご紹介でした。
文/村木みちる