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町田啓太「『いただきます』という言葉のすごさについて」
町田啓太「『いただきます』という言葉のすごさについて」
VOICE

町田啓太「『いただきます』という言葉のすごさについて」

毎日の暮らしに欠かせない「食」と真摯に向き合う人が増えています。地域とつながり畑を耕したり、コロナ禍の飲食店を応援したり、食事から健康を考えたり。食に思いを巡らせ、未来を考える、俳優の町田啓太さんに話を聞きました。

多忙な生活のなかでも
食事の楽しさを見出す

中目黒にある居酒屋 三盃(東京都目黒区上目黒3-6-5)にて。食材にこだわる和食居酒屋で、町田さんもよく利用するというお店。野菜好きな町田さんが選んだのは、色とりどりの食材が鮮やかな「パワーサラダBOX」(¥1296)。新鮮なサラダにチキンも入っていて、タンパク質も摂れるバランスのいい一品。プルオーバー¥51700、Tシャツ¥22000、パンツ¥29700、リング¥56100(全てトムウッド)www.tomwoodproject.com

2020年にテレビ東京系で放送されたドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』への出演で話題になった町田啓太さん。映画やドラマへの出演など忙しい毎日を送る彼の食生活には、ここ数年で変化があったと丁寧に言葉を紡ぎながら語ってくれた。

「新型コロナウイルスが流行してから、外食をすることも難しくなってしまいました。大好きなお店にもなかなか行けないけれど、あの味が恋しいと思ったらテイクアウトを利用しています。飲食店の大変な状況はよく耳にしていて、直接的な支援ができない自分がもどかしいのですが、テイクアウトの利用で少しでも応援したいという気持ちもあります」

コロナ禍による社会情勢の変化は、彼自身の健康を考え直すきっかけにもなった。

「実はこれまで、食に対してそれほど欲も興味も持っていませんでした。しかし自分の心身の状態や健康を考えるようになったことで、食に対する意識が変わってきた気がします。いろんな食品や食事法を試してみて、自分が心地よくいられる方法を探しています。食事に関する映画やドキュメンタリーを観ることも増えました」

食に関するさまざまな情報があふれているなか、バランスのよい栄養摂取を心がけながら、自分にとってのベストな食事を探っている最中だという町田さん。いくつかの食品を試してみて、とくに気に入っているのは野菜をたくさん食べることだそう。

「野菜中心の食事にすると、食後に眠くなることも少なく体も軽い気がします。当たり前のことですが、撮影前に塩分を摂りすぎると顔がむくみます。よいコンディションを維持するためにも、食事は重要。年齢を重ねるごとに、食事の影響が体に表れるようになってきて、その大切さを実感しています」

もうひとつ、町田さんがそう思うようになったきっかけがある。それは実家から送られてくる野菜だった。

「母が自宅で家庭菜園をはじめて数年が経ち、収穫した野菜を送ってくれるんです。スーパーには形がキレイに揃った野菜が並んでいますが、母のつくる野菜は形も大きさもさまざま。こんな大きなズッキーニ見たことない! と驚くのも楽しみのひとつです。そんな野菜を料理しておいしくいただくのは本当に幸せな時間です」

母のつくった野菜は味も格別だと笑う。いままではあまり料理をする機会はなかったが、食事への意識が高まったことで自然と料理にも興味を持ちはじめた。

「僕にできる範囲の自炊をする程度ですが、料理をはじめてからは、外食をするときにも、よりその食事に向き合うようになった気がします。どんな食材や調味料が使われているのか、どんな風に調理されているのか考えながら味わうことが増えました。テイクアウトと自炊の両方を取り入れて、負担なく食事を楽しむことが僕には合っているようです」

料理を通して、食を捉える視点が増える。そして食に対する考えも深まる。忙しい日常のなかで、ムリなく料理をする町田さんの姿勢は、人間本来の食事の楽しさを思い出させてくれるようだ。

「いただきます」のひと言で
食への向き合い方が変わる

ひとつの料理の裏側には、食材をつくった人、流通に関わった人、料理をしてくれた人がいる。毎日の食事は、多くの人の支えによって可能になっているという事実を忘れずにいたいと語る。その考え方には、幼い頃の環境や体験が影響を与えていた。

「実家に住んでいた頃は祖父母が田んぼでお米を育てていて、僕も田植えや稲刈りを手伝ったことがありました。祖父母は常に天候を気にして田んぼの水の量を調整していたし、お手伝い程度でも農作業はとても大変だったことを覚えています。食事のとき祖父には『米を残すな』と厳しく言われたものですが、丹精込めてつくったお米を大事に食べてほしいという思いからでしょう。その経験を思い出すと、ふだん何げなく口にしているものは、たくさんの人が時間と労力をかけてつくってくれたんだとあらためて気づかされます。忘れがちだけれど、大事なことだと思います」

その感謝の気持ちをひと言で表しているのが「いただきます」だと町田さんは言う。

「よくよく考えるとすごい言葉ですよね。このひと言に大事なことがすべて含まれていると感じます。命をくれた食材や、関わっているすべてに対する感謝。ひとりの食事のときにも、この言葉からはじめるだけでその時間が充実するのではないでしょうか」

PROFILE

町田啓太 まちだ・けいた
俳優。1990年群馬県生まれ。劇団EXILEのメンバー。大河ドラマ『青天を衝け』(NHK)、『今際の国のアリス』(NETFLIX)など話題作に多数出演。ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京系)でアジア各国でも人気を博す。

●情報は、『FRaU SDGs MOOK FOOD』発売時点のものです(2021年10月)。
Photo:Masanori Kaneshita Styling:Eiji Ishikawa Hair & Make-Up:KOHEY Edit & Text:Saki Miyahara

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