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「大好きなものを長くつかう」が、私たちの「Money Voting」
「大好きなものを長くつかう」が、私たちの「Money Voting」
VOICE

「大好きなものを長くつかう」が、私たちの「Money Voting」

「買い物は投票だ」という言葉を聞いたことがありますか? 世界では「Money Voting(お金の投票)」を合い言葉に、ひとり一人のお金の力で、世の中をよりよく変えていこう、そんな動きが広がっています。

どんなものに自分のお金を投じるか。それは、自分がいいと思うもの、賛同する社会のあり方にたしかな意思を表明するアクションです。あなたはどんな「お金の投票」をしていますか? レストランオーナーの山戸ユカさん、浩介さんに「Money Voting」と、その思いを聞きました。

深い愛着があればこそ、
洋服もバッグもつかい続けられる

7年前、東京から山梨県北杜市に移住して、以前より強く環境に対する意識を持つようになりました。キッカケは身近な自然の変化。年々雪の量が減るいっぽう、夏には豪雨や、数年前までは目にしなかった蚊も増えてきました。気候や環境の変化は遠い世界のことじゃないと実感したんです。

最近強く思うのは、環境にいいというものでも、買いすぎて余らせ、捨てたら意味がないということ。それより自分が本当に好きだと思えるものを長くつかったほうがいい。つくりがよくて丈夫で、修理してつかえるものならなおいいし、つくり手の情熱が込められていたり、環境負荷が少ない素材ならいうことなしです。

わが家には、夫が13歳のときに四苦八苦しながらアメリカの本社までファックスを送って取り寄せた「L.L. Bean」のトートバッグがあるのですが、洗濯してクタクタになってもまだ現役。「Patagonia」のセーターやパンツ、「Barbour」のジャケットも10年選手で、いい味を出しています。

なによりどのプロダクトにも思い出が刻まれていて、修理不可能になるまではずっとつかい続けたいものばかりです。ものを長くつかうというライフスタイルは環境うんぬんの前に、ものに対する深い愛着から生まれるのかもしれません。

PROFILE

山戸ユカ 山戸浩介 やまと・ゆか&こうすけ
レストランオーナー。山梨県北杜市で季節の野菜や地元食材を使ったレストラン「DILL eat, life.」を営む。添加物を使わないアウトドア用トレイルフード「The Small Twist Trail Foods」の製造、販売も。ユカさんは料理家としても活動し、レシピ本なども多く手がける。

●情報は、FRaU SDGs MOOK Money発売時点のものです(2020年11月)。
Photo:Tetsuya Ito Text & Edit:Yuriko Kobayashi
Composition:林愛子

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