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世界で何が起こっているのかを知ることで、自分の価値観をアップデートさせています。/町田啓太さん【前編】
世界で何が起こっているのかを知ることで、自分の価値観をアップデートさせています。/町田啓太さん【前編】
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世界で何が起こっているのかを知ることで、自分の価値観をアップデートさせています。/町田啓太さん【前編】

気になるあの人にサステナビリティについてインタビュー。第3回はNHKの大河ドラマ『青天を衝け』の土方歳三役をはじめ、作品ごとにガラリと変わる幅広い演技力と役を超えて放たれる独特の存在感で注目を集めている俳優、町田啓太さん。前編は役を演じることと、俳優という仕事の役割についてうかがいました。

後編はこちら

撮影/喜多剛士 インタビュー・文/水谷美紀

多様な役を演じるには、普段の自分が大事

色々な役を演じる機会が多いのは、自分で意識して選んでいるわけではなく、本当にたまたまなんです。俳優は基本的にお声がけをいただく立場なので、ただただラッキーなんだと思います。
役作りに関しては、その役がどんなキャラクターかということ以上に、自分のアプローチ次第ではないかと思っています。どんな役であっても演じるのは自分なので、日々の生活のなかで感じたり考えたりしたことが演技に反映されていくと思います。

普段の自分がなにを考えているかもですが、今、世の中で何が起こっているのかということをちゃんと学んで自分をアップデートさせていくことが俳優にも必要だと感じています。ですから、役を作るというより、たとえば悪役でも何故そういう人物になったのか、時代劇でも何故そういう行動をとったのかなど、役を通してその人を理解し、自分の価値観や考えと役の人物を繋げていくことで、自分と役をうまくリンクさせることができるのではないかと最近は考えています。

土方歳三を演じて感じた、時代による価値観の違い

演じる役のなかには、もちろん自分とまったく異なる価値観の人物もいます。大河ドラマで演じた土方歳三もそのひとりです。渋沢栄一と交流するシーンは、ふたりの価値観を含めた生き方の違いがはっきりと表れていましたが、生きるか死ぬかの激動の時代に、同郷でシンパシーを感じ合っていながら、片や生きる方に向かっていく渋沢と、片や死に向かっていく土方が対比になっていて、演じた身としても心に残るシーンになりました。

このドラマに出演させていただいたことで、この約150年の間に人々の考えや価値観はこんなにも変わったのかと改めて驚かされました。特に土方歳三は人を殺めてきた人物です。彼なりの正義もあったでしょうが、仮にそうだとしても、今の時代ではあり得ないというか、許されることではないですよね。そういった人物を演じたことで、時代や環境によって命のとらえかたや価値観がまるで異なってしまうということについても、もっと考えていかなくてはいけないと思いました。

日々の気休めにしてもらえたら

俳優の仕事を通して人に何を与えられるのかと考えたとき、本当にできることは少ないな、といつも思います。医者でもないですし、人命救助ができるわけでもない。本当に緊急事態になったとき、真っ先になくなって良い職業だと僕自身は思っています。ですからせめて、日々のちょっとした楽しみにしてもらえたらいいなと。僕たちが出ているドラマや映画を観てくださって、「ああ楽しかった、さあ明日もちょっとがんばってみるか」という気持ちになってもらえたら、それだけでありがたいです。具体的な助けにはなれないでしょうが、心の部分でなにか繋がれたらといつも思っています。

【後編】では、町田さんがサステナビリティに関して日々、意識していることについてうかがいます

30年後もきっと愛用品

町田啓太さんが30年後も大切にしたいモノとは?

ノート

基本的には新しい作品に入ったときに、監督やスタッフの方と打ち合わせをして新しく気づいたことや、台本を読んで気づいたことを書いています。こうやって書き留めておくと、今回の『JAM -the drama-』のように前の撮影から数年空いてしまう役などが来たときに当時のことをすぐに思い返せ、そこからプラスアルファできたりします。実は以前はもっとメモのような形だったのですが、山崎努さんが『俳優のノート』という、ご自身の演劇論などを赤裸々に書いた日記を出版されていることを知り、ちゃんと一冊にまとめて書くようになりました。人に見られるのは恥ずかしいので、僕の場合は天国に行ってから公開してください(笑)

お知らせ

この秋、町田さんが出演する新作について、ご本人からコメントをいただきました。

(SUPER RICH)
『SUPER RICH』は、登場人物の誰かには感情移入できる、おもしろいドラマです。同時に、自分にとっての「リッチ」ってなんだろうと考えていただく機会にもなると思います。僕は主人公の会社に勤める人事担当の責任者という役ですが、主人公をとても尊敬しているという設定です。それが何故なのかもドラマが進むにつれて明らかになっていきます。今の時点では結末が分からないオリジナル脚本なので、僕もワクワクしながら演じています。

(JAM −-the drama-)
『JAM -the drama-』は映画 『jam』の世界観そのままに、SABU監督が織りなす新たな物語ですが、今作から観ても問題なく楽しめる作品です。僕は映画に引き続きタケルというちょっとヤバい、ひたすら周りを巻き込むトラブルメーカーの役です。こちらもオリジナル脚本ですが、SABU監督が僕に演じさせたら面白いだろうと、映画よりパワーアップしたキャラクターに肉付けしてくれました。その点にも注目してご覧ください。

町田啓太
町田啓太

1990年7月4日生まれ。群馬県出身。2010年に行われた「第3回劇団EXILEオーディション」で劇団EXILEのメンバーに。その後、連続テレビ小説『花子とアン』(NHK)、大河ドラマ『西郷どん』(NHK)、『今際の国のアリス』(Netflix)、大河ドラマ『青天を衝け』(NHK)など出演作多数。ドラマ『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』(テレビ東京)にて第106回ザテレビジョンドラマアカデミー賞助演男優賞受賞、第30回TV LIFE年間ドラマ大賞 助演男優賞受賞。テレビ東京とめちゃコミックのコンテスト「僕を主人公にした漫画を描いてください!それをさらにドラマ化もしちゃいます!!」の主演・審査員を務める。またABEMAにて「JAM -the drama-」が木曜よる10時放送中。10月放送開始のフジテレビ木曜よる10時放送の「SUPER RICH」に宮村空役にて出演する。

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