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フェアトレードで、みんなが「当たり前」に暮らせる社会を
フェアトレードで、みんなが「当たり前」に暮らせる社会を
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フェアトレードで、みんなが「当たり前」に暮らせる社会を

「フェアトレード ミリオンアクションキャンペーン2022」のアンバサダーに就任した、廣瀬俊朗さんと望月理恵さん、そして堀潤さん。元ラグビー日本代表のアスリート、取締役として後輩たちをまとめるアナウンサー、取材し、情報を発信するジャーナリストというそれぞれの立場から、サステナブルな取り組みをどう捉えているのか、想いや決意を伺いました。

よりよい世界のために。いますぐ私たちができること

――アンバサダーに就任したときは、どのような気持ちでしたか。

廣瀬 私はずっとラグビーをやってきて、長年スポーツ業界に身を置いてきました。そんな立場から思うことは、スポーツ業界はサステナビリティやフェアトレードといった面で遅れをとっている、ということ。

ただその一方で、スポーツというのは人々に何かを知らせるいいきっかけを提供できるとも思っています。試合会場にフェアトレードコーナーがあれば、子どもたちが集まってきて「何だろうこれ、面白そう」となるかもしれない。私自身、まだまだ初級者なんですが、一緒に学んで、知識をみんなに広げる役目ができればいいな、と思います。

望月 2021年の6月から、キャスターやアナウンサーが所属する事務所、セント・フォースのプレイングマネージャーとして、取締役に就任しました。それを機に、セント・フォース全体でSDGsへの意識を高めていこうと、医療が届かないところに医療を届けるNPO法人「ジャパンハート」の活動に事務所ぐるみで関わっています。

フェアトレードのアンバサダーのお話も、その一環としてお受けしました。最初は「私でいいのかしら」と思いました。けれども、「こんなに少額のお買いものでも、社会に貢献できるんだ」という発見、意識を皆さんに広げて、それをアクションにつなげていただくことのお手伝いなら、私にもできるんじゃないかと考えたんです。

 報道の現場にいると、フェアトレードに関わることはいろいろなところで目にします。カンボジアのある集落では、現金収入が必要だからと、働き盛りの男性がみんな村外、国外に働きに出てしまっていました。集落を守るのはお年寄りと女性たち。村の中の現金が足りないために病院に行けず、夜逃げしたり命を落としたりといったことが少なくありませんでした。

そこで日本のNGOが水を確保して、オーガニックでハーブを育てる方法を教えました。すると、年老いたお母さんと暮らしていた女性が、街のオーガニックショップにハーブを卸すことで現金収入を得られたんです。

「人権侵害や環境破壊などのニュースは、国や企業から隠されてしまいがち。世界中のNGOが懸命に調査しています。見かけたら応援してほしい!」

 フェアトレードなどの取り組みは、こうした「人々が当たり前に生きられる環境を整える」ための仕組みづくりです。そのことをひとつ一つの現場を訪ねて報道することで、自分なりに貢献していきたいと思っています。

廣瀬 フェアトレードのラグビーボールがあることは、今回初めて知りました。スポーツにはもともと、フェアプレイという言葉がありますよね。そうしたフェアな精神を、競技する相手だけでなく、動物だったり植物だったり、さらには未来の人々にも向けていきたいなと思います。

フェアトレードラグビーボールを手にする廣瀬さん。「手縫いのボールが児童労働問題につながっていると知り、驚きました」。

大切なのは、正しい知識と小さなアクション

――今日からはじめられるアクションには、どんなものがあるでしょう。

廣瀬 今日はペットボトルを再生したTシャツを着てきたんですが、そうした原料などモノの入り口だけでなく、「使ったあとに、どこへいくのか」を常に意識すること。みんながそのクセをつければ、きっといろいろ変わると思っています。

望月 今回、アンバサダーになったことで、まわりのママ友がみんな、「私たちは何をしたらいいの?」と聞いてくるんですよ。だから「フェアトレードの商品を、手に取るだけでもうアクションなんだよ」と伝えています。

「子どもたちが『フェアトレードを学校で習った』といって、私に教えてくれるんです。私たち親も、負けずに知識をつける必要がありますね」と望月さん。

望月 児童労働や強制労働で生まれた商品を、私たちは多く購入しています。フェアトレードのモノを買うという行動の積み重ねが、さまざまな問題を解決していくための大事なアクションになります。まずはスーパーなどで、どんな製品があるか探してみることからはじめていきましょう!

 たとえば「遺伝子組み換え製品」と聞くと、「よくないものだ」と思うだけで終わってしまいますよね。けれどもその生産過程を見ると、化学薬品を使う作業を、作業員が素手で行っている。作業にあたる子どもの指を見ると、荒れてただれているんです。そうした現場の状況を知るだけで、「遺伝子組み換え製品は購入しないようにしよう」というアクションにつながると思います。

私が心がけたいのは、「小さな主語」でニュースなど情報を伝えること。ウクライナの食糧支援を報じる際には、「国連がウクライナに食糧支援を行なった」ではなく「国連が働きかけた地元のパン屋さんが、ウクライナの人々に焼きたてのパンを届けた」と報じる。そうやって主語を小さく、身近に感じられるようにして情報を届けることで、皆さんの意識が「私にもできるかもしれない」「やってみよう」に変わっていったらと考えています。

PROFILE

廣瀬俊朗/1981年生まれ、元ラグビー日本代表キャプテン。現役引退後は、「ビジネス・フブレークスルー大学大学院」にて経営管理修士(MBA)を取得。ラグビーW 杯 2019 では 公式アンバサダーとして活動。現在は、株式会社HiRAKU代表取締役として、スポーツの普及、教育、食、健康などさまざまなプロジェクトに取り組んでいる。

望月理恵/株式会社セント・フォース取締役、NPO 法人ジャパンハート アドバイザリーボード。テレビ番組「世界ふしぎ発見!」(TBS系)のミステリーハンターをきっかけに芸能界入り。TOKYO FM「Blue Ocean」などラジオ番組のパーソナリティを務めながら、2022年3月まで17年にわたって日本テレビ「ズームイン!!サタデー」の司会を務めた。

堀潤/1977 年兵庫県生まれ、ジャーナリスト、映画監督。2001年NHKに入局、「ニュースウォッチ 9」リポーターや「Biz スポ」キャスターなどを担当。2012年、市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、2013年にNHKを退局。現在は、TOKYO MX「モーニングFLAG」 などに出演するほか、国内外の取材や執筆にもあたっている。

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